引き籠る親友くん 後編
幸い、バイト代は安定してるし、大学も順調です。
親友君はギャンブルに手を出したりもしないので、そこは安心なのですが、それでも不安は尽きません。
TS娘ちゃんは週5でバイトを入れていますが、あまり稼ぎ過ぎると、親の扶養を外れてしまいます。
各種保険の負担は、大学生には大きな問題です。それに親友君が責任を感じてしまっては、元も子もありません。
「何とかしなければ」
TS娘ちゃんの心に、焦りの影が生まれます。
それに、TS娘ちゃん自身も疲弊していきます。
1限目から講義を受け、空きコマに課題をこなし、大学が終わればバイト。帰ったら家事。そんな生活が続けられるでしょうか。
やっと眠りについた親友君の寝顔を見ながら、TS娘ちゃんも眠りに落ちていきます。
朝は、朝食と親友君のお昼を作ります。
寝不足気味でも、親友君には心配を掛けられません。
元気な笑顔で、今日も一日を始めるのです。
でも、どうすれば親友君は元気になるのでしょうか。
TS娘ちゃんに出来る事は、ただ彼に寄り添う事だけなのでしょうか。
嘗て、親友君がしてくれたように。
でも、それだけでは・・・。
今の親友君には、心の健康の回復が必要だ。
それはTS娘ちゃんも、経験があるのでわかります。
次には、経済的な安定と自立。
人は誰しも、仕事を通じて「誰かの役に立つ」事を求めます。それで得た収入で自立することが、きっと親友君の回復には繋がるのです。
でも、無理はさせられません。
心が壊れたまま無理をさせれば、今度こそ取り返しがつかなくなるかもしれないのです。
今は一緒に暮らしながら、少しずつ親友君の回復を待ちましょう。
今はまだ、私も少しなら無理が出来るのだから。
TS娘ちゃんは、愛おしそうにお腹を撫でるのでした。




