準魔法少女達の昼食
・AM11時15分:黒場ハル自室
【ハルちゃん、持っている服全部地味なのばっかりね】
そ、そうですか?
〈もっと可愛い服を買うべきなのです〉
で、でもただの外出ですし・・・。
【何言っているの? 普段だからこそ気を使わないと。スカートとか穿いた方がいいわよ】
わたしはいつ7宝具を使うか分からないのでスカートを穿くわけにはいきません。
【気にしすぎよ。それに黒須君に外で偶然出会った時こんな地味な服じゃ好感度に響くわよ?】
うぅ・・・。
‐ピンポーン‐
〈誰かが来たのです〉
誰でしょう?
「ハルちゃん」
〈お義母さんが誰かが来たかを教えに来てくれたのです〉
「黒須君と10才くらいの女の子が来たわよ」
「黒須君が?」
もしかして昨日の事を気にかけて来てくれたのでしょうか?
〈もう1人の女の子は?〉
10才くらいって事は・・・レナちゃん?
【レナちゃん?】
異世界の王女の女の子で、わたしと同じ7宝具を持っています。
【あら、そんな大物と知り合いだったの? だったら仲良くなりなさい。いっぱいお金が貰えるかも知れないわよ】
・・・エイリアちゃん、レナちゃんとは確かに仲良くなろうと思っていましたけど、お金目当てで仲良くなるつもりはありません。
単純にレナちゃんが悩み事でわたしを頼ってくれたから嬉しかったからです。
【わ、分かったわ。もう、そんなにムキにならなくても・・・】
エイリアちゃんは昨日も黒須君に良からぬ事をしたので釘を刺させてもらいます。
【厳しいわねぇ・・・】
〈さ、ドアを開けてレナちゃんを出迎えるのです〉
ドアを開けた先には・・・やっぱりレナちゃんと黒須君がいました。
「よう黒場」
【黒須君、少し険しい表情ね】
昨日あんな事があったんですからそうなりますよ・・・。
「おはようございます」
「また会えて嬉しいぞハル」
〈レナちゃんは嬉しそうな表情なのです〉
というかどうして2人一緒に?
「ハル、昨日マ・ペットに操られたと聞いたが大丈夫なのか?」
「はい。大丈夫です。操られていたのは眠っていた時だけでしたので」
「そ、そうか・・・。クロス=リュウからハルがマ・ペットに耐性があると聞いていたが、本当だったんだな」
「というかどうして黒須君と?」
「町を歩いていたら偶然会った。クロス=リュウも被害を受けたと聞いた」
【被害とはヒドイわねぇ。あたしはハルちゃんの利益になる事しただけなのに。黒須君もキスしようと近付いた時はそこそこドキドキしていたくせに・・・】
黒須君がドキドキして・・・た?
【ええ。一応あたしに止めさせようとしてたけど顔赤かったわ。ハルちゃんを『女』として意識していた証拠ね】
・・・黒須君が・・・わたしを意識・・・?
「? どうした黒場?」
「あ、いえ! それより昨日は黒須君に迷惑をかけてすみません・・・!」
意識と言っても今は普通に接しているので突然の事で驚いているだけでしょう。
【そんな事無いと思うんだけど・・・】
「別にお前は悪くないだろ? 全部マ・ペットの仕業なんだから」
「というか2人共、もしかしてわたしの事を心配して?」
「もちろんだ。ハルは戦場でもプライベートでも仲間だからな」
〈レナちゃん、よっぽど昨日の相談でハルちゃんにアドバイスしてもらった事が嬉しかったみたいなのです〉
「それに7宝具を使う3人が揃ったのだ。少し早いがこれから3人で食事に行かないか?」
「食事ですか?」
「ああ。まあ、本音を言うとこの世界の飲食店はレベルが高い店が多いから故国に戻る前に2人におススメの料理を教えて欲しいのだ」
「おススメですか?」
「ああ。昨日も言ったようにいずれファエストとこの世界は交流する事になるから王女の私が良い所を少しでも多くファエストの者達に伝えたいからな」
「おススメか・・・。俺は寿司なんかいいと思う」
「寿司か。生の魚をお米と一緒に食べるこの世界でも特に美味しい料理だな」
「もう食べた事あるのか?」
「厳密には刺身料理として米とは別に食べたのだが。魚を生で食べるなんて発想はファエストには無いし生の魚を醤油で味付けして食べるだけであんなに美味しいとは考えもつかなかったぞ。一緒に食べた侍女達もあまりの美味さに感激していたぞ」
