プロローグ・一
ありきたりでありがちな小説の執筆が始まってしまいました!
右も左も上も下も斜めもわからないですが、完走出来るよう自身のペースで執筆していこうかと思います。
筆者の執筆レベルは1。
つまり、駄文だと言うことです!!です……です……です……(山彦風に)
戦争行動を執る国もあれば商業で賑わいをみせる国、他種族が寄り添い暮らす国と比較的に世界は平和……とは断言出来ないものの、均衡は保たれていた。
しかし、突如として魔王という絶大な存在の軍勢により蹂躙され、均衡も崩れさりし世界と相成ってしまう。
その世界の名は〔惑星エドル〕。
魔王という存在は知られてはいた。その本人も国のトップに立つ者たちも顔合わせをしたこともある。
印象はおっとりとしたもので、戦争を……突如として戦いを知らぬ農夫の暮らす村を一方的に殺戮し大地を血で染めていくなど到底信じられない話し。
だがどうだろう。今、現実では数多の村落が、国が滅ぼされているではないか。
何故、どうして、このような事態が?
その理由は分からない。幾つもの憶測が飛び交うも、どれもが正しいようで、またどれもが違っているようにさえいるように思えてしまう。
だがそれは魔王を識る国のお偉い方々に限られる。
様子見ばかりで国が動く気配がない。ならば自分たちの身は自分たちで護ろうと立ち上がった勇敢な数多の英傑達が魔王軍と果敢に戦うもその圧倒的な数に推され、一人、また一人と戦場に倒れ散って逝った。
そんな日が一年と少し続き、甚大な被害がこのまま続いてしまうのは芳しくないと、各国の王達はおよそ十年ぶりの各国首脳会議を開くことを決定した。
いざ始まったかと思えば会議はありがちな自国の兵の出し惜しみ、他国の方が魔王が統べる国に近いので貴方の国が兵を多く出すべきだと、それどころではない状況だというのに醜い言い争いばかり。
そんな会議という会議にもなっていない話し合いは三日間と続き、時間は無為に過ぎていった。 四日目、王達の苛立ちもピークを迎えだした首脳会議最終日。
各国の王達を召集し会議を開いた国――アルファード王国の女王であるラツィオ=ド=スイクゥ=サマンサ=アルファード七世が一つの言葉を告げた。
「……勇者召喚を実行しようではありませんか」
王達は瞠目した。[勇者召喚]それは禁忌とされた禁呪法であるからだ。
各国の王は否定の言葉を発する者は誰一人としていなかった。
何故ならそれは、この首脳会議で一番聞きたかった単語だからだ。
禁忌を犯そうなど全責任を取る心構えでなければ口にすることさえ罪と言える。
国を治める者として当然そのような責任を取りたくないと考えるのは王として間違いではけっしてない。
だが事態はいつ魔王の軍勢が自国に牙を剥くかは分からない。
数多の王は苛立っていた、'誰か早くかの言葉を告げよ'と……。
ラツィオ女王の発言に瞠目するも、皆の口元は弛んでいた。これで自国が責任を負うことはなくなった……と。
そこからは会議もトントン拍子に進み、その日の内に兵の人数から兵糧などの取り決めも決まり、この三日間は何だったのかと問いたいほどあっさりと可決していく。
女王ラツィオは内心で深くため息を付くと、
「では勇者召喚の儀は儀式の準備などを考慮し、十日後に決行しようかと思いますが……皆様、どうでしょうか?」
円卓を囲むように座る王達は「意義なし」と全員異口同音に一致した。
▽▼▽▼▽
「…………はぁ〜…」
王達を見送るとラツィオは深いため息を心ではなく実際に漏らした。
準備に取り掛かろうかと重くなった腰を上げようとしたところで、まだ年若い女の声が自分の名を呼ぶ。
ラツィオは疲れた表情を隠さずに声のした方へと顔を向けた。
「ラツィオ様……お疲れ様でした」
「イレーナ……ありがとう……。貴方には迷惑を掛けるわね……」
「いいえ、それがシャーマンである私の役目ですから、お気になさらずに……」
そこに居た者はまだ少女から抜け出せないような年齢の女の子だった。
目鼻立ちは整い、どこか仔犬を彷彿させるあどけなさ。瞳の色はアクアマリンのように碧色で肩辺りまで伸びたワインレッドの髪を後ろに白いリボンで纏め、その小さな体躯には黒長の式服―キャソックに白いストールを羽織っている。
少女の名はイレーナ=ラン=アトリ、自身が口にしたようにアルファード王国のシャーマンであった。
アルファード王国のあらゆる祭事を行うことを赦されたただ一人のシャーマン。つまり、勇者召喚を実行する本人ということである。
「ラツィオ様、少しお休みになられてはいかがですか?お顔の色があまり優れておりません……。準備の方は私が出来うる限りしておりますので、どうかご自愛を……」
「気遣ってくれてありがとう、イレーナ。でも身体を大切にというのなら、勇者召喚という極めて難度の高い術式を構築する貴女こそが休んでおくべきよ」
自分のことばかり心配してくれるイレーナを、ラツィオは立ち上がりそっとその胸に抱き寄せる。
「……ぁ…………お母様……」
「イレーナ……私の可愛い娘……。寂しい想いだけでなく、重大な責務を抱えさせる愚かな母でごめんなさい……」
「ぃえ……いえ……お母様の傍にいられるだけで、私は十分幸せです……」
イレーナがラツィオを母と呼んだように、ラツィオもイレーナを娘と口にした。
そう、ラツィオとイレーナは血の繋がりがある真に母娘だ。
なら何故イレーナは'アルファード'の姓を受け継いでいないのか?
それはラツィオの出生に関わる。その件が二人が親子だということを世間に隠さねばならなかった。
このことはアルファード王国の中でも一握りしか知る者がいない、国のトップシークレット。
その秘匿を知る数少ない中の一人がここ、会議室の扉をノックした。
「……入ってきても、構いませんよ」
「失礼致します。あ……申し訳ありません、お邪魔してしまったようです……」
「リーズ、いいえ、気にしないでいいのです。それでどうかしましたか?」
リーズと呼ばれた女性はラツィオとイレーナの雰囲気を読んで直ぐに頭を深々と下げ謝罪するも、ラツィオは直ぐに許し、用件が何かを促す。
その声音には先ほどより少しは元気が出ているようで、イレーナは愛する母に柔らかな微笑みを向けた。
「はっ、晩餐を開けと……その……ハザン独立国のヤザン=ハザン様が仰有っておりまして……」
名を聞いただけで野蛮な振舞いで喚いている様子が実際に見てきたかのように思い浮かび、ラツィオは深~~いため息を洩らし、リーズに急いで晩餐会を開くように命じた。
今はそれどころではないのだが、一応賓客なわけなので無下に扱うなど失礼極まる。
それに自身が招集をかけたのだから、ある程度の振舞いに寛容でなければならない。
今日から十日もこのようなことが続くのかと、ラツィオの頭を鈍い痛みが襲う。
「準備……出来る限り早く整えますね」
「イレーナ、ごめんなさいね。お願いしていいかしら……」
それを告げて、ラツィオだけでなくイレーナ、リーズともども深々と息を吐く
頭痛が治まったのはそれから八日ほどの日数が経ってからであった。
はい、主人公出てませんです。すみません!!
次回も主人公は出ないかと思われます。
き、きっとヒーローは遅れて登場するアレなんですよ!?…………多分。