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準魔法少女  作者: ザキ・S・レッドフィールド
第1章・準魔法少女の始まり
14/54

準魔法少女、テロ現場にて

・AM11時30分:千葉県千葉市 駅前

<あっという間に土曜日なのです>

 アイリスちゃん、食事中は絶対に大人しくしていて下さいね。

<出かける前にケーキ10個食べてお腹いっぱいなので大丈夫なのです! それより帰りにチョコレート味のドーナツの約束も忘れないでほしいのです!>

 わ、分かっています・・・。

 アイリスちゃんが長野さんの前に姿を現さない為とはいえ、わたしのお財布が心配になりました・・・。


「あ、ハルちゃんお待たせー!」


<あ、長野ちゃんなのです!>

 黄色いロングスカートに青色のマフラーに紺色のロングカーディガン、背が高いのもあってモデルみたいに似合っています。

<ハンドバッグも少し値段が高そうに見えるのです>


「こんにちは長野さん」

「待った?」

「いえ、全然」

「そう、よかった。着替えとかに時間かかっちゃって」

「ご両親は一緒では無いのですか?」

「うん。行く前に親戚の家に寄る予定があるから現地集合なの。・・・それより・・・」


 急に深刻な表情に・・・何か問題が?


「あたし、ハルちゃんのお姉ちゃんに見えるかなあ・・・。よく考えたらあたし外国人には見えないし、ハルちゃんがあたしの妹って言って信じてもらえるかなあ・・・」

「そっちですか?」


 もしかしてご両親に無許可とかそういう心配かと思いました。


「最悪、ハルちゃんは我が家の養子って事にすれば大丈夫だろうけど・・・」

「た、多分お店の人もそこまで気にしないと思いますが・・・」

「う~ん、そうだね。堂々としていれば案外バレないモンだしね」


 知らない人がわたし達の会話を聞いたら、まるでこれから悪い事をしようとしている会話に聞こえますね・・・。


「じゃあ行こうか!」

「はい」


 ♪~♪~♪~

<スマホの音なのです>

 わたしのじゃないので多分長野さんのだと思います。


「あたしの母さんからのメールだ」


 そういってスマートフォンを見る長野さん。


「え⁉ もう店に着いてるって⁉」

「何か問題が?」

「いや、店に行く前にハルちゃんと駅前の化粧品専門店一緒に行きたかったのに・・・」

「それで30分も前に待ち合わせにしようって言ったんですね」

「まあ、それはまた今度行けばいいか」

「そうですね」


 むしろ今度休日に一緒に会う理由もできて楽しみが増えた気分です。


「ああ、高級料理楽しみ・・・」


 長野さん、ヨダレが出てます・・・。

 ~♪♪♪~

 この着信音はわたしのスマートフォンからです。

 相手は・・・シェリーさんからです。


「もしもし?」

『ハルちゃん! 今どこに⁉』


 なんだかすごく焦っているように聞こえます。

 かなり急ぎの用事なのでしょうか?


「今、千葉県の千葉市駅前です。これから『ササハラ』というレストランにクラスメイトの友達と一緒に行くところです」

『そこに行っちゃダメ‼』

「え? それはどういう・・・」


‐ゴゴンゴゴン‐

<な、何ですか今の音は⁉>

 爆発音のように聞こえましたが・・・。


「何今の⁉ これから行くレストランの方から聞こえたけど・・・」


 長野さんの言う通り、行く予定だったレストランのある辺りから煙が上っています・・・。


「まさか父さんと母さんが⁉ 行ってみよう!」

「はい!」

『ちょっと、ハルちゃん⁉ どうしたの⁉』


 シェリーさんの指示を無視してしまうけどやはり長野さんのご両親が心配なので無視させていただきます!



