準魔法少女、尋問現場にて・2
『こここ、俺を殺していいのか⁉ ロックギアでソレが許されるのか⁉』
【あのテロリスト、殺されないと思っていたから本当に殺されそうになってかなり焦っているわね】
『僕はゴミ相手にかける慈愛の心は持ち合わせていない。情報を喋らない君はゴミ同然だ。だがゴミでも心臓や眼球、血液などはちゃんと未来に可能性のある人間に提供する。死ねばゴミでも可能性や希望の糧になる。それに・・・どうせ殺すならロシアンルーレットというゲームをやろうと思ってね。僕、一度やって』みたかったからね』
ラウジーさん、もしかして喋らなければ本当に殺す気ですか・・・?
〈殺しを楽しむ人間の目なのです!〉
『ららら待て! 喋るから撃たないでくれ!』
レナちゃんの翻訳を聞いているとラウジーさんの殺意が相手に伝わったのか、閻魔大王に減刑を乞うかのような態度になりました・・・。
『では君の活動拠点と知っている限りで一番地位の高い上司の名前と場所を答えてもらおうか』
テロリストの人はカクカクと物凄いスピードで首を縦に振っています。
『こ・・・俺達は普段は近所のアイアンズ教会で普通の宗教団体として行動している・・・』
‐カチャリ‐
〈喋ったのにラウジーちゃんが銃の引き金を引いたのです!〉
『ははは何故だ⁉ ちゃんと喋ったのに⁉』
『僕は拠点と『知っている限りで一番地位の高い上司の名前と居場所』を言うように言ったのに活動拠点しか言わなかった。だから喋る気が無いと判断した』
「何考えているのアイツ⁉」
鈴さんは公共の場で悪さをする子供を見つけた先生みたいに叫んでいます。
【取調室に向かったのを見るとやめさせるつもりみたいね】
「鈴課長!」
〈でも腕を掴んで黒須君が止めたのです〉
「黒須君、何をするの⁉」
「鈴課長、ラウジーを信じましょう。アイツは考えも無く銃を撃つ奴じゃないですよ」
確かにもし快楽の為に殺人を愉しむ人ならラウジーさんを女性扱いする対策班の義兄や佐助さんはとうの昔にこの世には居ないでしょうし。
「ぬぬぬ・・・」
鈴さん、まだ納得はしていないみたいですけど、取調室に行くのを止めたのを見ると、なんとか黒須君意見を聞いてくれたみたいです。
『待て! ソレもちゃんと言うから撃たないでくれ!』
【取調室では相変わらず怖い尋問が続いているわね】
『では上司の事も話してもらおう』
『わわわ分かった。上司の名前はガイン=オーン、ソイツも普段はアイアンズ教会で活動している・・・。今日も教会に居る。アイアンズ教会の名前でネット検索すればガイン=オーンの名前が出てくるし俺の言っている事も事実なのが分かるハズだ・・・』
【ソレを聞いたラウジーはポケットからスマホを取り出して検索・・・さっきのアイアンズ教会の事を調べているのでしょうね】
‐カチャリ‐
〈ま、またテロリストに向けて引き金を引いたのです!〉
弾は発射されませんでしたが・・・また何か嘘が?