「異世界の人間にも好評だったのか。そりゃ嬉しいな。黒場はなんかレナにおススメしたいのはあるか?」
「う~ん、ちゃんとした食事ですとお寿司以外に美味しいとなると・・・あ、中華料理はどうでしょう? エビチリとか炒飯みたいな気軽に食べれて美味しい料理も多いですしどうでしょうか?」
「中華料理か。確かに値段もそんなに高くないし、いいな」
「中華料理・・・この世界の中国という国の日本風料理と聞いたが」
「ああ。けっこう美味しいぞ。肉料理とか種類も多いしな」
【あら、あたしも中華料理食べたいわね。油淋鶏が食べたいわ】
〈アイちゃんは餃子が食べたいのです!〉
ええ⁉
「どうしたのだハル?」
「え、えっと・・・アイリスちゃんとエイリアちゃんが一緒に食べたいと・・・」
「何を言っている黒場。あのマ・ペット共を公共の場で晒すわけにはいかないだろ」
【出前でハルちゃんの家の中なら問題無いわ】
〈アイちゃんも食べたいのです!〉
「え、えっと・・・出前で頼んで家で食べるという提案が・・・」
「その必要は無い」
この声は・・・ラウジーさん⁉
「ラウジー、どうしてココに?」
「仕事が終わってこれから対策班全員でガイの家で食事という事になった。ガイの母もこれから出かけてしばらく居なくなる。このメンバーは僕が目を離すと酒などを飲み過ぎるから監視役として一緒に来た」
「皆さん全員20歳超えているんですよね?」
「年齢と精神年齢が一致するとは限らないという事だ」
ラウジーさんが言うとすごく説得力があります・・・。
「全く面倒くさい奴だ。たかが酒のむくらいで。まるで口うるさい学校の『女教師』だな」
佐助さん、ラウジーさんを女性扱いするのは危険なのでは・・・。
「カエデ、サスケがそこに落ちている虫の死骸を食べたいそうだ」
「ああこの蛆がいっぱい付着している土稲子だな」
「ま、待てやめぶおごごご・・・ッ」
やっぱり危険でした。
【恐ろしいわね】
「さ、早くラウジーの作る料理を食べましょう」
「え? ラウジーさんが作るんですか?」
「ああ。ここのメンバーは栄養バランスを考えないで食べようとするからね」
「ラウジーさん、13才のわたしと外見が同い年なのに最年長みたいですね・・・」
「そう思われても僕は別に構わないけどね」
「何を言っているんだ。見た目はハルちゃんと同じなんだから」
凱さん?
「将来はきっといいお嫁さんになれるよ」
【ハルちゃんの義兄、さっきの制裁現場見てなかったのかしら?】
多分、見ていたけど気にせず言っているんだと思います。
「ケンジロウ、ガイが君の自宅で使用している便座カバーの匂いを嗅ぎたいそうだ」
「了解だ」
「や、止めるんだ‼ というかなんで持tぼごごごぼ・・・ッ」
【地味に恐ろしい事するわね】
ラウジーさんは普段からこんな感じです。
「ごご・・・」
〈失神したのです〉
【死体が玄関に2つも転がっている事になるけどいいのかしら?】
・・・聞いてみます。
「あ、あのラウジーさん、義兄達は・・・」
「大丈夫だ。君が帰宅する前にちゃんとゴミは始末しておく」
ど、同僚をゴミ扱い・・・。
「俺らが片付けておくから安心しな」
「3人共気にせず出かけて大丈夫ですよ」
〈知らない男の人が2人いるのです!〉
1人は身長が2mくらいでやや痩せ気味の人です。
〈ニヒルな感じなのです〉
【隣には身長が160cmくらいの中肉中背の男もいるわ】
〈こっちは顔がゴツイけど優しそうな感じなのです〉
2人とも他の対策班の人達と同様、20代半ばくらいの年齢です。
「紹介するわ」
直美さんが紹介するって事はこの2人は対策班の人なのでしょう。
「2人とも対策班のメンバーで背の高い方が偵察や情報収集が担当の暗合ルイ、隣にいるのが対策班のカーゴトレーラーを運転する鴨相 豪よ」
「は、初めまして」
「さっき言った通り俺らが処理しておくからエースの3人は貴重な休暇を堪能しな」
「え、エース?」
「知らないのか? もう異世界兵器事件の関係者ではアンタ等はもう切り札的存在なんだぜ」
「い、いつの間に・・・」
7宝具が強力だからとはいえ、もうわたしは期待されすぎて後戻りできないんですね・・・。
