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レコード・アクセス  作者: 藤崎彰
優しい火種
17/29

日常編2

「と、ここは……」


 そんな要海とのやり取りを続けるうちに、また気になる店舗の前で二人は足を止める。


「お、ヘアアクセのお店だね! ねね、入ってみよ?」


 目を輝かせた要海は静波の返答を待つ事なく、彼女の手を引いて店舗の敷居を跨ぐ。


「要海さん、ちゃんと付いて行きますから、引っ張らないで下さいよ」


 静波の言葉を受けて足を止めた要海は、静波に引っ張ったことを詫びた後に店舗の中を見回す。静波も彼女の行動をなぞって並ぶ商品を一望する。


「いいねいいね。お手頃なものからちょっとお高いものまで。様々なニーズに対応可能って事だね」


 ショーケースに並ぶティアラを見ながら要海は嬉しそうに語り始める。


「ひとくちにヘアアクセサリーっていっても、色んな種類があるんですね」


 アクセサリーショップに入る事自体初めてだった静波は、店の中のすべてが新鮮に映り、それだけで圧倒される気分だった。


「わたしの付けてるヘアピンもだけど、リボンやシニョン、カチューシャもひっくるめてヘアアクセだからね」


 要海の言葉通り、ショーケースの中のティアラだけではなく、帽子の様に壁に掛けられてるシニョンやカチューシャなど、実にバリエーションに富んだ商品が陳列されていた。


「お、これなんかしーちゃんにピッタリじゃないかな?」


 そう言って要海は、三段になっている陳列棚に並べられた、シルバーの髪留めに手を伸ばす。


「あ」


 しかし、要海の目当ての髪留めに同じく手を伸ばした少女と手がぶつかり、二人はこれまた同時に手を引っ込める。


「すみません」


 先に口を開いたのは要海だった。当然の様に、そこから出てきたのは謝罪の言葉だった。


「いえいえ、自分こそ失礼しました」


 相手の少女もまた要海に詫びの言葉を発する。

 見た目は静波と同年代か、もしくはほんの少し上くらいの印象を受ける。身長は要海の目線ほどで、決して高いとは言えなかった。髪型はツインテールにまとめており、顔つきもそれによく似合う可愛らしい印象を受ける。対して出で立ちはTシャツにホットパンツとなっており、実に活動的なものだった。


「あなたもこれをお気に召したんですか?」


 少女は同時に手を伸ばしたアクセサリーを切っ掛けとし、要海に話を振り始めた。


「いいえ、自分用じゃなくて、あの子に似合うんじゃないかなって思って」


 そう言って要海は静波を指さし、少女もそれに導かれる形で静波を見る。初対面の人間に見つめられるのは居心地が微妙だったが、そこで目線を外してしまっては失礼極まるので、努めて何でもない様に振る舞う。


「おお、なるほど。やっぱシルバーはきれいな黒髪の女性にこそ合いますからね」


「わかります! それでいてクールなイメージなんかがあるとサイコーです!」


「これは思わぬ所で気の合いそうな人に巡り合えましたね。自分も嬉しいっすよ」


 そしてそこからさらに話が広がり、二人の会話は徐々に盛り上がりの様相を呈していく。


(なんだか盛り上がってますね……)


