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僕とファントムの放課後カルテ  作者: 瀬良真澄/雨宮董香
3/5

目が覚めると!?

超お久しぶりです。瀬良真澄(せらますみ)です。

受験やったら投稿しようと思ってたら学校になかなか馴れず、気がついたら6月。

本当に申し訳ありません。

いくつかストックがあるのでこれからは少しペースアップします。今後ともよろしくお願いします。



         ──ロス

   ──シテアゲル

                  ──んな──   ──テアゲル─


 誰かが私のなかでポツリポツリと語りかける


      アナタノためニ──

                      ──スカラ──

 誰に話しているのだろうか?私にはわからない


   ダイジョ──ワタシはアナタノた──


 途切れ途切れに聞こえるその声。意味はよく伝わってこない


                     コ─スカラ──


 (誰?何をいって──



 あなたのキライな人、みんなワタシがコロシてあゲル




「ウギャァァァァァァァァアアアアァァァァァァアアァァァァッッ!!!」


 怪鳥めいた悲鳴が部屋中に響くのと同時に、がばりと勢いよく起き上がる。

 自分の悲鳴で耳が痛い。


「……………………」


 夢だったのか。


 ジリジリと痛む耳を手で扇いで風を送りながら考える。


 しかし、もし夢だったのならどこからが夢なのだろう。

 壺を拾ったときから?

 家に帰ったとき?

 怪物が出てきたとき?

 それとも、もしかしたら全部現実………


「……………………」


 いや、いやいやいやいやいやいや。

 それはないそれはない。大丈夫。そんなことない。あり得ない。そうだ、よく言うじゃん。素数を数えて落ち着こう。そうしよう、うん。えー、 1,2,3,5

    ……あれっ?1って素数だっけ?(素数じゃありません)


 そんなことしているうちに、落ち着きを取り戻す。


 そうだ、怪物なんているわけがない。いるとしたらフィクションかなにかだけだ。そもそもあんなのいたら、楽しいスクールライフ遅れないじゃないか。

 

 勢いよくベッドから立ち上がり、シャーッという音とともにカーテンが開き、眩しい日の光が当たるときには、亜弥の心は明るくなって──



 真っ黒い色に染まった太陽


 ─怪物なんているわけが


 灰色の空


 ─フィクションかなにか


 恐怖を与えるほどに紅に染まった雲


 ─た、楽しいスクールライフ─


 地獄のような景色が広がっていた。


 ─眩しい日の光が当たる……ッッ


「おぅ ざっつ あめいじんぐ」


 思わず口から下手くそな英語がこぼれる。


 何てこった。私はどうかしちゃったのか?今までそこそこ楽しい生活してきた。部活して、ゲームして、勉きy…………もたぶんしてるし、あとゲームしてって感じでストレスも溜まってないはず。

 なのになんだこれは!?目眩とか幻覚とかそういう感じじゃない。感覚がしっかりしている。


「なんすかあれっ!?趣味悪すぎだろ!地獄絵図だろ!

 あー、もう終わりだ~!もういいよ!夢でしょ夢!私和思考を放棄するから、もう二度寝するから!」




     本当にどうなっているんだ!?




     ╬




美玲(みれい)君』


 朝の日が上るのと同時に、静寂(せいじゃく)に包まれた部屋に女性の声が響いたのは、中等部三年生の少女が目覚めるのより、まだ暗く寒い時間帯だ。


「だから、本名でいいって言ってるじゃないですか」


 寝起きで跳ねた髪を揺らしながら少年はぬいぐるみに言った。

 少年はベッドを椅子がわりにして深くゆったりと座っていた。


「何のようです?おやかたさま」

『いや、大した用ではない。ひとつ気になってな』


 ぬいぐるみがピョコンと隣に座った。


『ほぉぉ、ふっかふか~』

「……………心底気持ち良さそうですね。用件はなんです?」


 布団に顔を埋めながら、ベッドに負けないほどにモフモフの純白の毛に包まれたぬいぐるみは答えた。


『君はあれで良かったのかい?義理の妹だと言ったのは私だが、君が彼女に■■の■■■を渡す必要はないのでは?』


 その問いに少年は黙り混んだ。

 彼自身、自分で自覚しているほどに面倒事は嫌いだ。なぜかと言われてもわからなかった。


 だったらなぜ?


 なぜ彼女を助けた?


「フフッ」

『……?』


 そうだ、今までそんなことは何度もあった。3年前のあの日も、結局は気持ちよりも感覚が先に行った。


 そして静かに、だがはっきりと告げた。


「暇潰しだよ」


 そして少年は、他の人には眩しくギラギラ光って見えるらしい、黒い太陽を、この憎ったらしい世界(システム)を忌々しく見た。




     ╬




 そして時間は現在に戻る(進む)


「しかし、この世界観どこかで見たことあるような」


 数多のゲームに手を出しているため、いちいち覚えてはいないが、この風景にはっきりと自分の頭は反応していた。

 だが、思い出せない。


 ええいっ!悩んでいたって意味がない。一度思い出せなかったことは、どんなに頭をひねったって思い出せないんだ。何かきっかけがあれば。


 そうして勢いよく自室の二つの黒い木製の棚に飛び付く。縦100センチ横幅60センチの4段の棚は、ゲームカセットが1段。TRPGのルルブやその他パーティーゲームの類いが1段。ラノベが2段ともうひとつの棚を埋め尽くしている中学生女子にあるまじき棚である。

 もうオタクだ、ゲーマーだこれ。

 そんな棚に飛び付き、今までプレイしたゲーム、読んだ本を漁る。


 まぁ、黒い太陽とか赤い雲はダークファンタジーには有りがちだし、すぐ見つかるだろう。そう思って探しているとあるものが目に留まる。

 白メインの美少女キャラクターのイラストつきの目覚まし時計だ。セットされていなかったのか、モーニングコールは鳴らず、2本の針は8:15を指していた。

 

「…………………………」


 思考すること十数秒。

 静まり返った私室にはカチッカチッという時計の針だけが、正確なテンポで音を刻んでいた。

 この機械が意味することは──


「………ぬわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」


 登校時間は朝練をしていない生徒は7:50~8:20で、ホームルーム開始時間は8:25分からである。亜弥の家から学校までの距離は遠くも短くもない。時間にして徒歩20分。普段は7:50に家を出ている。

 全力疾走すれば間に合うか?

 否、それはない。

 着いても亜弥に先生の”10まんボルト“が炸裂(さくれつ)する。


 つまり、遅刻である。


 少女は走った。


 その先に光はないことを知っていたが、わかっていて走った。


 真っ黒な霧の中、その先が地獄であっても、自分にまとわりつく蕀を引きちぎり────走った。


 勢いよく玄関を開け……


 真っ黒な太陽とか赤い雲とかが広がった悪夢のような世界を見て。


「……………いいいいぃぃぃぃやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」


 本日三回目の悲鳴を上げた。



超お久しぶりです。雨宮董香です。

自分も受験終わったら執筆作業すんべ!って思ってたら、なかなか学校に馴染めず、瀬良先生ともコンタクトがとりにくく、執筆が遅くなったのは本当に申し訳ないと思います。m(_ _)m


今後とも瀬良と雨宮をよろしくお願いします。

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