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準魔法少女  作者: ザキ・S・レッドフィールド
第2章・Not A Hero
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準魔法少女と非英雄・5

 そう言って風一さんの遺体の傍から一枚の紙をわたしに・・・。

【コピーみたいだけど元は手書きでA4サイズの紙にギッシリ書かれているわね】

〈なんか所々くしゃくしゃになっていた痕があるのです〉

 書き方からして震えながら書いたようにも見えますが・・・。

〈さっそく読むのです〉



*加害者リスト

・3年1組:春日たかし

事件グループのリーダー、ガラスや釘など鋭利な物をストッキングなどに大量に詰め込んで顔などに当てる『ゲーム』を実行。

・3年1組:安達隼木

春日と共に障害行為を実行、鍵や教科書を捨てるなどの窃盗や器物破損行為。

・3年1組:浅野壮太

給食に昆虫や汚物を目の前で混ぜて飲ませようとする傷害及びバイオテロ行為。



「こ、コレは・・・?」

「風一さんに死に追いやったゴミクズ野郎共のリストだ」


 リストには人名とその人の所属するクラスと犯行名が・・・。

【てか20人以上いるわね。中には階段から突き落とされたとか色々とあるわね・・・】


「風一さんはコレをマスコミや教育委員会、警察の少年課などに全部FAXで送る予定だったそうだ」

「予定?」

「クソ親父がそれを阻止しやがった。・・・どうせ親に恥をかかせるなとか言って・・・ッ。この紙もビリビリに破り捨てられてゴミ箱に捨てられていたそうだ・・・。この紙は検察が復元した物のコピーだ」


 たしか風一さんのお父さんは・・・。

【息子のイジメを放置していたクズ親だったわね】


「だが何故フウイチはそのような事を⁉ そもそも何故自殺を⁉」

「・・・このリストの最初に書いてあるリーダー、コイツ風一さんが合格した学校に入学予定だそうだ」

「・・・え?」

「風一さんはコイツ等から離れるのが一流高校に入る目的の1つだった。そして見返す事になるからと。・・・が、このゴミクズ野郎が同じ学校に入学する事が発覚した。このゴミクズ野郎が入学できたのが元々の学力があるからか不正入学なのかは知らねえけど、風一さんにしてみればどんな理由であれ自分を狙ってくる犯罪者が同じ高校に入学なんて恐怖でしかねえよ・・・ッ!」


 黒須君、まるで自分の事みたいに怒りと悔しさで震えています・・・。

【そりゃあ、自分を殺そうとしたレナちゃんの兄の減刑を聞く程の相手だもの】


「なんとかしようとマスコミや警察とかできるだけ多くに事実を伝えて助けてもらおうとした。全員でなくても数撃てば当たるだろうと色々な場所に事実を送って助けてもらおうとした。・・・でもクソ親父に阻止されて・・・ッ。風一さん、犯行グループのリーダーの机の上で首をカッターで切って死んだ・・・と検死の人から聞いた。顔の傷は死ぬ前の日に『いつもの遊び』を受けた傷らしい・・・」


 紙にストッキングにガラスや釘など鋭利な物を詰め込んで風一さんの顔に当てるイジメって書いてありました・・・。

【そんな事されて、その主犯が同じ学校に通う・・・最悪ね】


「だからって自殺など・・・リュウなどに相談するなど他に方法が・・・」

「恐怖で発狂してしまったのでしょうけど・・・あんなに慕ってくれた黒須君を裏切って自殺するなんて・・・」

「裏切る? どこがだ?」


 な、何故わたしとレナちゃんを睨みつけて?

【しかも若干嫌悪も入っている感じね】


「風一さんは必死に現実に抗って一流の高校に合格した、しかも傷害に耐えながら・・・まさに英雄だ。成果を出したのにどこが悪い? それでも風一さんが悪いなら、その風一さんを慕っているのに何の救いにもならなかった俺はそれ以下のクズだな」

「な、何を言っているのだリュウ! お前だってフウイチの為に頑張ったではないか!」

「そうですよ! ヒドイのは風一さんです! あんなに黒須君が応援し・・・?」


〈言い終わる前に手で遮られてしまったのです〉


「黒場、レナ、本当に俺を憐れんでくれるなら風一さんの悪口を言わないでくれ」

「え?」

「リュウ、どういう意味だ?」

「風一さんは油断してしまっただけだ。まだ自分が現実という戦場に居るという事を。安心しきっている時ほど襲ってくる脅威は恐ろしい。もし油断大敵だと言うなら風一さんを英雄と称賛し気を緩ませた俺にも責任があるな。俺が称賛しすぎて気が緩んでしまったんだ・・・」


【なんか擁護が無理矢理ね・・・】

 それだけ風一さんを・・・。


「それに、マスコミとかに助けを求めたのに俺には何の救援も求めなかった。風一さんは俺が7宝具が無いと何の価値も無いのを知っていたんだ。もし遺書を残す余裕があれば俺に『役立たず』などの暴言を残していただろうな」