・AM11時35分:イタリア料理店『ササハラ』前

<お店が跡形もなく崩れ去っているのです・・・>

 いったい何が・・・。

「一般人の方は近づかないで下さい!」


 既に警察の人や救急隊の人達が救助作業に入っています。

<何人かタンカーで運ばれているのです・・・>

 運ばれている人達は顔や両手両足から大量の血が・・・爆発に巻き込まれて重症を負ったのでしょう・・・。


「父さん! 母さん!」


 長野さんが強引に救助隊の中に割り込もうとしています。


「ちょっと君、ここは関係者以外立ち入り禁止だ!」

「あたしの両親がいるんです!」


 長野さんは警備の人の返事も待たずに中へ・・・。

 運ばれている人の顔を1人1人確認しているのです。


「と、父さん⁉ い、嫌っ‼」


<長野ちゃんは『ソレ』を見て尻もちをついたのです>

 無理も無いですよ・・・。

 お父さん『だった』人の顔の半分はミイラみたに焼け跡が酷いですし腰から下の身体はなくなっています・・・。


「か、母さん・・・?」


 長野さんの声に『ソレ』は答える事は出来ないでしょう。

 何故なら首と胴体が分離しているのだから・・・。


「ねえっ、起きてよッ! ねえッ⁉」


 永遠に動く事の無い胴体を揺する長野さん、完全に冷静さを失って発狂寸前・・・気持ちは分かるけどひとまず落ち着いてもらわないと。


「君、落ち着いて!」

「放して‼‼」


 わたしより先に警官の方達が背後から長野さんを取り押さえてご両親『だった』ものから離れさせ、どこかに連れて行こうとしています。

<どこに連れていかれるのですか⁉>

 恐らく治療所に連れて行って混乱している長野さんを落ち着かせるつもりなのだと思います。


「あ、あの・・・!」

「君は?」

「わたしはこの人の友人です。あの長野さんは・・・」

「ああ、ご両親が死亡して発狂しているのは分かる。まずは落ち着かせないと。大丈夫だ、手荒な真似はしないよ」

「ではわたしはどうすれば・・・?」

「君の家族や友人がここにいないのなら帰宅しなさい。ここは危険だし君の友人は落ち着いたら家に送り届ける」

「・・・分かり・・・ました・・・」


<このまま帰っちゃうんですか?>

 わたしに出来る事は無いですよ・・・。

 長野さんでなくても目の前でご両親の遺体を見たらショックですし・・・。


「ハルちゃん⁉」

「シェリーさん?」


 どうしてシェリーさんが此処に?

<そういえばここの無料券くれたのはこの人なのです! きっと黒幕はこの人なのです!>

 わたしを殺す気ならわたしがレストランに入ったのを狙う筈なのでそれは無いと思います。

 そもそも事前に電話で行かないように指示なんてしないでしょうし。


「よかった、無事なのね」


 わたしを見て安心している様子です。


「はい。でもどうして此処に?」

「ええ。この事件は異世界兵器を使っての犯行みたいなの。ごめんなさい、私が渡したチケットのせいで危うくハルちゃんまで巻き込まれるところだったわね」

「い、いえ。わたしはシェリーさんが悪いと思っていませんから。それより異世界兵器の犯行って事は・・・」

「ええ。テロリストがこの近くで目撃されたとの情報があったから私が調査に向かっていたの」

「・・・それじゃあ、ここでテロが起きる可能性があるのに防げなかったんですか・・・?」

「その事は・・・そうね、近場の警察署に行けば詳しく分かるわ」

 


・PM13時10分:千葉警察署内廊下

 警備課と書いてある部屋の前の椅子に座らされたのです。

 隣に座っているシェリーさんはここで待っていればテロを防げなかった理由が分かるって言っていましたけど・・・。

<あ、偉そうな感じの男の人が来たのです>

 年は50代後半くらいで、胸元に勲章らしい物が多く付いているのを見るとかなりの実績を重ねたベテランの方でしょう。

<でもぷんぷん顔をして警備課の部屋に入っていったのです>

 椅子に座っているわたしに目もくれず、ノックもしないで部屋に入っていきましたしドアの閉め方もバタンと大きな音を立てたのを見ると相当イライラしているみたいです。


「先程の事件はもう知っているね」


 部屋の奥から聞こえるこの声はラウジーさん?


「君が証拠も無しに尾行するのは冤罪だった場合世間体に悪いと言って容疑者を野放しにしただけでなくテロリストを刺激する発言をした結果、死人だけで11人、怪我人を含めたら計25人の犠牲者が出た」

「ぬッ・・・くゥ・・・ッ」


 部屋の外からでも先程部屋に入っていった人の歯噛みする音が聞こえるから相当憤慨しているのだと思います・・・。


「これがラウジーのよくやる手段なのよ」

「シェリーさん、どういう意味ですか?」

「今入って来たのはここの警察署の警備課課長なのよ」

「ラウジーさんはその警備課課長さんが悪いみたいな言い方をしていましたが・・・」

「ええ。2週間前にあるテロリストから『要求を飲まなければテロを起こす』という脅迫状が届いたのよ。ラウジーはすぐにそのテロリストの容疑者を見つけたのよ。捕らえる事も出来たのだけど、課長は冤罪で訴えられる事を恐れて証拠が無いのを理由に容疑者のマークをするのを反対していたのよ」

「それじゃあ、未然に今日のテロを防げたって事ですか⁉」

「ええ。でも容疑者を尾行するのを提案したラウジーは半年程前にナオミ=メイさんの用心棒としてここに来たばかりなのよ。けど財力や知識、それに数多くの事件を解決していて既に警察署長ですら頭が上がらない存在になっているのよ」