 ますます盛り上がっていく二人に対し、静波は言い知れぬ寂寥感を覚え始めた。


「かなみさ……」


 それが理由というわけではないが、長引く一方に思えた会話をせめて一区切りさせるべく、静波が二人に声を掛けようとしたその時である。


「おー貴音、そこにいたんかいな。探したで」


 聞き覚えのある声色と、聞き覚えのあるイントネーションを所持した声が後方より聞こえて来た。


「あー、すいません先輩。つい深入りしちゃいました」


 少女が静波の方を向き、誰かに向かってそう言葉を投げかける。


「まあお前が楽しいんならウチも構わんけど……おろ?」


 声の主がすぐ後ろまで来たのを感じた静波は、同時にその人物の正体にも思い至った。


「まこちゃん!」


 要海がそう声を上げたのと、静波が振り返って真琴の姿をみとめたのは、ほぼ同じタイミングだった。


「要海ちゃんやないか。おろ? お嬢さんまで」


「こんにちわ、真琴さん」


 真琴の方も要海と静波の存在を認識した所で、静波は真琴に挨拶をする。思わぬ所で見知った顔に出会った事に少々の驚きがあったが、そういう事もあるだろうと、静波はそこまで気には留めなかった。


「先輩、お嬢さんって事は……?」


 どうやら少女は真琴の知り合いらしく、静波の事も知っている口ぶりだ。


「ああ、この人が先生の娘さんの、樹静波ちゃん。で、その子が」


「例の名探偵、稀堂要海ちゃんっすね」


「あ、わたしのこと知ってるんですか?」


 少し驚いた様子の要海。それは静波も同じだった。警察関係者以外で要海の事を知っている真琴の知り合いとは何者だろうと疑問に思う静波だったが、すぐにその問題への回答は示される事となる。


「そりゃあそうっすよ。先輩から活躍のほどは聞いてます。『ケーキ屋さんの殺人事件』と『高速道路の幽霊騒ぎ』の手腕は署内でも知る人ぞ知る、って感じっすよ」


 署内という言葉に引っ掛かりを覚える静波。


「わたし、けっこう有名になってるんですね」


「申し遅れました。自分、先輩の部下で、よくパシリとかさせてもらってます、奥羽貴音って言います」


 静波は少女、ではなく貴音の答えに衝撃を禁じ得なかった。

 先述の通り、静波の見立てでは貴音は静波と同年代と言っても通じるのではないかという容姿をしていたのだ。そんな彼女は警察官で、となると立派な成人女性という事になる。


「その言いぐさはないやろ。パシリなんて人聞きの悪い」


「百二十パーセント事実だと思いますよ」


「ちっ、まったく反論できんわ」


 このやり取りを見ただけで、二人が気の置けない関係にあるのは容易に想像できた。


「という事は、いつもまこちゃんが電話してたのって……」


 要海が貴音に向かって質問をする。しかしながら、要海の様子を見るに、貴音の正体を知っても特に動揺している感じが見られなかった。もっとも、露骨にそんな反応をしてしまうのは失礼である事に違いはないので、それはそれでいい事なのかもしれないが。