「そ、そんな事は無いですよ! 風一さん、レナちゃんのお兄さんの裁判の後、道具の力でも頑張っているのは自分自身なんだから卑屈にならなくてもいいと言っていました!」

「そんな事を俺に? なるほど、自分の事で精一杯なのに役立たずな俺を憐れんでくれるなんて、慈悲深いな。それなのに何の救いにもならない俺は風一さんの面汚しだな」


【逆効果になっちゃったわね】

〈あ、部屋から出て行こうとしているのです!〉


「黒須君、何処へ⁉」

「任務だ」


 そ、そんな精神状態で⁉

〈ハルちゃん達を無視して出て行っちゃったのです・・・〉


「リュウの奴、まさかフウイチの後を追う為に任務へ・・・?」

「ま、まさか・・・」

「クロス=リュウはそんな弱い人間では無いよ」

「ラウジーさん⁉」

「イロナシ=フウイチという偽りの英雄に出会ってしまうとは不運だな」


 風一さんの遺体を見るラウジーさん、まるで汚物を見るかのようです・・・。

【なんか、こうなるのを知っていたかのような表情にも見えるわね】


「クロス=リュウは自分の実力で称賛されたかった。それ故に非力でありながら栄光を掴もうとするイロナシ=フウイチが輝いて見えた。実際はこの程度の弱者だというのに」

「ラウジーさん、まさか知っていて風一さんの自殺を止めなかったんですか?」

「弱者なのは知っていた。思ったより自害するのは早かったけどね」

「どういう事だ⁉ フウイチの自殺を意図的に止めなかったのか⁉」


 レナちゃんの言う通り、ラウジーさんは自分に利用価値が無い人にはそういう対応をしそうですが風一さんは・・・。


「クロス=リュウは言っても信じないから言わなかったが、仮にこの事件が無くてもイロナシ=フウイチは自害する道を辿っていた可能性が高い。自分に危害を加える人間が成人後に現れる事もあり得るのにこのイロナシ=フウイチはこの受験さえ乗り切ればもう大丈夫と思っていた節がある」


【確かに、社会に出たら言葉のパワハラとかサービス残業の強制とかにぶち当たる事もあるしラウジーのいう事も間違いではないわね】


「目の前の現実しか見ていない偽りの英雄とクロス=リュウと引き離したかったがあまりにも慕っていたから引き離せなかった。むしろ時間が経つ程イロナシ=フウイチの自害が起きたらショックはもっと大きかっただろう。僕としては早めに死んでくれて助かったと思っているよ」


〈ひ、酷い事を言っているのです!〉

 ・・・アイリスちゃんの言う通り・・・なのですが、ラウジーさんの言う通りの部分もあると思います・・・。

【確かに、冷静になれば助かる道もあったかも知れないのに発狂して自殺する人だからねえ】


「でも黒須君は戦場に行って・・・」

「ああ知っている。クロス=リュウは戦場では余計な事を考える暇が無いのを知っている。だから余計な事を考えずに済む戦場にからあえて向かった」

「でもそんな精神状態で向かったら・・・」

「クロス=リュウはそんな弱い人間では無いよ。ちゃんと成果はだしてくれるだろう。もちろん万が一の事が無いように僕もフォローするよ。イロナシ=フウイチと違ってクロス=リュウは必要な人間だからね」

「ラウジー、お前の言いたい事は分かる。だが、それでもリュウはフウイチを慕っていた・・・いや、今でも尊敬している。本当にリュウの事を考えるならフウイチを助けるか、もしくはフウイチをリュウと引き離すなど出来なかったのか?」

「引き離すのは難しいな。レナ、君が犯罪者の兄を今でも慕っているように」

「うッ・・・」

「さて、僕はクロス=リュウのフォローに向かうよ。クロス=リュウにはこれからも活躍してほしいからね」


〈ああ言っていますが黒須君は大丈夫なのですか?〉

 ラウジーさんは黒須君の事をかなり評価しているので戦場で黒須君に害が無いようにしてくれるとは思います。

【戦場ではね・・・】


「・・・ラウジーさん、わたしは・・・」


 わたしに何かできる事があるのでしょうか?

 たとえ戦場にいる間は嫌な事を考えずに済んだとしても日常生活では・・・。

 風一さん程わたしは黒須君の力になれない・・・。


「ハル、君にしかできない事があるのを忘れているよ」

「ラウジーさん、どういう事ですか?」

「その言葉通りだ」


【あら、ラウジーにしては爽やかな笑みね】

 あの表情は黒須君とレナちゃんとの模擬戦で黒須君を褒めていた時の表情に似ています・・・。

〈返事する前に部屋を出て行っちゃったのです〉

 ・・・わたしにしか出来ない事?

 一体・・・?