「そんなにラウジーさんすごかったんだ・・・」

「すごいどころかこのロックギア、つまりこの世界の世界各国の首脳にも意見出来る程よ。逆にラウジーに反論できるのはアメリカの大統領を含めて片指で足りるわね」

「あ、アメリカの大統領って・・・」


 もう規模が大きすぎて逆に凄さが分かりづらいくらいです・・・。


「でも見た目がハルちゃんと同じ中学生だからデカい顔されて面白くないから上層部で反発する者も少なくないのよ。これ以上手柄を立てられるのも不愉快ってのもあるわね」

「まさか、そんな理由で危険人物を野放しにしていたって事ですか⁉」


 そんな意地のために長野さんのご両親や多くの人が犠牲になるなんて・・・。


「もちろんテロを起こさせるつもりはないからわたしの部下が監視をしていたわ。でも今日、ハルちゃんが行く予定のレストランにその容疑者が不自然に大きなバッグ持って入店していったの。そして退店後にその不自然なバッグは持っていなかった・・・もう分かるわよね?」

「そのバッグに今日の爆破テロに使われた爆薬が入っていたって事ですね」

「その通りよ。テロリスト達の犯行予告は明後日だったんだけど、今日実行したのよ。どうやらここの警備課課長が電話でテロリスト達に要求を飲まないと強気な態度を取ったのが原因でそれに苛立ったテロリストが見せしめとして今日実行した・・・というのが事の真相よ」

「ま、待って下さい! 証拠が無かったとはいえ怪しい人を放置していたのにそんな危険な事をしたのですか⁉」

「ええ。そしてラウジーの意見を無視したのも原因で今日多くの犠牲者が出た、もう課長はラウジーに逆らえないわ。もし逆らっても今回の失態を理由に無視もできるわ」

「・・・」

「言いたいことは分かるわ。『それでも無理矢理ラウジーが捜査していたら今回のテロは防げたんじゃないか』って言いたいんでしょ?」

「・・・はい」

「確かに無理やり捜査をしていれば今回のテロは防げたかも知れないわ。でもそうしたら課長はますます反抗的になって協力が必要な時に非協力的になると思うの。ラウジーの指揮能力は高いから今後の活躍を考えると反発する人間は圧力で抑えた方がいいの。他の上層部への見せしめにもなるし。そもそもこのテロリストを疑ったのに野放しにされたのは町で偶然見かけて怪しいから調査した方が良いと思ったからなの」

「街で見かけた?」

「ええ。ラウジーはよほどのプロでない限り相手が犯罪者かどうか見抜けるのよ」

「ど、どうやってですか?」

「例えば嗅覚、犬以上の嗅覚で相手が拳銃を持っているかも分かるし相手が昨日の晩御飯が何だったか分かるほどよ」

「昨日の晩御飯までって・・・じゃあ麻薬とかも・・・?」

「ええ。それに目に入る人間の視線とかで何を見て気にしているかも分かる程よ。今日のテロリストも目撃した日に持ち物の他に視線などの挙動で見抜いたの。でもさっき言った通り警備課課長がラウジーの事が気に入らないのもあって尾行及び確保に反対したのよ」

「・・・ラウジーさんが悪くないのは分かりました。でも亡くなられた方を救う方法は無かったんですか?」

「そうね。さっきも言った通りテロを起こさせるつもりは無いから容疑者はマークしていたわ。テロ実行前に逮捕出来れば良し。テロを起こされても責任は警備課課長だから。それにそのまま警備課課長が従わない状況なら今後も少なからずラウジーに反発してその結果多くの被害者が出る可能性があるわ。将来的な被害を考えると少なくともラウジーのやり方は間違っていないと思うわ。それでも誰かが悪いと思うなら私的な理由で反対した警備課課長を恨んでと言うしかないわね」

「いえ、何もできないわたしには誰が悪いと言う権利は無いですから・・」


 もしわたしがシェリーさんやラウジーさんが悪いと言ったら『なら貴方だったら何ができたの?』と言われてしまうでしょう・・・。


「そう。分かってくれて助かるわ」

「でもそんな意地でテロリストを野放しにする人が仮に釘を刺されても独断専行を行う可能性もあるのでは?」


 それこそ開き直ってラウジーさんの意見を無視したり、手柄立ててラウジーさんを失脚させようとさらに意地になる人もいるのでは?


「たまにそういう馬鹿もいるけど、そういうのは問題起こす前に事故死するか病死するからその心配はないわね」

「じ、事故死? つまり指示に従わない人はラウジーさんの配下の人に暗殺されるって事ですか?」

「あら、私は『事故』か『病死』と言ったのよ? それのどこが暗殺なのかしら?」

「・・・そうですね。証拠も無いのに誰かを殺人者扱いは良くないですよね・・・」


 この前初めて警察署に行った時にわたしをラウジーさんと勘違いした警官の人がすごく怯えていたのはそういうのもあったんですね・・・。

<ラウジーちゃんはまさに恐怖の帝王なのです>


「それで、今日のテロを起こした人は・・・?」

「それは今クロス君が追っているわ。敵のアジトも突き止めたし」

「黒須君、また戦場に行くんですか・・・?」


 この間もテロリストの人を殺してしまって辛そうだったのにまた・・・。


「あの、わたしに何か出来る事は無いですか⁉」


 もう辛そうな黒須君は見たくないです・・・!


