コイバナ
はな君との屋上での会話の後。
僕は初めて友情というものを知った。知れた。知識だけではなく体験として。人間として。
「事実や、感情を書き起こすことすら、無粋だ。」
だから、
僕は書きかけた文字を消しペンを滑らせた。
「親友ができた。」
そう書いて日記を閉じめをつむった。
翌日昼休み
「好きな人ができたらどうしたらいいと思う?」
はな君はそう問いかけてくる。
「最近恋でもしてるのかい?質問からして少し進展したのかな?」
「え!いや!そんなことないよ!」
彼は珍しく大きい声を出す。
「ただ!ちょっと気になってただけで!……もー、簗型君……」
ジトッとした顔でにらまれる。
「ふふっ、でも恋に悩んでいるのは事実なんだろう。」
「……うん。」
「好きな人ができたらか、僕は、その人を徹底的に堕とそうとするかな。アタックと外堀を埋めるのが大事だよ。君の場合は、好きな人の周りと仲良くなって相談するのが一番いいと思う。」
「そとぼり……あたっく……うぅ、むずかしい、けど。頑張ってみようかな。」
「その好きな人はどんな人なんだい?」
「……優しくて、でも優しいだけじゃない人だよ。」
はな君は、好きな人とみとめるのが恥ずかしいのだろう。
「結構抽象的なんだね。まあ、そのタイプの人は、僕も好きだね。」
「へぇ、簗型君ってそういう人がタイプなんだ。」
「まあ『優しくて優しいだけじゃない』っていうのは、タイプっていうには広いと思うけどね。」
「たしかに……もーいいや!」
吹っ切れたようにはな君は言う。
「優しいけど、強引な時がある人がいてね。この前、強引に腕を引かれれて『どこむいてんの、こっちみて』って言われて、その時からその人のことが忘れられなくって、好きになっちゃって、どうしたらいいかなぁ///」
恥じらいはあるものの、もうすべてをさらけ出すといったように話す。
「その人は、人気な、高嶺の花タイプの人かい?」
「うん……そうなんだ、人気な人だから、どうやってコッチを見てくれるかなって……」
「そうだね……もういっそのこと、本人に正直に言ってみるのはどうかな。君の強みは、好きだと伝えた後からだと思うからね。それに、そんなセリフを吐くなんて好きでもないとしないだろう。」
「そうなのかなぁ……告白するってことだよねぇ、それは……でも、もし、振られちゃったら……」
「もし降られたとしても、お友達から、って言って関係を切らなかったらいいよ。そのあと多分君は意識的な部分と無意識的な部分で相手に尽くすんじゃないかな。もしそうなら、君は、あとは待っているだけで、相手から告白でもなんでもされるだろう。」
「えー!確かに、尽くすタイプではあるけど……待ってるだけで告白はさすがに……」
「いや、事、君に関しては、告白をした時点で勝ちみたいなものだ。君は、ある意味魔性だからね。」
「えー…… まじめにかんがえてる?」
ジト目でにらんでくるはな君に僕は答える。
「考えているとも、僕は君に堕とされたも同然なんだ、もし恋人になれなかったとしても、友達以上には絶対になれる。それに、どんな高嶺の花でも、君と1年でも過ごせば、君なしでは生きられないようになるだろう。」
「……嬉しいような、嬉しくないような……」
「褒めているんだ。それぐらい、君は魅力的だ、と言うことだよ。」
僕の言葉に彼は照れて顔を真っ赤にしてしまう。
「……ありがとう。そうだね、好意を伝えないことには始まらないよね!」
ふんっとはな君は立ち上がり気合を入れる。
「ありがとう簗型君!勇気、出してみる。」
「結果がわかったら教えてくれよ。」
「うん!」
キーンコーンカーンコーン
「あ、チャイム、もどろっか。」
「そうだね。」
僕達は少し時間をずらしながらクラスに戻っていった。