「はい、自分っす。追加の調査ではお馴染みですよ」


 確かに真琴が電話口で『たかね』という言葉を口にしていた事が何度かあったのを静波は今更ながらに思い出した。


「でもこれってすごい偶然ですね」


 要海が傍目に解るくらいのハイテンションで盛り上がっている。


「ほんとっすよ。お互いがそれと知らずに出会っちゃいましたから」


 対して貴音も要海に引けを取らないノリの良さで要海に同調する。


「よし、なら偶然ついでです! 貴音さんの事、『たねちゃん』って呼んでいいですか?」


 もはや伝統芸の様相を呈している要海によるあだ名付けが早速行われようとしていた。


「おお、本当に独特のあだ名センスっすね!」


「一周りも年齢違うのに、結構遠慮ないやろ?」


 要海の言動に至極全うな感想を漏らす二人。


「本当に親しくしたい人とはあんまり壁作りたくないの! わたし!」


 要海のその言葉は、本心から来るまっすぐな言葉である事は、静波はもはや疑いを持っていない。だが、おいそれと誰にでもぶつけてしまうのはどうかと思うが。


「もちろんいいっすよ。なんなら、自分にも特に敬語はいらないっす」


 要海の付けたあだ名を受け入れる貴音。


「ありがとう! じゃあよろしく! たねちゃん」


「こちらこそ。ひょっとしたらこれからもお世話になるかもしれないんで、先輩の事もよろしくお願いするっす」


「おい、ウチが迷惑かける前提かいな」


 改めて二人が握手をする傍ら、ついでにいじられる真琴。


「じゃあ自分は……、『かなみん』とかどうっすか?」


「うん、いいねいいね! それで呼んで!」


 そして今度は貴音からのあだ名を提唱される要海。そこまで名前からかけ離れていない無難なあだ名といった印象だった。


「じゃあ練習しましょう」


「たねちゃん!」


「かなみん!」


 お互いが呼び合った所で二人は手を組み、笑顔を向けあっていた。


「盛り上がってますね」


「貴音とここまで波長が合う人は初めてかもしれないですよ」


 何となく置いてけぼりにされてる感が漂う静波と真琴は、若干間を持て余し気味に手を取り合う暑苦しい二人をどこか冷めた目で観察する。


「ところで、今日はお二人でデートですか?」


 真琴が不意に悪戯っぽい笑みを浮かべながら静波に話しかける。


「えへへ、まあそんなところです」


 しかし、その質問に答えたのは要海だった。


「街を歩きたいと言ってた要海さんの付き添いです。デートじゃないです」


「ちょっとしーちゃん、ばっさりいきすぎぃ!」


 不服そうに頬を膨らませる要海だったが、静波の事実であるという反論に為す術もなく二の句をつ潰されてしまう。


「なるほど、お二人の関係は掴めました」


 要海ともども静波の近くに来ていた貴音は、二人のやり取りに対してそんな感想を投げかけた後に、静波に向けて自身の右手を差し出した。


「直接は始めましてっすね。静波お嬢さん……ってのも堅苦しいっすね。『しずなっち』ってよんでいいっすか?」


 自分に対してもあだ名を持ちかけられる静波。もしこれが要海と出会う前であれば当惑したかもしれないが、今では特に拒否する気分にはならなかった。ある意味、要海という暴風雨に慣らされてしまったのかもしれないなどと、静波は胸のうちでおかしさを感じるのだった。


「いいですよ。好きに呼んでください、貴音さん」


 貴音の手を握り返し、あだ名を了承する静波。


「しずなっちも、たねちゃん呼びで構わないっすよ?」


「それはいいです」


 流石に要海の様に、年齢の離れた大人相手に友達のように振る舞う強い心は持ち合わせていないので、そこは拒否する。


「牙城は固いなあ」


 少し残念そうな笑みを浮かべる貴音だったが、それ以上の追及はして来なかった。要海に似て、ぐいぐい来るタイプかとも思ったが、どうやら思慮深い面もあるらしかった。


「それはそうと、お二人は今日お休みなんですか?」


 話題を切り替えるというつもりではないが、学校が春休みの自分たちと違い、社会人の二人が揃って平日にショッピングモールにいる理由が気になった静波は、そんな質問を投げかける。


「ええお休みっすよ。でもこれは代休ってやつでね。そのかわり、今週の日曜日がお仕事なんっすよ」


「社会人って大変そう……」


 貴音の話を聞いた要海は、眉尻を下げて複雑な表情を浮かべる。


「せやで。今のうちに後悔のないうちに遊んでおいた方がいいで? 要海ちゃん」


 要海に顔を寄せ、からかう様な口調で脅迫めいた大人の助言をする真琴。


「わたしは毎日全力だから大丈夫!」


「もう少し力を抜いてもらいたいくらいです」


 自信満々に答える要海をまたもや静波は一刀両断する。四六時中一緒にいると、要海の賑やかさに対してそう思ってしまうタイミングも出てくる。故に、これは彼女なりのガス抜きとも言えた。


