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『愛』なんて無いから  作者: ギプス


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成果報告

 僕は花束つぼみと水無月しあとバスで会話をしていた。

「すっごい癪だけど、音声ありがと。」

「プライベートを覗かせてもらったお礼だよ。それで、紫陽花あおはその後大丈夫?」

「うん。ちょっとづつ回復中。1日2日ぐらい話して貰えなかったんだけど。今は話せてる。

 今度カフェに行くことにもなったから。今週中には戻ってこれるはず。」

「そうか、それはよかった。」

「思ってるのかしら、それ。」

「思ってるさ、思ってるとも。」

「いいよ。しあ。こいつに感情は期待してない。」

「二人はとても仲良くなったよね。合わせた僕としてはとてもうれしい。」

「そうねえ、はなたばちゃんも最近はデートを否定しなくなってきたの。」

「うっさい!今度はあおちゃまと行くから!あんたなんか眼中にないの!」

 感情の発露、瞳の奥の光の加減、比較

 全ての加減から見て水無月しあは花束つぼみを飼いならしている。

 あまり他人に興味はないが、事、水無月しあと花束つぼみに関してはその限りではない。

 知識欲、もっと単純に、面白そう。

 これからも観察対象として記録しておこう。

「……って、私とこいつのことはいいんだよ!つむぐんはどうなのさ!」

「あら、はなたばちゃん、それを聞くのは私は好きな嗜好だけれど、たぶんあなたはきついわよ。」

「聞くかい!花束さん!

 あぁ!そうそうだよそうなんだよ。

 あの彼岸しのが僕の前まで落ちてきたんだよ!

 彼女の、肌が!涙が!鼻水が!吐瀉物が!息が!瞳が!空気が!髪が!鼻が!胸が!腕が!足が!腹が!存在が!細胞から粒子レベルまで僕と彼女は触れあった!

あんなに傲慢であんなに短絡的で、あんなに醜悪な彼女と。

同じになった!」

震える。事実を列挙する口が体がそのすべてが

隣の花束つぼみが顔を青ざめているのがわかる。

それでも僕は止まらない。

止まったりしない。

「ただでさえ気持ちの悪い妙に整った顔の化け物と同等だと彼女が触れ救われ、彼女を感じるたび。嫌悪感と快楽が襲ってくる。

どうだい花束さん!僕と彼女は気持ち悪いかい!」

「きもちわるぅい」

「そうだろう、そうだとも、そうだろうよ!

 あぁとってもいい理想の罵倒だ。

 これだよこれなんだよ。

 この快楽のために僕は、生まれてきたんだ!」

「あんまり異常者(私たち)に都合のいいことを言うのも考え物ねえ

 まあ私はとっても興奮するからいいけど。」

「うげぇこいつらと友達になるんじゃなかったー!」

ここで友達なんてやめるといわないのを考えるとやっぱり彼女も狂っているのだなと後になって思ったりする。

そうして僕たちはお互いのターニングポイントになるであろう事柄の共有をした。

これからが僕の虐めに耐えた苛め(ごほうび)だ。

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