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プロローグ

 むかしむかし、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました。


 お爺さんは人間界へ人間狩りに。


 お婆さんも人間界へ人間狩りに。


 2人には1人の息子がおりました。彼を完全体に成長させ、次期魔王とするためには、大量の魂が必要だったのです。


 2人は、人間を次々と殺して魂を集めていました。



 そんな中、人間界のある王国では、お爺さんとお婆さんを殺すための会議が行われていました。


 ――男たちは皆、魔人に魂を抜かれ、もぬけの殻にされてしまいました。


 ――女たちは皆、魔人の慰みものにされ、精神が疲弊してしまいました。


 ――このままでは、この国は滅んでしまいます。


 ――国王。どうか、良きご決断を。


 ――それでは、最後の極秘計画を発表する。これはこの場にいる者以外に決して口外されてはならない。その誓をたてられよ。


 会議室にいる王国の偉い人たちは、それぞれの血をひとつの大きな杯に垂らしました。


 ――良いか。この誓を破られた者は、杯の呪いが発動し、死すことになる。また、その一族も然り。決して、破らぬように。


 ――ハッ。


 ――最後の計画は、題して「死なない人間計画」である。これで魔王は、おったまげー。というわけだ。


 その題の通り、その王国の魔術師、研究者の知恵や力の全てを集めて、魔王を討伐するための最終兵器が開発されました。


 王国に残った人間たちの中で、最も健康であった19歳の青年の肉体を使用し、それを完成させたのです。


 青年は、どのような攻撃を受けても、瞬時に肉体が再生される決して死なない体を手に入れました。


 例え、心臓や脳をメチャクチャに破壊されたとしても、再生されました。


 例え、体が粉々に砕け散ったとしても、その最も大きい片から肉体が生成され、復活しました。


 これらの事項は実験により、実証されました。


 ただひとつだけ実験されなかった事柄があります。


 その青年の肉体を完璧に真っ二つに切った時、その肉体はどのように再生されるのかを調べる実験でした。


 そもそも、人間の肉体というのはアシンメトリーであり、完璧に真っ二つに切ること自体が不可能であった為でありました。


 兎に角して、王国の「死なない人間計画」は成功し、見事に不死身の人間を開発したのでした。


 その後、直ぐに、「死なない人間」である青年を筆頭とした最後の魔王討伐パーティが編成されました。


 メンバーは他に、魔法使いである王国のお姫様と、戦士である貴族の息子と、僧侶である娘でした。


 4人は幾度もの苦難を乗り越えて、魔王の本拠地へ辿り着きました。


 青年は何度も何度も殺されながら、心を鬼にして魔王の心臓を、その握り拳で貫きました。


 見事に魔王を討伐したのです。


 青年はを含む4人は、無事に帰還した後、世界を救った英雄として称えられました。


 晴れて青年とお姫様は結ばれることになったのですが、それをよく思わない人物がいました。


 青年と苦楽を共にした戦士である貴族の息子です。


 戦士は、青年とお姫様が結婚できないように、ある嘘をつきました。


 ――その青年は、偽物です。それの正体は、魔王です。彼こそが、本物の魔王なのです!

 私たちは脅されていました! 今すぐに、その青年を、いや魔王を、殺してください!!!


 青年は狼狽しました。裏切られたのです。自分は魔王ではないのだと、何度も説得しましたが、貴族である戦士の声の大きさの方が上回りました。


 青年は王国の魔術師団や騎士団に追われてしまいます。


 青年は必死で逃げました。自分のことを魔王ではないと信じてくれるまで、捕まるわけにはいきませんでした。


 その事が逆に、彼が魔王であることに信憑性を持たせてしまいました。


 この状況は、戦士の思う壷です。このまま、青年が魔王として殺されてしまえば、戦士は英雄としてお姫様と結婚することになるでしょう。


 ああ、すみません。彼は、死にませんね。


 その事に気がついた貴族の戦士の息子は、彼を封印する計画を立てます。


 最初は数十人の精鋭魔術師を遣わせて、青年の封印を試みましたが、彼は魔王をも凌ぐ力の持ち主ですので、上手くいきませんでした。


 次は数百人の精鋭魔術師を遣わせて、青年の封印を試みましたが、また上手くいきませんでした。


 ……何度も封印を試みるうちに、国は大変な惨状となりました。


 青年と戦士の封印合戦は数十年に及び、数十万人の超精鋭魔術師の力を結集させることで、ようやく終止符が打たれました。


 青年、いや元青年はとうとう、封印されてしまいました。その封印は、数百万人もの犠牲の上に成り立った世界最強の魔術だったのです。


 その封印に近寄るだけでも常人は灰と化してしまう。そんな代物によって青年は永遠に等しい時の中、封印されることとなりました。


 ようやく念願のお姫様と、魔王封印の名誉を手に入れるはずだった戦士ですが、彼は元青年の封印の後すぐに、疲弊によって死んでしまいました。


 そもそものことの発端であるお姫様は、十数年前に自殺していたのですが、忙しすぎて戦士も元青年も気づいてはいませんでした。哀れな最後でした。


 こうして、魔王を討伐した青年は、仲間だった戦士に裏切られ、真の魔王とされ、封印されてしまったのです。


 それから、数千年の時が過ぎました。


 今まさに、その世界最強の最高の邪悪で最悪で最凶な封印が、解かれようとしています。







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「物理攻撃を鼻で笑う ~学園で最弱ランクの少年は、『精神支配』で実は最強~」連載中

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