・AM8時10分:学校 教室内

 やっぱり黒須君、元気ないです・・・。

【学校には来ているけどクラスメイトとの会話も話半分って感じね】


「おはようハルちゃん」

「あ、長野さん」


【この背の高い女子は? 170cmくらいあるわね】

 転校してきたわたしと最初に友達になってくれた長野さんです。

〈バスケットに青春をかける女の子なのです〉

【かなり親しそうね】

〈ハルちゃんとは仲良しなのです!〉

【でも挨拶が終わったらすぐに深刻そうな表情になったわ】


「ねえ、黒須の奴どうしたの?」

「え?」

「なんか、身内に不幸があったみたいな感じだけど・・・」


【あら、鋭いわね】

 長野さんも異世界兵器関係のテロでご両親を亡くしているので・・・。

〈ハルちゃんが魔法少女なのも知っている程の仲なのです!〉

 厳密にはわたしが異世界兵器関係のテロと戦っている事です。

【え? じゃあ彼女も戦場に?】

 いえ、正確には一般人ですけど色々あって・・・。

 少なくともラウジーさんはその事を知っていますし、そもそもラウジーさんがわたしの為にあえて長野さんに教えたという事情があるだけです。

 実際、長野さんはわたしが警察署で訓練している時によく飲み物などの差し入れを持ってきてくれますが訓練には参加していません。

【あら、異世界兵器関連を知っているのに戦場に関与しない、単にハルちゃんへ差し入れ送るだけって事はラウジーから信頼・・・いえ、警戒されていないって感じね】


「尊敬している人が亡くなったので・・・」


 とりあえず長野さんには話して大丈夫でしょう。

 黒須君が尊敬する風一さんが自殺してしまった事を。


「・・・あのTVで報道されてた自殺した3年生、黒須の知り合いだったんだ・・・。てか受かった高校にイジメグループのリーダーが合格ってヤバすぎじゃん・・・」


 長野さんも真相を知ったら少し顔色が悪くなりましたね・・・。

【もしコレが自分の事だったらと思うとそうなるわよ】


「でも黒須はその自殺した人を尊敬していたんでしょ?」

「はい。今でも尊敬しています」

「・・・そっか。なんか黒須の表情、あたしの両親がテロで死んだ時を見ているみたいで他人事には思えないな・・・」


 長野さん、やっぱりまだご両親の事件がトラウマに・・・。

【さっきテロで両親が死んだって言っていたけどソレの事?】

〈あの時は発狂寸前だったのです〉

 ご両親が爆破テロで無残な姿になったのを目撃してしまたので・・・。

【ソレはキツイわね・・・】


「なんとか立ち直って欲しいのですが・・・」

「う~ん、でもこういう時は情緒不安定だし・・・。あたしもハルちゃんにヒドイ事言っちゃうくらいだったから・・・」


【あら、急に気まずい表情になったけど何かあったのかしら?】

〈ハルちゃんが「気持ちが分かる」と言ったら急にキレだしたのです!〉

【それで「おめえに何が分かるんだ!」みたいな事言った・・・感じかしら?】

〈正解なのです! 後で謝ったとはいえヒドイのです!〉

 あ、あの時は長野さんも精神的に辛かったしわたしも気遣いが足りなかったので仕方ないというか・・・。


「・・・もしかして黒須の奴、ハルちゃんに八つ当たりとかしてない?」

「い、いえ。そのような事は・・・」

「そっか。黒須の奴、今は任務とかお休み?」

「いえ・・・。むしろ任務中は風一さんの事を考えずに済むと言って戦場へ・・・」

「・・・ソレ結構ヤバくない?」

「どうにか立ち直って欲しいのですが・・・」

「う~ん、あたしの時みたいにハルちゃんが頑張っている姿を見て元気になってくれればいいんだけど・・・」

「わたしが、がんばる・・・」


〈どうしたのですかハルちゃん?〉

【なんか良い方法を思いついたの?】

 ラウジーさんがわたしにしか出来ない事があると言ったのを思い出したので・・・。

 そういえば、初めて戦場に足を踏み入れた時も悪口を言うくらいの勢いでないと追い返されるとも言われたのも思い出しました・・・。

〈は、ハルちゃん・・・?〉

【悪口言ったら嫌われるわよ?】

 ・・・悪口以外でも方法はあると思います。

〈【???】〉

あと1話で2章はラストだと思います。

思ったより時間かかった・・・本当は20話(EP40)くらいで2章終わる予定でソレも去年の12月くらいで出来ると思っていたのに・・・。

あ、でもEP26辺りでバイオRE:4のDLCが楽しすぎて多忙だったし去年の5月はPS5用にアップグレードした作品のトロフィーコンプ再取得で忙しかったし今年の1月はPS4とPS5のオリジナルバイオ1 DCを遊ぶのを優先していたから仕方ない。

バイオハザードシリーズが面白過ぎるのが悪いから自分は悪くない!

うん!


ラウジー「ああ、埼玉県の自立支援センターか。この無能で底辺な投稿者の自宅に『自宅住込み型自立支援員』を2名程派遣してくれ。予算はこの下衆な投稿者の貯金から払う。支援員2名に体罰の許可もしてほしい。僕が許可する」


・・・え?

俺の自宅に住み込みで・・・?

・・・い、嫌だ・・・たすk

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