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準魔法少女  作者: ザキ・S・レッドフィールド
第3章・とびっきりの最低VS準魔法少女
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準魔法少女の初模擬戦

・AM10時05分:埼玉県 警察署室内訓練所

 試合用のリングには既に対戦相手、レナちゃんの国に所属する戦士の女性が待っていますね。

 そう、わたしの初めての模擬戦・・・絶対に負けられない戦い・・・!

〈リングの上にいる女の人は大人なのです〉

【年は20歳くらいかしら。背も高めね。茶髪でセミショートの髪型、レナちゃんが戦場で着ているのと同じミニスカ戦士の服とややオシャレね】

〈背後の応援スペースにはレナちゃんとボコ君もいるのです〉


「ククル、頑張るんだぞ!」

「はい、レナ様!」


【王女とはいえ、年下のレナちゃんを様付けで呼び、笑顔で元気よく返事するのは忠誠心の高さの表れね】

〈レナちゃんの為に命を投げるのも惜しまなそうなのです〉


「ハル、リングへ」

「・・・はいッ」


 こっちのリング外のスペースには黒須君と直美さんとラウジーさんが。

 黒須君も今まで模擬戦を生き抜いていたのでわたしも頑張らなくちゃ・・・!


「? ラウジー、黒場の奴、妙に顔が強張っているが何かあったのか?」

「ああ。試合に負けたらマ・ペット達に24時間クロバ=ハルの身体を使っても良いと言ったからだ」

「・・・な、何⁉ ちょ、チョット待て! あのマ・ペット共は黒場を馬鹿や痴女や犯罪者にしようとしたんだぞ⁉」

「もちろん犯罪行為は一切させないし君に迷惑をかける行為も一切許可していない」

「い、いやだが・・・黒場はどうなる⁉ あのマ・ペット共がマトモな恰好をするハズがないぞ⁉ 黒場がショックのあまり発狂するかも知れないぞ⁉」

「リュウ、ハルが実戦のような精神で訓練する為だ」

「どういう意味だ?」

「クロバ=ハルは訓練を怠けるような事はしない。だが、同時に実戦感覚での訓練ができない」

「出来ない?」

「そうだ。リュウ、君は戦場で実際に敵を殺傷した経験がある。そしてソレを繰り返さないように模擬戦を含めた訓練を頑張っている。しかしクロバ=ハルは味方の援護と自身のマ・ペット能力もあって今まで一度も敵を殺傷していない。ソレ自体は問題ないが、それ故に実際に敵や自分が死ぬ可能性のない模擬戦で命がけにはなれない」

「だ、だが殺さないで済むならそれでも・・・」

「いつかクロバ=ハルも単独任務に行く時が来る。今のクロバ=ハルは敵が涙を流しながら命乞いをしたら攻撃をためらう可能性が高い。そんな人間が相手を殺さなくても良い模擬戦でどうやって真剣に?」

「・・・・・・」

「そういう事だ。援護攻撃もしてはいけないよ」


【つまり黒須君の援護攻撃は期待できないって事ね】

 ええ・・・わたしの実力の全てをぶつけるしかないです・・・!


