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あのバスで僕は花束つぼみを待つ。
紫陽花あおが「もうちょっとはなそうよ。」って言って花束つぼみを引き留める。引き留められたうれしさで約束なんて些細な事なんて簡単に破る。そして、「またね」で会話が終わり、喜びをかみしめながら、歩き、悪びれもせず上っ面の謝罪をするまで
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「ごっめーん。ちょっと人ごみに当たっちゃってさぁ。」
「いやいやまってないよ。じゃあ作戦会議と行こうか。」
「んで、彼岸しのを引きずり下ろすってのはぁ、具体的にどぉするわけぇ?」
「簡単だよ。写真とともに、あることないこと流布するんだ。」
「それってぇ、あの写真?」
ビクっと運転手さんが動く
「いや、あれじゃないよ。あれは運転手さんとの約束でね花束さん以外には見せないことを約束してるんだ。僕は約束は破らない主義なんだ。」
ほっとしたような吐息。心外だなあ約束したじゃないか。
「彼岸しのが一人の金ずるで満足すると思うかい?」
またあの運転手さんがビクッとした。まったく騒がしいったりゃありゃしない
「確かにねぇ、でもどうやって入手したのさぁ。」
「聞きたいかい?ラブホテルのアルバイトか高級レストランのシェフの弱みを握ったこと、あるいは……」
「あーいい、いぃ、題名だけで気色悪い。でそれで証拠の数はいくつあってどれを選ぶのかなぁ」
「ざっと百個かなぁ」
「百個かぁ……百個!?うぇ、それはぁないわぁ、引くわぁ、つむぐんも彼岸しのも、引くわぁ。」
「意外だなあ、君は紫陽花あお以外のことでは感情が動かないと思ってた。」
「しんがぁい、百回も男とあってて、それをストーカーする男がいたらいくら私でも心が動くよぉ。」
「なんだか達成感がある。彼女の事後をかたずけた甲斐があった。」
「うげぇー聞きたくない聞きたくなぁい!うわぁ鳥肌立ってきた。
でぇ!どうやってどの噂を広げればいいわけぇ。」
「七夕嗣21歳の俳優、人気ってほどじゃないけどまあまあな人気はある。女子高生には結構人気なんじゃないかな?」
「あおちゃまの話題にも出てきたなぁ、そいつならいいんじゃない?」
「私怨が入ってる気がするけど協力してくれるんならいいや、多分この七夕嗣が本命だ。だから彼女に幸せをもたらそう。」
「まぁた変なこと考えてる。まぁ理解はしてあげるけど。」
「そういうこと、七夕嗣とのうわさを流す。そして取り巻きの中でもプライドが高い畑中さん辺りが持ち上げて調子に乗る。調子に乗ってヘイトと尊敬が集まったあたりで、これをばらまく。」
そう言って僕はとっておきを渡した。
「これってぇ……一昨日肇……!あいつぅ!」
「まったまったあ、紫陽花あおのカレシさんが彼岸しのに貢いでたからって早まっちゃだめだよ。」
「煽ってんのぉあんたぁ!」
「いやいや、そんなことはみじんも考えてないさ、ただ、モチベーションを上げたかっただけさ。許せないだろ。君の神様は、あの蛇にけがされた。それに」
ジーッと音が鳴って音声が流れる。
「紫陽花あおなんて忘れてしまえばいいわ、あんな女私の足元にも及ばないんだから、アッハハ!」
「こんな音声まで残ってるんだ。完璧にこなしてよ。花束さん。」
「まじで、きもいわぁ」
「光栄だよ。」
「わかった。怒る気すら起きない。明日七夕のうわさを流せばいい?」
「そうだね、畑中さんのグループに彼岸しのがいないときに、話そうか。
それでここであったことは他言無用で頼むね。」
「わかってるわかってるいいよやってあげる。徹底的に完膚なきまでに心底、徹頭徹尾、骨の髄まで叩きつけてあげる。」
「それはそれは」
「じゃあまた明日。」
興奮ものだ。