「二人とも、お昼はどうする? 何ならウチらと一緒せん? もちろんご馳走するで」


 そして話は昼食に移行する。それを受けて静波は腕時計を確認する。どうやら、もはやお昼時といって差し支えない時間になっていた。


「いいんですか?」


 だが、ご馳走という言葉に若干の引っ掛かりを感じ、改めて静波は聞き返す。


「お二人にはお世話になりっぱなしですからね。このくらいはさせてくださいよ」


 真琴のこの行動が、事件を解決した要海に対しての見返りである事を察し、それならと静波は話を受ける事にした。


「じゃあ遠慮なく、ゴチになりまーす」


 要海は至って能天気に、二つ返事で真琴に礼を述べる。こういう時に静波は、要海のこういう一面を羨ましく感じる。


「何かリクエストは……、おそうや。貴音、例の店に行ってみよか?」


「牛タン屋さんっすね。二人とも、そこでいいっすか?」


 恐らくは二人の間で事前に目星を付けていたのであろう。


「お店の牛タンって、あの分厚いやつ?」


「専門店っすからね。焼肉屋さんで出てくるようなぺらぺらのとはわけが違うっすよ」


 全ての焼肉屋がそうではないのではないかと思う静波だったが、そこまで意味を込めていたわけでは無いだろう事十分察せられたので、静波は言葉を飲み込んだ。


「わたし、まさにその焼肉屋さんでしか食べた事ないよ。うん、そこがいい!」


「静波もそこでかまいません」


 一番施しを受けるべき人間である要海に異論がないならば、静波には何も言うべき事はなかった。


「ほな、決まりやな」


 手をぽんと叩き、全員の意見が一致した事の合図とする真琴。


「じゃあ皆さん、自分が案内するんで、付いて来て下さい」

 貴音が右手を掲げて宣言し、彼女に追随する形で一行は目的地へと歩を進める。






「ごちそうさまでした」


 要海の元気のよい食後のあいさつが、彼女らの座る席に行き渡る。


「ふー、おいしかったー」


 器が空になった牛タン定食を前に、要海が満足げに言葉を紡ぐ。

 平日という事もあり、一行は特に待たされる事なく店内に入る事が出来た。貴音曰く、休日では考えられない事態らしかったが、生憎休日の盛況ぶりを知らない静波には、現状の有難みを噛み締める事は難しかった。


「とてもおいしかったです。ありがとうございました」


 食事を終え、静波は開口一番に礼を述べる。


「喜んでもらえたなら何よりです」


 食後のお茶を飲みながら、真琴は手を振りつつ静波に返答する。


「ふわあ、腹が膨れて眠いわ」


「今日は平日で空いてますから、一休みしてから出ましょうよ」


 欠伸をした真琴を見た貴音の提案に一同は頷き、しばしの食休みを過ごす事に相成った。


「失礼しまーす」


 その時、年若い女性店員が一同の座席に現れた。


「わー、かわいい!」


 要海の視線は、店員の持ってきた小箱に注がれていた。

 それは、この店のマスコットである牛のキャラクターの形をした棒付きの飴だった。


「当店で一つ一つ手作りしているキャンディーになります。小学生以下のお子様にプレゼントしているので、お好きなのをどうぞ」


 その言葉に、静波はきょとんとする。ここにいるメンバーの年齢層的に、この飴を勧められるべき小学生は一人もいない。


「小学生?」


 貴音が店員に尋ねる。


「はい。どうぞ」


 店員は邪気のない笑顔で、明らかに静波と貴音を交互に見ながら箱を差し出してきた。ここまで来ればいくら静波でも、この店員が何をどうしてこんな行動をとっているのか推理が出来た。