「では両者前へ」

リングに上がって中央の相手のいる場所へ・・・。

〈近くで見ると相手の人は身長165cmくらいなのです〉

【二の腕も太くはないけどそれなりに鍛えてあるって感じね】


「私の名前はククルだ! よろしく!」

「よ、よろしくおねがいします・・・!」


〈これから戦うのに握手するのですか?〉

 争うと言っても訓練ですので・・・痛ッ⁉

【悪意のない握手なのに痛みを感じるって事はけっこう握力もあるみたいね】


「この試合は7宝具を含む武器や道具の使用を一切禁止。勝敗は相手が気絶するか降参するかリングから落ちた場合のみとする」

【あら、実践感覚という割には場外負けという簡単な勝ち方があるじゃない?】

 恐らくまだ模擬戦が初めてのわたしへのハンデでしょう。

 相手の方は経験がありそうなのでまっとうな技術では勝ち目が無いのでそういった配慮なのだと思います。


「頑張るのだぞククル! 勝てばお前が7宝具のプロトタイプ使用者として認められる!」

「はい! 必ずや貴方様のご期待に答えてみせます!」


【あの指輪(プロトタイプ)の使用者、まだ決まってなかったんだ】

 使用者が暴走する危険性があるので簡単に決められないのでしょう。

 王女のレナちゃんはともかく、一般人で未成年のわたしや黒須君が未だに7宝具を使っているので簡単に見つからないのでしょう。

〈対戦相手の人はきっとレナちゃんの推薦なのです〉

 ええ・・・だから心身共に優れた人なのでしょう・・・。


「ではこれより試合を開始する・・・始め!」


 審判の男性の声と共に対戦相手の方は柔道などの格闘技選手のような体制を取りました。

〈一歩一歩こっちに近づいてくるのです〉

 こっちも訓練で教わった構えを・・・え⁉

〈一瞬で間合いをつめてハルちゃんの腕を掴んで捻ってきたのです!〉

【捻ったハルちゃんの腕を掴んだまま背後に回って床に叩きつけ・・・犯罪者を近接戦闘で捕縛する技術ね】

 い、痛い・・・ッ


「降参しろ‼」

「ッ・・・ま、まだ・・・です!」


【諦めないのは勝手だけどこの状況じゃ無理でしょ】

〈今のハルちゃんは警察の人に取り押さえられる強盗さんみたいなのです〉


「降参しないならもう少し痛くするか」

「ハググ・・・ッ!」


 痛い・・・骨が折れる・・・!

【もう降参しちゃいなさいよ】

 嫌です!

【大丈夫よ。色っぽい服着てハルちゃんに興味ありそうな金のある男子共に片っ端から高級なお店の料理や高級品を奢らせるだけだから♡】

〈アイちゃんも任務でかわいい服着て戦うだけなのです!〉

 ソレが嫌だから降参出来ないんです!


「さあ! 降参しないと骨が折れるぞ!」

「うぐぐ・・・ッ」


【さーて、今から誰から口説くか決めなきゃ♡ クラスの委員長、ハルちゃんに興味ありそうだったから露出度の高い服でおでこにキスくらいでも高級寿司奢ってもらえそうねえ】

 も、もし負けたら露出度の高い服でクラスの人達に色仕掛けを・・・そんなの嫌です‼

〈早速この前エマちゃんに返した魔法少女服を送り返してもらって戦いまくるのです! 今度こそハルちゃんを世界で一番かわいい魔法少女にするのです!〉

 ま、負けたらまたあんな恥ずかしい恰好で戦場に・・・しかも黒須君やレナちゃん、警察関係の人達全員に晒される事に・・・断固阻止です‼


「どうした降参しろ! 本当に骨が折れるぞ⁉」


 骨が折れてもいい・・・なんとか巻き返さなきゃ・・・ッ

【もう無理よ。諦めなさいよ。どうせ誰も助けてくれないんだから】


「・・・おい黒場! そんな戦場にスカート穿く痴女野郎に負けたら絶交だからな‼」


 く、黒須君⁉

〈またハルちゃん達魔法少女の悪口を言ったのです!〉


「誰が痴女だあ‼」

「うぐぐッ」


【相手選手は顔は黒須君に向けたけど、手加減どころかさらにハルちゃんへの力が入っちゃったわね】


「ククル! 今は試合に集中しろ! クロス=リュウが相手を惑わすためによく使う手だ! 無視しろ!」

「ぐぐッ・・・はい!」


〈完全にハルちゃんへの拘束へ意識を集中しちゃったのです〉

【黒須君は一瞬の隙を作る為だったんでしょうけど失敗ね】


「ほう、まだ痴女行為を続けるのか。まあ、指導者がレナじゃ仕方ねえか。レナはスパッツ穿いているとは言え戦場にスカート穿く馬鹿だし、レナの母親も同じ服着て戦場に向かう馬鹿と痴女の家系だもんなあ」

「⁉⁉⁉」


〈あ、今度は拘束の手を緩めたのです〉

 も、もしかして今の黒須君の言葉に反応を?


「おい貴様・・・聞き捨てならない事を言ったな・・・ッ」


〈ま、まるで獲物を狙う獣なのです!〉

【あら、でも完全に拘束するのを止めたし今なら攻撃するチャンスじゃない?】

 いえ、まだです。

 わたしの考えが正しいなら・・・。


「聞き捨てならない? 別にどこも間違ってねぇだろ。戦場にスカート穿く女が馬鹿と痴女という意見のどこが間違っている?」


【黒須君、メチャクチャ他人を馬鹿にしている表情をしているわね】


「な、何をしているのだククル! 試合に戻れ! 奴がよく使う手だ! 無視しろ!」

「なりません! あの者はレナ様だけでなく、貴方の母であるファリス様までも侮辱したのですぞ‼」


〈あの女の人、怒りで体がプルプル震えているのです〉

【これから殺人犯す人って言われたら信じられそう】


「侮辱じゃなくて事実だ。戦場にスカート穿く痴女と同じく痴女行為をする娘を馬鹿と痴女の家系と言ったんだ。的確だろ。レナの父親だってそうだ。その痴女の戦う姿を見て結婚を決意したんだろ? どんな容姿だったか知らねえけど痴女と結婚するゲテモノ喰らいだ。気持ち悪い害虫に頬擦りするような気色の悪い男だったのは間違いないな」