『ははは何故だ⁉』
『その教会を調べたら確かにガイン=オーンという名前の人物は確認できた。だがコジマ=ケンジというガイン=オーンより上の役職の人物が確認できた。つまり君が知っている『一番上』ではない。嘘をついたからだ』
『に、違う! ソイツは俺達がいつでもテロに専念できるように雇った一般人だ! 普段から定型文を読んでいるだけの名ばかりのトップだ! 俺達がテロを行っている事は全く知らない!』
『では何故ネット検索を薦めた時にその事を言わなかった? 危うく罪の無い一般人を逮捕する所だった。次からはそういう事もちゃんと言わないと駄目だよ』
『わわわ分かった・・・だから殺さないでくれ・・・ッ』
『それで、拠点にはあとどれくらいの人数の『一般人』が在籍している?』
『さっきアンタが言ったコジマ=ケンジだけだ・・・』
『そうか。では次の質問だ。今日のテロ計画は誰の指示か答えてもらうよ』
『それもガイン=オーンだ・・・。俺と相棒のビッスでやれと命令された・・・』
『テロの目的は?』
『爆破テロを起こしてここの警察署長を脅すのが目的だ・・・。ただ脅すより実際に起こしてからの方が脅しやすいからだとガイン=オーンが・・・』
『そうか。では最後の質問だ。君が関与したテロ事件を全て喋ってもらおうか』
『下準備や遠くから警察が来ないか見張っていただけのものを含めると多すぎて分からねえ・・・』
‐カチャリ‐
また引き金を・・・。
『ももも、本当だ! 覚えていないんだ!』
『なら思い出す努力くらいしたらどうだい? 言っておくけど次は1/2だよ』
そう言って4回引き金を引いた銃口をテロリストに・・・。
『と、そうだ! 相棒のビッスなら覚えている! アイツは記憶力があるから覚えているハズだ!』
『もうその相棒は喋れないよ』
『?』
「失礼する」
「あ、ハンクさん」
右脇にバスケットボールくらいの大きさが入る箱を抱えています。
〈中身は何が入っているんですか?〉
分からないです。
「やあ。ラウジーは?」
「今取調室です」
「そうか」
ハンクさんは取調室へ。
『ラウジー、持ってきたぞ』
『丁度いい。中身を』
『ああ』
〈ハンク氏が箱の中身を取り出し・・・ひええ⁉〉
ひ、人の生首⁉
【しかも目玉が無いし額に穴が・・・多分、銃で撃たれたようね】
目が無いのは視力を失った人へ移植済み・・・だからでしょうか?
『びびびビッス⁉』
『そうだ。君の相棒だ。見ての通り喋れないから君が頑張って思い出すか相棒と同じ姿になるかどちらかだ』
『ら、待て! 頼む! 殺さないでくれッ!』
『この状況で命乞いしかできないという事は自分が無能と言っているのと同じだよ?』
『とととそうだ! ガイン=オーンなら部下の行動を全て把握しているから分かるハズだ!』
『分かった。後はガイン=オーンに聞く。君にはもう価値は無い』
『とととそんな! 許してくれ!』
『それは君が関与したテロで命を落とした人間の遺族や友人に言う事だよ。覚えられない程の回数のテロに関与した君を誰も許さないと思うけどね』
‐カチャリ‐
〈う、撃ったのです!〉
た、弾は出ませんでした・・・。
『あ・・・あ・・・あ・・・』
【あのテロリスト、失禁したわ】
もう放心状態ですよ・・・。
『ハンク、エコーウルフに連絡してアイアンズ教会の監視を。出入りする人間もマークするように伝えて欲しい』
『分かった』
ラウジーさんはハンクさんにそう伝えると机の上の弾薬5発を全てシリンダーに詰め戻してハンクさんと一緒に取調室から出てきました。
「亀山警部補、コレは返すよ。ありがとう、役に立たったよ」
そう言って脅しに使ったリボルバー拳銃を亀山さんに返しました。
ハンクさんはエコーウルフというチームに携帯電話で連絡しています。
【受け取った警官は驚きの連続で何も返事をせず受け取ったわね】
「どういう事⁉ 情報を聞き出す前にテロリストが死んだらどうするつもり⁉」
鈴さんはまるで猛獣のようにラウジーさんに抗議しています。
「弾が出ないように調整した。問題ない」
「弾が出ないようにってどういう事ですか?」
「弾を1発入れて回転させ、引き金を6回引いて発砲する位置で装填した」
「そんな事ができ・・・ますよね。ラウジーさんの動体視力なら・・・」
この人ならこれくらい朝飯前なんだと思います。
【言われてみれば確かにそうね】
「あのテロリストは殺されないと思っている。喋らなければ絶対に殺されないと思っているからあのような態度だった。だからこちらが喋らなければ殺す意思を見せる必要があった」
「それがあのロシアンルーレットですか?」
「そうだ。弾が出るかも知れない銃の引き金を僕は引いた。あのテロリストは僕が殺す気なのを嫌でも知ることになった」
「確かに殺されると分かった途端、ペラペラ情報を喋ったな」
