下
サチは、チカと、別れ、家に向かった。
そして、自室に、こもった。
このチョコ、どうしようかな。
せっかくだし…。
“パク”
そのチョコは、サチが、夢で見た、食べたチョコの味と似ていて、少し、甘く、全体的には、渋めの味で、サチの口に合った。
サチは、夜羅君のことが、気になり始めていて、口に運ぶ手は、止まらなかった。
チョコの味に関しては、サチの見た夢のままだった。
「今日、サチ、どうしちゃったんだろう?携帯にも、でないし。家にもいないみたいだし。サチのおばさん、心配してた。昨日、帰ってから、姿見てないって。」
「どうしたんだろうね。神隠しとか?」
「今の時代に、それは、ないよ。丈治君。でも、おばさん、捜索願、出そうかなっていってた。」
「心配だな…。」
丈治の机には、学校指定じゃない鞄が、あった。
その鞄の中に、オレンジや、ピンク色の袋で、包装された、箱みたいなものが、たくさんあった。
その中の一つに、赤茶色の袋で包装された、箱があった。
その箱の中には、チョコが、入っていた。
そのチョコのひとかけらに、サチが入っていた。
正確には、サチの魂だけ。
「ここ、どこ?これも、夢?」
完