sid 彼岸しの「メール」
「寂しい」
ある日を境に彼があまりここに来てくれないようになった。
たまに来てくれて、ぎゅうをしてくれる事があったが、ちゅうをねだっても断られてしまった。
もちろん、やったことを考えればこれは当然かもしれないけど、突然だったから狼狽えてしまった。
「うぇ……っぷ……おぇ……」
会えない日が何度も続いたある日、突然吐き気が私を襲ってきた。
その日辺から彼は今日に至るまで、私の所へ来てくれていない。
メールに「会いたい」と打っては消し、打っては消しを繰り返した。
浮かぶ涙の理由はもう分からなくなっていて、自分の感情すら制御できなくなってしまう。
私は持ってきた筆箱からハサミとコンパスを取り出す。
「うぅ……」
もう言葉にもならない不吉な感情を自分の体にあたり、解消する。
コンパスを腕にさす。
痛みと生が私の脳に伝わってくる。
「痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
自分で刺したのにも関わらず私は痛みに悲鳴をあげる。
自分の惨めさが顕になり、気分が落ち込む。
できた傷の手当すらせず。ハサミを取り出す。
「いらない……いらない。」
私はスカートの丈を乱暴に切っていく、ビリビリになったスカートでも満足せず、上着を腹の部分から乱雑に切っていく。
今まで外に向いていた加虐性が、自分に向いてくる。
傷つけたい、傷つけたい、痛みを、痛みを
白の制服はボロボロになり所々肌が露出している。下着も見えてしまっているが、そんなことを考える余裕はとうの昔に無くなっていた。
「いえ……帰れない……」
もう、家に帰るのも、この格好でどこかに行くのすら、躊躇うような格好になってしまったことを、感情的になった後から思い出す。
それなのに、私の加虐性は止まってくれない。
痛めつけろ、傷つけろとずっと囁いている。
「かみ……まだ残ってる。」
美容には気を使っており、髪はキューティクルを保ち、長く長く伸ばしていた。
ただ、あの、私が滑落した日から、髪を洗うことに精一杯になってしまい、キューティクルを保つだとか、美容を気にかけるだとか、そんなことを出来なくなっていた。
だが元が良かったからなのか、髪の実はあまり落ちておらず、私の中で、いちばん綺麗なところだった。
私の加虐性はそこを大事な髪を切れと言っている。
毎日手入れをして、毎日気を使っていた物を、壊せと叫んでいる。
バツン
ヒラヒラと髪が舞い落ちる
「……切っちゃった。フフ」
決して面白くないが、私は笑っていた。
壊れた玩具のように笑っていた。
布屑となった制服、血の着いたコンパス、匂いのきつい吐瀉物。
重たい空間に、似合わない、携帯の通知音がなる。
メッセージは、簗型つむぐ、彼からだった。
彼からの珍しいメッセージに私の心は浮き足立ち、スマートフォンを手に取る。
今、彼からのメッセージに喜んだことを私は後悔している。
だって、送られたメッセージは