「ただし、この方法は全ての尋問に使えない。殺されると分かった途端喋らなくなる者もいるし相手によっては待遇を良くした方が効果的な場合もある。つまり、相手の性格など会話などを聞いたりするなどよく調べてから適切な方法で対応した方がいい。理由も無く真似しようとは思わないでほしい」
そもそも銃弾が6発目に発砲するようにする動体視力や技術が無いので真似したくても無理ですが・・・。
「だいたい何故エコーウルフを呼んだの⁉ 1課に任せると言ったわよね⁉」
〈鈴さんはそれでも納得していないようなのです〉
やり方だけでなく他の課(?)に任せたのも納得していないようです・・・。
「それは君が尋問室でのやり取りを聞いているだけで何もしなかったからだ。モニターで取調室での会話はしっかり聞こえているハズだった。アイアンズ教会やガイン=オーンの名前が出た時点で1課の人間に調査をさせるべきだったしそうすると思っていた。だが君は何もしなかった。だからエコーウルフに依頼した。まさか、何もしなかったのに他のメンバーに手柄を盗られたなどと言うつもりかい?」
「・・・わ、私は尋問を最後まで聞くべきだと判断しただけよ。まだテロリストの言っている事が本当かも分からないわ」
「それなら僕以上に上手な尋問を見せてもらおうか。確かに僕としても本来ならあのような脅迫するやり方は好ましくないと思っているからね」
「わ、私はただ・・・・・・ッ」
【反論の言葉が見つからないようね】
まさか自分の課の手柄が優先したかったなんてラウジーさん相手に言えないですから。
〈すっごく落ち込んでいるのです〉
「エコーウルフから情報が入り次第1課に連絡する」
「? 1課には任せないつもりじゃなかったの?」
「僕は君の不手際をエコーウルフに補ってもらっただけだよ。それとも全部エコーウルフに任せるのかい?」
「・・・いいえ、私の職務を果たすわ!」
鈴さん、さっきまでの消沈した表情が急に使命感溢れる表情に。
「亀山君! 1課のメンバー全員にいつでも出撃できるよう伝えて!」
「ハイ!」
亀山という刑事さんは素早く敬礼してすぐに携帯電話を取り出しました。
【時間的にもう昼食は終わっているからすぐに集められそうね】
「ラウジー、エコーウルフから連絡があった」
ハンクさん、さっき電話したばっかりなのにもう?
「アイアンズ教会所属のテロリスト全員集まっているそうだ。捕らえたテロリスト二人を除いてだがな」
「だそうだ。どう動く?」
「すぐに一般人が入らないよう手配するわ!」
「直美課長! さっそく交通課にも協力を要請します!」
「頼むわ、杉田君!」
最初に取り調べを行っていた杉田という刑事さんは携帯電話を取り出しました。
〈交通課の人に電話する気なのですか?〉
「あの、何故交通課に?」
「こういう時のために『事故を起こす用の車』を手配してもらうの。ワザと円柱にぶつかったり、『専用車』同士をぶつけたりするなどの事故を起こして一般人をうまく『本来の事件現場』に立ち寄らないようにするようにするの」
「す、すごく徹底していますね・・・」
「それくらいしないと無関係な一般人を巻き込む可能性があるわ。強力な兵器を使ってきたらシャレにならないわ」
「・・・あの、わたしも一緒に出撃しても良いですか?」
「強力な兵器の時の為ね。ありがとう。お言葉に甘えるわ」
「なら俺も行くぞ」
「私もだ」
「3人共ありがとう。3人が着替え終わるまでにこっちも出撃の準備を進めておくわ!」
鈴さんはそう言って部屋から小走りで出て行きました。
【ああいう所も姉ソックリね】
「・・・ところでラウジー、お前は明班長の傍にいなくてもいいのか?」
そういえばラウジーさんは明さんの契約者でいつも一緒だったのに・・・。
「今日、エアヴィアが非番で偶然近くを通ってね。彼女にメイ達の昼食などの世話を頼んでおいた。対策班のメンバーは今頃エアヴィアの作ったデザートを堪能しているだろう」
ん? 黒須君、なんだか嬉しそうな表情に・・・?
「そうか。その方が幸せだもんな」
その方が幸せって・・・どういう事なのでしょうか?
【ラウジーに雑用押し付けられたのにその方が幸せって普段どんな仕打ち受けているのかしら?】
ラウジーさんは怖い事する人だけど理由も無く人を不幸にしたり苦しめたりする人では無いと思うのですが。
「ハル、私は着替える前に故国に連絡する。王女の私が連絡も無しに帰ってこないと国の者達が心配するからな」
「わかりました。わたしは先に着替えてきますね」
「現場でまた会おう」
異世界語、翻訳めんどくさかった・・・。
アレのせいで超時間かかった・・・。
なんにち目?
なんにちかかっt?
あれ、なん だかハラ減ってkた
消費期限のSUぎたハムくう
うまか です。
かゆい うま




