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『愛』なんて無いから  作者: ギプス


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sid 花束つぼみ 「潜伏ミッション」

坂野から教えてもらった住所の近くについた時。

花野小路花乃が、目当ての家から出てきたのが見えた。

私は急いで、隠れる。幸い花乃は急いでいたらしく私を見つけることなく走っていった。

表札には蜜蜂と書いてある。郵便受けはなくドアに直接刺いれている封筒や荷物を入れるタイプの家だった。

家主はずぼらなのか放置されている封筒や荷物がたまっている。荷物や封筒の中に苗字が見切れているものがしばしばあった。

私はドアに近づく、音を鳴らさないように姓を確認する。「呱々呂」それが名前なようだ。ネームプレートの蜜蜂と合わせると「蜜蜂呱々呂」私はドアに触れる前にスマホを開きメモをする。

名前を知ったところで本題に映る。深呼吸をして、心を落ち着ける。意を決してドアに少し触れる。幸い音はならなかったが少しの隙間しか開けれなかった。ただ、手が少し入るぐらいの隙間は空いていた。

「賭けに出るか、」

つむぐんが、そこにいるのだろうと思った。これは、想像と勘、だけど当たっているという確信がなぜがあった。

彼は、あんな滅茶苦茶にされたが一時は友達だった。

それにごしゅじんさまが彼を気にしている。だったら、無理をしても、多少傷ついいいとも思った。


一瞬覚悟を決め、息をのむ。

スマホを開きスマホの音を消す。万が一音が出てもいいように少し話した場所で録画を始める。

幸い周りに人はおらず、人の玄関を開ける行為を叱責する人はいなかった。

ピコン

くぐもったスマホの音が鳴るのに冷や汗が出るが身を傷つけてもいいと思いそのままスマホを隙間に入れる。

そうして、実際の時間にして数秒だが体感30分だ。その間も、スマホがぶれないようにするのと冷や汗と自分の息の管理に必死だった。そうして、震えそうになる手を必死に力をこめ手を引き抜く。

ピコン

動画を止める、そして、内容を確認する。

そこには、流暢に話す蜜蜂呱々呂であろう男性と、裸で注射を打たれている、つむぐんだった。

そうして私はメッセージアプリを開き動画を送ろうとしたとき。

「どうしたのかな、お嬢ちゃん。」

そこには、長髪の整った顔の男、蜜蜂呱々呂がいた。

「ウチに何か用かな?何か音が聞こえたような気がするんだけど。」

幸い、さっきの好意はばれていないようだった。

「……」

……まずい、まずいまずい。

声が出ない、言わないと、嘘でもなんでも。

「もしよかったら何か手伝おうか、迷ってたらお兄さんが案内してあげる。」

―ゾッと背筋が凍る。さっきまであんな行為をしておいて、とっさに言い人を演じ騙しに来る彼に身の毛がよだち恐怖が積もる。その恐怖は私の口をもっとこわばらせた。


「おーいつみれ!そこじゃねえよ。」

という声が聞こえる。そっちを見ると坂野と思われる男が服装と髪の印象を少し変え、マスクをつけて走ってきているのが見えた。

坂野が蜜蜂呱々呂のところまできて話を始める。

「すみません。彼女が間違っちゃったみたいで、俺ら遠距離で彼女久々コッチに来たんす。」

私は助け船が来た安心感から口のこわばりが収まる。

「そ……そうなんです。すみません。家を間違えちゃったのが怖くて、言い出せなくて。」

私は必死に言い訳をする。

「……そうだったんだ。それは少し怖い思いをさせてしまったね。まあ、何か困ったことがあったらウチ来てくれたら、何でも答えるよ。」

あくまで関係は絶たずにいい人を演じる彼に逆に称賛を送りたくなるほどだった。

「ありがとうございます!行くぞつみれ。」

坂野は私と彼を引きはがす。

「失礼しました。」

私は軽く会釈をして彼の視線から外れるところまで坂野と歩いた。


「どうしてピンチなのがわかったの?」

「そりゃあ見張ってたからな。あいつぁただもんじゃぁねえ。お前があいつんち行くって愛萌聞いた瞬間からずっと見張ってたんだ。」

ゴロツキ集団は、バカではあるが、頭の回転が速い。こう見えてもごしゅじんさまの右腕だ。

「さすがぁ、助かったよ。」

「礼はいい。それで、あのいけすかねえ、お気に入り君はどうなってたんだ?」

坂野は、彼がごしゅじんさまから気に入られているのが気にくわないらしく「お気に入り君」と揶揄し呼んでいた。

少し前に彼に手を出し、ご主人様にしごかれてからは影で呼ぶのにとどめているらしい。

「あぁ、そうだね、早く送らないと!」

私は、メッセージアプリを開きごしゅじんさまに連絡を入れる。


「つむぐんが薬漬けにされてる!」


それと同時に動画も送るが少し時間がかかるようだ。

「かえろぉかぁ。」

「おう。」

そういって私たちは動画が上がるのを待つのも面倒なので、ご主人様たちがいるカフェに二人で歩き帰っていった。


「そういえばぁ、何でつみれって呼んだの?」

「え、名前あいつに知られねえほうがいいだろ。」

「……賢いじゃん。じゃあ、何でつみれだったの。なまえ。」

「あぁ?花を摘むっていうだろ。つむ、つみってやってたら、つみれっていうのあったよなぁって。」

「……やっぱバカじゃん。」

「はぁぁああ?んだてめえぇ!」

閑散な街に私の笑い声と坂野の五月蠅い怒号が響いた。

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