sid 蜜蜂呱々呂「計画」
人生の壊し方なんて、小学校の頃に覚えた。
「あの子がああいってたよ。」「この子もこう言っていたよ。」「あの子は君の事嫌いみたい。」「あの子は君のこと好きみたいだよ。」
かもしれないかもしれないかもしれない
小さい脳みそにかもしれないを注ぎ込むと不満感がたまっていく。
糸がピンと張ったようなクラスの雰囲気は何か一つでも触れればはち切れそうな、
グラスに溜まった水がたった一つの雨粒で溢れるように
僕はそんなことが得意だった。「人心掌握」と呼ばれるであろうそれは小学生では無意識的に中学に上がると意識的に行っていた。
その能力は「ファンを作る」という点でとても役に立ったため読モやアイドル活動なんかは天職だった。
「よろしくお願いします。」「みんな大好きだよ。」「ありがとうございました。」簡単な言葉と視線や顔の動かし方のような簡単な動作一つでお金が手に入る。
過去に後悔したことや嫌だったことはあるが、鏡に向かって「嫌なことは忘れればいい。」と何回も唱えると忘れられた。「人間」なんてそんなものだ。「人心掌握」人と付くのだからもちろん僕のことも掌握できなければならないだろう。
中学、高校、大学はすべて人を操った。
内申点だけでどんな学校にも行けるぐらい僕は大暴れして、人生を謳歌した。
もちろんコイビトについても簡単なものだった。
僕は告白をすることもあったが、大体は告白させるあるいは、仲のいい女の子グループのうちの一人が僕を好きになったタイミングでもう一人に告白をして仲の良さを確かめるとか、楽しいことをイッパイした。
男に関しては、顔がよく金さえあれば、まあ接待させてやらないこともなかった。
僕にお金を納品させ僕にすべての権利をささげる。
息を吸う権利から、排泄をする権利から、服を着る権利まですべてをささげさせた。
例えば金があって顔がよくなかったら整形をさせたし、金がなくて顔がよければ、性転換をさせて、キモおやじから金をとらせた。性転換のお金はそいつの給料から天引き。
この全部のことが誰かにばれても、問題がなかった。
誰かにばれてもそいつを掌握すればいい。
もし世間にばれても世間を掌握すればいい。
「簗型つむぐ。」
でも、あいつは、掌握されずに僕を好きになった。僕に掌握されてはいなかった。
「おもしれーの。」
気に入った、し、気に入らない。
僕が……俺が、掌握できない相手なんていてはならない。
俺が掌握できない奴なんていなかった、それが、とっても愉快だった。
「計画はできた。」
俺はPCのメモに廻芽の全生徒の情報を書き留め簗型の周りを重点的に計画書を組み立てた。
崩壊と快楽
簗型と蜜蜂
びっしりと書かれた計画が今実行される。




