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僕とファントムの放課後カルテ  作者: 瀬良真澄/雨宮董香
1/5

プロローグ

 はじめまして。瀬良真澄と言います。

 今回はこのような駄作を閲覧していただきありがとうございます。

 この作品はごく普通のJCが妖物と呼ばれる妖怪と戦う物語です。

 あくまでプロローグですので激しい戦闘シーンはありません。ご了承ください。では雨宮に変わります──

──はじめまして。雨宮董香です。まだプロローグまでですが、読んでいただければと思います。今作、私は編集係として参加させてもらいました。瀬良先生は駄作と言っていますが、個人的にはよくできていると思っています。是非読んで見て下さい。


──ここは、何処だ……


 辺りは瓦礫や燃え盛る炎に包まれている。

「つい昨日までは人がたくさん住んでいた活気溢れる町だったんだよ」と言って誰が信じるだろう。

 食料は底をつき、水もほとんどない。

 武器は銃が2丁あるが弾薬がない。それに銃といってもグロックやミリタリーなどの今時の銃ではない。火縄銃と短包が一つづつあるだけ。


 ──帰らなきゃ


 そう思い一歩、また一歩と歩く。

 だが、気力だけで無理矢理半日も歩かせた私の足は、自然と糸の切れた人形のように崩れた。

 口に土が入り咳き込んで土塊を吐き出そうとするが、咳も出来ないほどに私の体は限界を迎え、そしてそれを越えていたらしい。

 呼吸を楽にするために仰向けになろうとするが、そもそも指先もぴくりとも動かない状態だった。


 ──帰らな……きゃ──


 人生の最後くらい楽しい思い出に浸りたかったが、私が考えていたのは、悲しいかな、残念なことに憎しみとドロドロとした復讐心だった。


 ──必ず……殺して、やる…『アダム』──


 どんなに願っても、どんなに夢をみても、それが現実となるのは限り無くゼロに近い。

 私は最後まで見れなかったけど、悔いはない。

 それでも、それでもやっぱり


 ──……い……やだ……死にたく……ない……──


 私はここで死に、そして託す。

 私の意思を、願いを、痛みを、そしてこの権能ギフトを、私の全てを『謙譲』し、そして『継承』させる。次の世代へ。


 力とは自身の目的に合ったものでなければそれは力ではない。ただの無力だ。

 私の目的に、この力は合わなかったらしい。

 次にこの力を受けとる人は、もっと優しい人に受け取ってほしいな。

 授けましょう。

 この忌まわしく、そして愛しい──


 ──『医術』の力を。




  ╬




「……はいっ、カット。いいね、やっぱり亜弥(アヤ)がいると劇が華やかになるよ」


 茶色く染めたパーマのかかった長い髪を揺らしながら、演劇部の部長の斎藤梨理は微笑んだ。

 

「ありがとう梨理(エリ)


 亜弥は梨理に微笑みかけた。

 緋塚(アカツカ)亜弥は演劇部の部員で、普段はツインテールでまとめているが、今は劇のキャラ作りで自然に髪をながしている。


 今彼女たちは星河学園中等部、演劇部の次のフィクション劇の練習中だ。

 この作品は3年生が最後の劇として行うものだ。といってもノンフィクション作品も上映するが、それでも皆活気があり、やる気が感じられる。この調子ならとてもよい作品ができそうだ。


「そういえば梨理はどこでこんな作品を見つけたの?」


 練習用の段ボールで作った銃を置きながら聞いた。


「ああ、この作品は先輩から聞いたんだよ」

「へぇ、誰から聞いたの?」

「えーと、たしか去年の演劇部の先輩だったっけ?」


 顎に指を当てて答えた。


「去年の?へぇ」

「うん、でもなんで?」

「いや、別に深い意味はないんだけど、凄く面白い作品だったからさ」


 亜弥がそう言うと梨理は嬉しそうにはにかんだ。


「ありがとう!絶対いい劇にしようね!」

「うん、一緒に頑張ろ!」


 そう言うと彼女のそばにいた部員も笑顔で「頑張ろう」とか「最高の思い出にしましょう!」と彼女達に向かって言った。

 その光景を見て少し涙ぐんでしまった。


「うん!皆、頑張って最高の作品にしよー!!」


『おおおおおぉぉぉぉぉぉぉー!!』 




   ╬




 帰り道、梨理は塾があるので先に帰った。亜弥は一人で帰ることにした。

 住宅地だが、夜になると街灯が少ない。少し物騒な感じだが、犯罪はほとんどないので少し油断をしていた。路地の所から小さな呻き声が聞こえた…

 気になって少し路地を覗いた。


「ははっ、なんだ案外簡単なものなんだなぁ」


 そこにはグレーのカーディガンを着た茶髪の若い男性がいた。手には小さな玉のようなものを持っている。


(ん?一体何をしているの?)

「あぁん?もうこんな時間かよ。ッチ、クソッ、さっさと本部に戻らないとかよぉ」


 そう言うと、男は玉のようなものを投げ捨てた。

 亜弥は男のいた場所に行って木箱の上のものを手に取った。

 よく見ると裏に木によって塞がれた穴があった。どうやら壺のようだ。


「捨てちゃうのかな?」


 その壺は美しい空色で、見るものをなんだか強く引き寄せているように感じた。つい私は鞄に入れてしまった。

 ほんのちょっぴり特をした気分で私の帰りの足取りは軽かった。

 そして、今思えばこの壺が私の人生を大きく変える物事の始まりだったのかもしれない。



 瀬良です。いかがでしたでしょうか?

 ちなみにこのプロローグではまだもう一人のメインキャラが出ていません。

 これからも投稿を進めていきますがもしお暇があるようでしたら是非暇潰し程度に読んで見て下さい。では雨宮に変わります──

──雨宮です。この作品はいかがでしたか?楽しく読んでいただければ幸いです。

今年の間は投稿スピードが遅いかもしれません。ですが、気長に長々と待っていただければ幸いです。次回での投稿も是非楽しみに待っていて下さい。

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