「静波は……中学生です」


 複雑な感情が湧き上がる胸の内を無視し、店員に勤めて冷静に言葉を返す静波。


「自分はとっくに成人っす」


 それに倣う様に、貴音も宣言をする。丁寧な事に、いつの間にか取り出していた免許証を掲げながら。


「あっ……、し、失礼しました!」


 勘違いを自覚した店員は、慌てて二人に向かって頭を下げる。


「いいえ……」


「よく間違えられますから……」


「そ、それではごゆっくりー」


 話は終わったとばかりに、店員は逃げるように席から去っていく。


「ねえしずなっち?」


「はい、貴音さん」


「お互い……辛いっすね」


「はい」


 残されたのは、深い深い虚しさだった。


「どないしたらええんやろ、この空気」


 困惑する真琴。


「ええと、ええと、ふ、二人とも! 元気出して!」


 そして要海は懸命に何かを言おうとする。


「確かに、二人とも背はちっちゃいかもだけど、おっぱいがおっきいから大丈夫だよ! 立派な大人の女性だよ!」


「そのフォローもどうやと思うで要海ちゃん!」


 結局は二人の心に届くような言葉が発せられる事はなかった。


「よし、追加で牛乳頼むっすよ!」


「はい。静波もお付き合いします!」


 膨れたお腹だったが、ここに牛乳を入れる決意を静波は固めた。全ては身長を伸ばす為にである。




「落ち着いたか?」


 静かに、そして優しく真琴は、静波と貴音に言葉をかける。


「はい、取り乱してしまってすみませんっす」


「静波も、なにかに飲まれてました」


 二人はともに牛乳を二杯飲み終わった所で、先程の沈んでいた気分が何とか回復させることに成功した。人間は精神的に追いつめられると信じられない事をしてしまうのだという事実を、静波は身をもって知ってしまった。


「大丈夫、わたしは今のしーちゃんが大好きだから、安心して」


 いつもであれば一蹴する所だが、そんな状態でかけられる要海の真っ直ぐな言葉は、思いの外心に沁みわたった。


「はい、ありがとうございます」


 だが、それを認めてしまうのはどこか悔しかったので、必要最低限の言葉で感謝の気持ちを伝える。何も返さないのも、それはそれで不誠実だという思い故だった。


「いい組み合わせっすね」


「ああ、傍から見てて安心するわ」


 しかし、向かいに座っている二人の大人には何故かそれを見透かされている気がして、静波はどこか不愉快な心持になる。


「そうだ、今唐突に思い出しったっすよ」


 唐突に、貴音が別の話題を口にする。


「先輩、西園高校のボヤ騒ぎ、覚えてます?」


「ああ、去年の秋口に起きたやつやな。ゆうてもウチは関与せんかったから詳細はわからんで?」


「実はあの事件の担当者とは同級生でしてね、資料とかも見せて貰って詳細を聞かされてたんっすけど、これがなかなか興味深い物でしてね」


「ほぅ、どんなやったん?」


「それをかなみんに聞いてもらおうって思いましてね」


 そこまで話した時に、貴音は視線を真琴から要海に向ける。


「わたしに?」


 要海も多少面食らったのか、自分自身を指さしながら貴音に聞き返す。


「はい。ちなみにこの事件は疑われていた容疑者がいたんすけど、真犯人が自首したことで、あっさり解決したんすよ」


「自首? 疑われてなかったのにですか?」


「その理由は今は伏せておきましょう。で、かなみんには今から事件のあらましと、いくつかの資料を見せるんで、この事件の謎を解いてみて欲しいっす」


 詰まる所、普段であれば真琴がやってきた事と同じ様なやり取りを、今ここでやろうという事らしかった。


「なにせ自分、かなみんの手腕をこの目で見た事がないっすからね。お手並みを拝見してみたいなあって」


 もっとも、今回の場合は解決を依頼するわけではなく、答えの解っているクイズをする様なものらしかったが。


「そういう事なら、どんと来い! だよ」


 だが要海は、普段と変わらぬテンションで貴音の申し出を受け入れる。


「ありがとうっす。さっきも言ったように、これは解決済みなんで、すぐに答え合わせが可能ってわけっすね」


 そう言って貴音は、自分の鞄からタブレットを取り出し、テーブルの上に載せる。


「じゃあ始めさせてもらいますね」

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