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僕は留年生で君は転校生

山の上にある学校に気怠げに向かい、校門にいる教師の挨拶を完全にスルーして来た。

こういう時に校門にいるのは決まって熱血系教師だ。

挨拶をするだけ無駄だ。

しても声が小さいと言われ、無理矢理にも大声を出させようとしてくる。

ホント嫌だ嫌だ。

下駄箱の前まで移動し張り出されているクラス表を見ようとするが、人が蚊柱のように群がるのでなかなか見れない。

何故クラス表を見たら速やかに移動しないのか。

クラス表如きで一喜一憂出来るとか人生どれだけ謳歌…いや脳みそが入ってないだけか。

人混みを掻き分け、やっとの思いでクラス表を確認できたのでそのクラスに移動する。

ちなみにクラスは1組。

この学校は自称進学校だけあって、1組から5組まであり数字が少ない方が優秀な生徒がいるという形になっている。5組は理系クラスだから関係は無いが。

何故僕が1組なのか。

それは教師が面白がって入れたのだろう。

去年は1度たりとも学校に行っていなかったから、3年生2回目とはいえ、実質1回目と変わらない。頭も良くない。

この学校に入れたのだって、定員割れしていただけだし。

クラスに入ってもクラスメイト達の雑談は絶えない。

あちらこちらから聞こえてくる。

僕は留年生なので勿論このクラスには友達が居ない。

留年して無くても対して友達はいなかったのだが。

なので僕は机に腕を置いて、そこに顔を伏せた。

陰キャに良くある"僕には友達がいるけど同じクラスになれなかったし、今は眠いからそんな気分じゃないかなぁ作戦"。

これを考えた人は天才だ。

留年生だって気づいてる人は居ないだろうし、一人ぐらい喋れる友達は欲しいかな。

暫くすると担任らしき教師が入ってきた。

その教師は校門の前で挨拶をしていた熱血教師だった。


「俺の名前はブライト健二だ!皆は去年の体育教師を担当していたから覚えているだろう!そこの留年生は俺を知らないと思う!だから覚えてくれよ!」


この熱血教師、僕に大声で指を指して言いやがった。

その言葉を聞いてクラスメイトはザワザワし始める。

この学校で留年とかどうやってしたんだよとか、ある意味センスあるわとか煽り文句ばっか。

クソ野郎と熱血教師を見ると、ニヤリとこちらを嘲笑っていた。

コイツ、もしかして今朝の事を根に持っているのか?

教師のセンス無いだろマジで。


「まあまあ、皆そんなこと言うな!今日からクラスメイトなんだ。仲良くしろよ!」


どの口が言っているんだこのクソ熱血教師。


「そんな事よりだ。このクラスに転校生が来たぞぉー」


このクラスが今日一騒がしくなる。

イケメンが良いなとか、可愛い子こいとか。

お前達受験生なのによくそんな事考えてられるよなと思った。

そんでもってクソ熱血教師のニヤニヤ顔も腹が立つ。

クソ熱血教師に入って来いと言われ入ってきたのは、セミロングの容姿端麗、胸は残念だけど、どちらかと言うと男子が望んでいた可愛い系の少女だった。

男子は大いに盛り上がっていた。

女子もえー可愛いーとか言っていた。

煩いぞ。特にゴリラみたいな男子。


「神村夢です。皆さんよろしくお願いします!」


そして放課後。

転校生恒例の質問タイム。

まあ僕は参加しないんですけど。

帰る際、少しだけ視線を感じた気がしたが恐らく勘違いだろう。

僕も少し可愛い子が来て、柄にもなく少し浮かれてしまったのかもしれない。

学校初日は最悪の気分で終わりを迎えた。

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