「き、貴様ガラフ様まで・・・ッ‼」

「息子のバッツも相当な馬鹿だった。馬鹿と痴女って遺伝する物ってあの一家見て初めて知ったぜ」

「やめろ・・・やめろ・・・それ以上言うな・・・ッ‼‼」

「そう言えば末弟のボコは男だが顔は母親似だったな。きっと馬鹿と痴女の血を色濃く継いでいるから将来は女装癖の変態野郎ってところだな」

「き、貴様5才のボコ様まで・・・‼‼‼」


【5才のボコ君まで様付けなんて相当な忠誠心ね】

 忠誠心故に怒りもすさまじいのでしょう・・・。

〈雪国の寒さで震えている人みたいなのです〉


「止めろククル‼ 試合に戻れッ‼」


【場外のレナちゃんが必死に落ち着かせようとしているけどもう耳に届いていないって感じね】

〈ハルちゃんを無視して場外の黒須君の方へ向かって行ったのです〉


「何震えているんだ? あの一家が馬鹿と痴女の集まりなのは配下のお前が戦場にスカート穿く馬鹿と痴女なのが証明書になっているだろ」

「ふざけるなッッッ‼‼‼ あの方達は、かつて冤罪で祖国を追放された私の家族を受け入れて下さった! 無実の証明までして下さり、そして親衛隊の一員として私を信頼して下さっている‼ 貴様にあの方達の何が分かる‼‼‼」

「ああ分かるぜ。お前みたいな馬鹿と痴女を兼ねた輩にしか慕ってもらえない無様で哀れな一族だってなあ」

貴様(シタラ)あああッッッッ‼‼‼‼」


【とうとう日本語で喋るの忘れて母語使い始めたわね】

〈場外でレナちゃんが試合に戻るよう必死に訴えていますが完全に聞こえていないみたいなのです〉


貴様の数々の(シタラホサヅサヅホ)無礼(プエキ)‼ 既に万死に(ツべヒパンチヒ)値する(カナキツウ)ッッッッッッ‼‼‼‼‼‼」


〈こ、腰のナイフを抜いたのです!〉

【試合を完全に忘れて黒須君への殺意しかないって感じね】


「黒場! 今だ!」

「はい!」


【も、もしかして黒須君、わざと挑発して場外付近に近づけて⁉】

 そうだと思います!

 猛ダッシュからの・・・飛び・・・蹴り‼


「? ・・・おわあ⁉」


〈必殺のハルちゃんキックでククルという相手選手が場外に落っこちたのです!〉

【まさか黒須君からの援護攻撃があるとは・・・てか蹴り飛ばされた相手が黒須君に当たらない?】

 大丈夫です。

 黒須君なら避けられます。


「おっと」


【予知していたかのように相手選手をするりと回避したわね】


「場外! それまで!」


 や、やった・・・勝った!

〈せっかくかわいい服で戦えると思ったのに・・・〉

【高級料理はお預けね・・・】


「ぬぐうッッッ‼ おのれ(コホエ)! ロックギアの暴徒め(ホポクノレ)えッ‼‼‼」


【あら、相手選手はまだ黒須君を攻撃しようとしているわね】

〈ナイフで刺すつもりなのです!〉


「止めろククル‼」

「うッ・・・ぐッ・・・!」


〈レナちゃんが黒須君の前に出て両手を広げて阻止しているのです!〉

 さすがに忠誠を誓っている人が前に出たので動きを止めましたね。


「ラウジー、援護攻撃はしていない。俺はただ応援しただけ・・・問題ないよな?」

「ああ。かなり過激な応援だけどプロトタイプ使用者としての問題点も浮き彫りにできたからね。ククル=チョコはプロトタイプ使用者として相応しくない。失格だ」

「ど、どう言う事だラウジー⁉」

Q:今年もゴールデンウィークなどで休みが多い月なのに行数が少ないのは何故ですか?


A:時間があるから「まだ余裕」と調子に乗ってチンタラやっていたら時間が過ぎていたからです。


Q:そんな事ではまたラウジーからの制裁を受けますよ?


A:そう思って家から逃走して道の駅の車中で書き込んでいます。


Q:ではあなたの車の後部座席にいるラウジーは何ですか?


A:え? ・・・あ、助k

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