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準魔法少女  作者: ザキ・S・レッドフィールド
第1章・準魔法少女の始まり
20/54

準魔法少女の新しい日課

・PM16時23分:埼玉県 警察訓練所

 ハァ・・・ハァ・・・。

<ハルちゃん、大丈夫なのですか?>

 は、はい・・・。

<とても辛そうなのです・・・>

 もう学校の校庭の倍近くあるグランドを20週くらい走っている気がします・・・。

 ラウジーさんに言われた通り、あの任務から一週間後の今日、警察の訓練所で訓練に参加しました。

 まずは基礎とグランドを走るように言われました。

 基礎体力を身に付けようという事なのでしょう。


「ハァ・・・ハァ・・・」

「ハルちゃん、もういいわ」


 そう言ってストップウォッチのボタンを押すシェリーさん。

<やっと休めるのです>


「うん、ハルちゃんは今まで運動部と無縁だった割にはスタミナとスピードはあるわね」


<さっそく褒められたのです!>

 いえ、そうでもないと思います。

 『運動部と無縁だった割に』と言っていたって事は運動部に入っている人に比べたら遅いという意味でもあると思います。


「でもそれで満足しちゃダメよ。戦場はもっと疲れる場所なんだから」


<あんなに頑張ったのにまだ足りないのですか⁉> 

 それくらい戦場はキツイという事なんでしょう・・・。


「ハァ、ハァ・・・黒須君も同じ特訓を?」

「最初はね。でも黒須君は小学校の頃バスケット部だったのもあって身体能力は元々高かったからすぐに実践訓練に移ったわ。今はナイフとかの近接戦闘の基礎を受けているわ」

「ハァ・・・じゃあわたしもいずれその訓練を・・・?」

「ええ。でもそれに移るにはまず基礎体力をキッチリ付けないとね」

「・・・はい」


 どうやらわたしの訓練は、しばらくは基礎体力を身につける事みたいです。

 すぐに黒須君に追いつきたいけど基礎ができていないと同じ訓練をしても追いつけない。

 まずは基礎をしっかり身に付けないと。

<大丈夫なのです! もしハルちゃんが動けなくてもアイちゃんがかわいい服着て代わりに戦えば問題ないのです!>

 アイリスちゃん、今度またわたしの体であの恥ずかしい服を着たらまた一晩ラウジーさんのいる部屋で寝泊まりしてもらいますからね?

<ひ、ヒィ~ッ!!! ソレは絶対に嫌なのです~~~!!!>


「とりあえず休憩しましょう」


 休憩、頑張るとは言ったものかなり苦しいし喉がカラカラでかなり辛かったのでありがたいです。


「ハルちゃん、頑張ってる?」


 この声は長野さん⁉


「はいコレ」


 長野さんは何かを放り投げたのでわたしはそれをキャッチ。

<キャッチしたのは500㎖のスポーツドリンクなのです>

 まだ冷たいのを考えると自動販売機で買ったばかりなのでしょう。


「長野さん、どうして此処に?」

「ハルちゃんがここで特訓してるって聞いてね」

「それだけのために⁉ ありがとうございます!」


 長野さんはご両親が亡くなった後、叔父夫婦の家に住むことになりました。

 元々叔父夫婦の方達とは仲が良かったらしく、すぐに打ち解けたそうです。

 お葬式では大泣きしていましたし、時々授業中でも泣きそうになっている事もあったので心配していましたが、長野さんの笑顔を見れて一安心です。


「ハルちゃん、特訓は大丈夫?」

「はい。大変ですけどなんとか頑張れています」

「そうか。ハルちゃんも頑張ってるんだね」


 その言葉には『自分も頑張っているからハルちゃんも頑張ってね』という意味が含まれているんだと思います。

 長野さんもご両親が亡くなって大変なのにわたしの事を気遣ってくれるのはとても嬉しいです。

 長野さんの応援に答える為にも特訓を頑張らなくてはいけません。


‐PIPIPI‐


<電話の音なのです>

 音の元はシェリーさんのようです。


「私よ。・・・ええ。分かったわ」


 シェリーさんが急に険しい表情でわたしを見つめて・・・。

<なんか怖いのです>


「ハルちゃん、今日の訓練は中止。疲れている所悪いけど今すぐ戦場に行ってもらうわ」

「事件が起きたのですね」

「厳密には『起きそう』よ。諜報班の情報によると異世界兵器を使ったテロを起こそうとしている連中が確認されたそうよ」

「分かりました。着替えたらすぐに向かいます!」


<特訓で疲れているのに行くんですか⁉>

 当然です。

 敵は待ってくれませんし誰かが死んでからでは遅いですし。


「ハルちゃん大丈夫?」


 長野さん、心配そうにわたしの顏を・・・わたしの事を本気で気遣ってくれているんですね。

 そう思うと嬉しい気持ちになります。


「大丈夫です! 長野さんや皆さんが辛い想いをしなくて済むように最善を尽くします!」

「・・・そう。ハルちゃんって強いんだね」


 長野ちゃんが小瓶をポケットから取り出したのです。


「ハイ。コレ栄養ドリンク。さっきのスポーツドリンクと一緒に買ったの」

「すごく助かります!」


 その気持ちだけですごく元気が出てきます。

 さっそく貰って飲みましょう。

<ハルちゃん、飲む速さが凄い勢いなのです!>


「ゴクゴク・・・ふう・・・」


 栄養ドリンクだけに少し疲れが取れた気がします。

 さっそく行かなきゃ。


「長野さん、行ってきます」

「頑張ってね、ハルちゃん!」

「はい!」


 長野さん・・・いえ、人間は落ち込んでいる顔より今の長野さんみたいな笑顔の方が魅力的だと思います。

 その笑顔に満ちた世の中にするために、わたしも頑張らなくちゃ!

第1章はここで終わりです。

ご覧になって下さった方々、本当にありがとうございます。


第2章は少し時間がかかりそうです。


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