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第二話:ファーストキス

ドアのぶに手をかける。

ドアのぶを回す。

ドアを引く。

ただそれだけの動作だった。しかし、何かが変。いつもと違う。

開けてはイケない、妙な予感がした。


結果からいって予感は的中だった。


はたしてそこには少女がいた。

いや、いらっしゃった。何て言うか神々しい。まるで天使を思わせるような少女であった。

「あんた誰?」

俺の顔をまじまじと眺めて少女が言った。年は自分とあまり変わらない。白い小袖の下にうっすら覗く、ピンクのブラウス、桃色がかった朱色の袴を着た体をこちらに向け、呆れたように眺めていた。

顔は……。可愛い。ストレートで(つや)やかな黒髪と透き通るような白い肌をステージに漆黒の瞳が踊っている。

人形みたいだ。どうみても人間にしては出来過ぎている。まるで未知の世界にしか存在していない妖精のように綺麗で、そのうえ、とびきり可愛い女の子である。


目の前に現れた少女と、自分の頭の中の現実を、精一杯整理しようと努めている頭で俺は言った。

「誰って……。俺は御谷幸汰(みたにこうた)

「あんたの所為だからね!」

俺の所為? 何だそれは。第一にここは俺の部屋であり、それにこのかっわいらし〜い少女と一度たりとも関わったことがない。

お初にお目に掛かっているのである。一体どうなってるんだ?

「いいこと。あんたがあんなこと言った所為であたしは、今ここに来て仕事をしなくちゃいけなくなったでしょ!」

少女はふっくらとした形のいい唇を尖らせて、左手の人差し指を幸汰にむけ言い放った。

俺の所為で仕事? 何だそれは?

というより、今日の俺変じゃないか? 夢でも見てるんじゃないのか。

「な、なんとか言いなさいよ!」

口を僅かに膨らませ、あくまで威厳を保ちつつ幸汰に迫った。

「ご、ごめん」

なぜだか謝った。俺、意味わからない。何が悪かった? 本当によくわからないが一応彼女の様子を伺った。

彼女は満足したようで

「ま、わかればいいのよ。わかれば」

え? わかれば。俺、何にもわかって無いんですけど……。

っていうより、今何が起こっているんだ? わかる奴がいたらここに来て俺に説明してくれ。

というより、聞こう。うん。俺よく気付いた。偉い。

「あ、あの〜、俺の所為で仕事ってなんで? というかどうしてここに?」

しょーじきな気持ちの、ありのまま言葉にした。まぁ、あなたはドチラサマ? とまでは言わなかったが……。

「ん? あんたさっき言ってたじゃない。う〜んと、ぇ〜ト……」

少女はそこまで告げると言葉が止まった。何て言うか、肝心なところを忘れてしまったらしい。

「まぁいいじゃない! とにかく、あんたがさっき契約したから、あたしが来てやってるんでしょ。

あたしは契約者であるあんたを、こっちの世界へ連れてくるように命じられたのよ!」

そこまで言い切ると、彼女は大胆な行動にでた。

あろうことか、幸汰の前に来てちょん、と爪先立ちで目をつむり立ちすくんでいる。

すらっとした細い肢体、凹凸の無い滑らかな平野が広がる胸。

ふっくらと小さく、かわいらしいお尻、そしてその間にあるくっきりとしたくびれ。その全てを総称した身体が、僅かに震えている。

そんななか幸汰は呑気に考えた。

か、顔が近い。え? ヤバイ。どうしよう。キ、キキきす? いいの俺なんかで? いいわけないよ! こんな可愛い子、俺には見合わない。

そう、自分の心に言い聞かせ、彼女の肩に手を置いた。

「な、何て言うか……ごめん!」

誠心誠意謝った。

「何言ってんのよ! あ、あたしからってのは、は、恥ずかしいんだから……

でも……しかたないわよね……ああもう!」

しかたがない? WHY? 何故(なにゆえ)? 何が?

そう幸汰が思った時には遅かった。

彼女のふわっとした腕が幸汰の首に回った。と、次の瞬間、おもむろに顔を近づけ、彼女のそれを幸汰に押し付けた。

「んっ……」

な、何だこいつ? いきなりキス? 柔らかい唇の感触が幸汰を困惑させる。

俺のファーストキス! でも、このわけわからない少女に、こんな時に奪われるなんて!

幸汰は身動き一つ出来ずに、ただただ呆然としていた。

少女が唇を離す。


直後、幸汰は激しい睡魔に襲われた。しかし、それは眠いというより、苦しかった。

ぼーっとしてきた頭に最後に入って来たのは、恥ずかしそうな彼女の消え入るようなか細い声だった。


「あ、あたしの…ふ、ふふファーストキスだだ、だったんだからね! か、かか感謝しなさいよ!」


キスって…… そっちの世界(?)に連れていかれる手段だったのか。ここで幸汰の記憶が途切れた。



わざわざ長い文章を読んでいただき大変恐縮です。ありがとうございます。

さて、この話には女神様が登場してきますが実際にそんなことは起こりません。しかし出会えたらいいな! こんな体験してみたいなということで描いてみました。

実は小説を描くのもほぼ初めてなため、みなさんのお目を汚していなければ何よりです。

また、読んだ本も少なくボキャブラリー不足名ため某小説からパクってしまっているところも多々ありますが、それは勘弁してください。

こうしたほうがいい。もっとここはこうしろ。などビシバシ指摘してください。

あと、もしもこんなところが良かったなどとあったらそれも教えていただけるとありがたいです。

最後に、ここまで読んでくださったみなさん。本当にありがとうございました。

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