その事故、そのトラックは必要ですか?
異世界転生の作品で主人公が死んで始まる作品はたくさんあります。
死因はそれぞれですが、ひとつ問いたいのです。
その死は必要ですか?
主人公が異世界に行くために必要?
確かにその通りかもしれませんね。
では質問を少し変えましょう。
その死はプロローグに必要ですか?
「俺は死んでしまったようだ、なぜ死んでしまったのかは記憶があいまいだ。」
この一行以上に必要な情報がありますか?
話が進む上で前世の姿、前世の人間関係が必要ですか?
主人公が地球の知識だけ持っていれば良いのではありませんか?
そうですか、必要ですか。
なくしたくないのはわかりました。
では次の質問にしましょう。
その死は楽しいですか?面白いですか?
続きが読みたいと、思いますか?
プロローグなんだから本番の第1話から面白くなる?
プロローグを甘く見ているようですね。
ザーボンさん、ドドリアさん、やってしまいなさい。
え?面白いわけではないが必要だから書いている?
正気ですか?
あなたは今、「読者につまらないものを読ませている」と言っているのですよ?
それも「面白いもの」を読む前にです。
これを傲慢と言わず何と言うのでしょうか。
読者に借りを作っていると自覚していますか?
評価がマイナスからスタートしているという事ですよ?
マイナスになった時点で「ホーム」ボタンを押されるとは思いませんか?
評価がマイナスという事は面白いものを見せて初めてスタートラインに戻るという事です。
2話使ってやっとゼロに戻るのです。読者の時間を使った上でゼロ。
実質マイナスと言っていいでしょう。
それであれば、プロローグから面白いものを書いた方がいいと思いませんか?
死んだ理由なんてあとでちょろっと書くだけでもいいじゃないですか。
例えば少年ジャンプで、1話がとてもつまらない新連載が始まりました。
2話目から面白いと作者は自信満々です。
あなたは来週その作品を読みますか?
読むかもしれません、しかし読まない可能性は高い。
それどころか存在を忘れている可能性すらあります。
ジャンプという雑誌の性質上、手に取ればその雑誌に作品は掲載されているのです。
それですら読まれない。そして11週で打ち切られ消えていくのが現実です。
読者と最初に触れ合う第1話というのはそれほどに重いのです。
それを踏まえてもう一度聞きます。
その死は、必要ですか?