滑稽な悲劇
これは持論だが
天性のマゾヒストは人の人生を壊す能力があり、事物語においては、壊す義務があると考えてるふしがある。
マゾヒストが徹底的に堕ちたい衝動は、人一人なら容易く壊せる。
彼女を虐めよう、ただ欲のために
彼女を愛そう、ただ欲のために
彼女を壊そう、ただ欲のために
僕を壊そう、ただ欲のために
簗型つむぐはドMであった。単なるマゾヒストではなく人生をめちゃくちゃにしたい願望があるマゾヒストだ。
僕には心底嫌いなやつがいた。彼岸しのという女だ。それはあまりに軽薄で薄汚れた心を持っており、なんの面白みもない、ただのいじめっ子だ。
勘違いしてもらっては困るのは、マゾヒストは虐められたいわけではなく苛められたいのだ。自分から積極性を持ち苛められるように仕向けるのであって汚らしい虐めそんなの僕は許せなかった。
だからこそちょうどよかった。そこに気持ち悪く汚らしいものがある。天性のマゾヒストとして簗型つむぐとして最高の素材がそろっている。
それならば使うほかない。
「彼女を虐めよう」
僕は最近始めた日記を書き終わると同時に、そうつぶやいた。
僕の人生をかけて、彼女の人生を壊して、得られる苦痛はどんなに辛く、そしてどんなに甘美なんだろう。
僕はカレンダーを見つめ明日からの計画を考えていた。
彼女を虐めるただしこれは僕が主犯になってはいけないなぜなら僕は彼女を助け依存させなければいけない、依存させ彼女を自分にくっつけること、それが何よりも苦痛だろう。
今まで人間とすら認めていなかった汚らしい存在にべたべたと触られ、人生の生活必需品にされる。こんなにそそる筋書きはどの書籍にも書いていなかった。だから作ったのだ。
観たいだろう、人がどろどろと解けていく様を僕が何処までも堕ちていく様を
安心してくれ、僕に限って、あとから情が出てやっぱり幸せに暮らしたなんてことは絶対にありええないと保証する。
だってこれは、最低で最悪な僕が最低で最悪な彼女と地獄の閻魔ですらドン引
いて言葉も出ないような、そんな滑稽な悲劇なのだから。