「ま、貴重な休日を堪能しな」
「は、はい」
〈さっそくレストランにGOなのです〉
「マ・ペットのエイリアとアイリスは僕達と食事だ」
「え? どうしてですか?」
「昨晩からちゃんと『いい子』にしていたかもチェックしたいからね」
〈あ、アイちゃん何もしていないのです~!〉
【あたしも帰宅後何もしていないわ】
「それに外食先でマ・ペット入店が出来る店はこの付近にはないからね」
確かにマ・ペット自体、秘密の存在ですから・・・。
「ハルもマ・ペットを気にせず食事に行きたいだろうし、今後共に戦うレナ達とのコミュニケーションも大事だからね」
「決まりだな。俺もあのマ・ペット共と出来るだけ関わりたくないからな」
そういえば黒須君は2回も被害に遭ってますからね・・・。
「そうと決まれば私達は中華料理店に直行だな」
レナちゃん、まるでこれから行く遠足を楽しみにしている小学生みたい・・・王女でもやっぱり年相応な所があるんですね。
「さ、対策班とマ・ペット達はハルの自宅で食事だ。中華料理にするからハルと一緒でなくても問題ないだろう。ただ、問題行動が発覚したらこれから食べる中華料理の一部になってもらうけどね」
〈ひ、ヒィ~! い、嫌なのです~!〉
【ラウジーが言うと冗談には聞こえないわね・・・】
あの、お2人共、本当にわたしの身体で何もしていないんですよね?
・PM12時05分:駅前中華レストラン入口
「う~ん、中華料理も凄く美味しい食べ物だな・・・」
「よかった。レナちゃんの口に合ったみたいで」
「ああ。私が食べたあの春巻、外はパリパリで中は柔らかく触感も良いし肉と野菜のバランスも良いし何より中身の味付けも抜群だった。それに3人で一緒に食べた焼売も美味しかった。1つの皿であのような食べ方も驚いた」
「レナちゃんの故国ではみんなで1つの皿の料理を食べるという風習はないんですか?」
「ああ。あのように皆で1つの皿の料理を分けて食べるというのは初めてだ」
「それはレナが王女だからか?」
「いや、地位に関係なくそう言った食文化は無い。・・・楽しいものだな、あのような食べ方も」
「楽しんでもらえて良かったです」
「侍女達は急用ができて先に帰らせたが今度は侍女たちにも食べさせてやりたいな」
「そうか。この後はどうするんだ? レナも今日故国に帰るって聞いたが?」
「ああ。少ししたら帰国するつもりだ。またここでのテロリストと戦う為にまた戻ってくるが王女として定期的に帰る必要があるからな」
「お兄さんも心配しているでしょうし」
「ああ。兄上を困らせる事はできないからな」
「大変ですね」
「だがこの世界にはハル達がいるから兄上もハル達を見たら安心してくれるだろう。今度はハル達も故国に観光に来てくれ。歓迎するぞ」
「ありがとうございます」
「まあ、その『暇』があればだがな」
「まったく、リュウは雰囲気を壊す・・・ん?」
「どうしたレナ?」
「シッ」
レナちゃん、右手の人差し指を口元に・・・一体何が?
「ドシキヒパンゼオネアサエソ」
レナちゃんが指さした先には道路のバス停でどこかの国の言葉で喋っている男性が2人います。
2人共30歳前後くらいの年齢でスペイン人っぽい顔立ちです。
「キコ、サホキキネッペチャヲゾファエストべソソ?」
・・・何語か分かりませんが今会話にファエスト・・・レナちゃんの故国の名前が・・・?
「タキハアサワロエバテクボ」
2人が会話をしているとバスが来て2人はそのバスに乗りました。
「ハル、リュウ、あの二人を追うぞ。奴らファエストのテロリストだ」
「ええ⁉」
数少ない見て下さっている方達はもうお分かりかと思いますが今年最後の更新です。
来年も1か月に1回の更新になると思いますが見続けて下さったら嬉しいです。
・・・というか最後の更新がクリスマスか・・・。
メぇぇぇ~~~リぃぃぃぃクリっスマぁぁぁーーースぅひゃーーーはっはっはっはっはぁーーーーっ
ラウジー「カエデ、この無能かつ他作品の台詞を真似する馬鹿な投稿者が消費期限が過ぎたタバスコを一気飲みしたいそうだ」
ラウジー、お前こそ鬼じゃねえか・・・