「・・・」


<あ、長野ちゃんが廊下を歩いているのです!>


「どうして長野さんがここに?」

「彼女のご両親の遺体が検死室にあるから確認のために呼ばれたのよ」


 長野さん、目が死人のようです・・・。

<少し痩せたようにも見えるのです>


「な、長野さん・・・?」

「・・・」


 返事が無いです・・・。

<振り向いてもくれないのです・・・>

 無理も無いですよ。ご両親の変死体を見てしまったのですから・・・。


「あ、あの長野さん」


 少しでも励まさないと・・・!


「気持ちは分かります。もしわたしでよければ相談に・・・」

「気持ちが・・・分かる・・・⁉」


<な、長野ちゃんが急にこっちを向いて鬼のような形相になったのです!>


「お前の両親死んだことあんのかよ‼‼‼」

「な、長野さん⁉」


<ひィ! 急にハルちゃんの首を絞めてきたのです!>


「他人事だと思いやがってッ‼」

「な・・・ッ長野さ・・・ん・・・ッ」


 い、息が苦しい・・・くく・・・ッ。


「ちょ、ちょっとやめなさい!」

「ケホッケホッ・・・ッ」


 うぅ・・・シェリーさんが長野さんを引き離してくれたおかげでちゃんと呼吸ができるようになりました・・・。

<でも長野ちゃんはまだキレているのです>


「うるさい‼ 離せ‼」


<今にもハルちゃんを殺しそうな勢いと形相なのです>


「ハルちゃん、彼女は私が説得させるからここで待っていて!」


 そう言うとシェリーさんは小さい子供が駄々をこねるかのように喚く長野さんをどこかに連れて行きました。

<長野ちゃんどうなっちゃうんですか?>

 さすがに処罰とかそういうのは無いと思うのでどこかの部屋でシェリーさんが落ち着かせてくれているんだと思います。

<でも酷いのです。ハルちゃんが気を利かせて声をかけてあげたのに>

 いえ、無神経なわたしのせいです・・・。

 一番辛いのは長野さんなのにそれに気が付かなくて・・・。


「わたしに・・・出来る事・・・あるのかなあ・・・」

「今、君にできる事は無いよ」


<この声はラウジーちゃんなのです!>


「ラウジーさん?」


 いつの間にかに部屋から?


「今、君は7宝具を持っていない。何か特殊な訓練をしたわけでもない。戦場に行っても足手まといになるだけだよ」

「でも黒須君は人を殺すかも知れない事をすごく辛そうで・・・」

「それでもクロス=リュウは覚悟の上で向かっていったよ。そういう強さを持った人間だよ。それが7宝具の使用者に選ばれた理由の1つだよ。過酷な現実にも耐えられる良き人間だ」


 ラウジーさん、また弟の自慢をしているような表情です。

<アイちゃんには表情は変わっていないように見えるのです>

 そうですか?

 それに口調も黒須君の事を説明する時にやや穏やかでした。


「でもわたしの治癒能力なら万が一相手を負傷させてしまっても手当てして命だけは助ける事も・・・」

「もう遅いよ。先程クロス=リュウから連絡があった。現場で十一人射殺したと」

「11人・・・射殺? そんな・・・どうして・・・」

「報告によると追い詰められたテロリスト達が自暴自棄になって現場の人質10名を殺そうとしてそれを防ぐためにクロス=リュウが発砲、二十人の内十一人のテロリストが死亡したとの事だ」


 黒須君はこの前に十二人目を出してしまったと言っていたから今回で二十三人目・・・。

 ・・・また、わたし何もできなかった・・・。

 何もできなかった自分の無力さが辛い・・・でも、黒須君はもっと辛い筈です。

 わたしの前では気を使って平気だと言ってくれるでしょうけど、それだけの人数を殺めてしまったのならとても辛いと思います・・・。


「ハル、クロス=リュウが今辛い思いをしていると思っているみたいだね」

「はい・・・」


<ラウジーちゃんはまるでハルちゃんの心が読めるみたいに正確に当てるのです>


「確かに口では平気と言うが内心はかなり辛いだろう。それでもクロス=リュウは戦場に向かうし僕がそうさせている」

「そうさせている?」

「ああ。彼に自信をつけさせるためさ」

「自信?」

「クロス=リュウは自分の事を弱者だと思い込んでいる」

「自分を弱者? どうしてですか?」


 そういえばこの前のバスケットの試合後に先生の理不尽な仕打ちに対して『忍耐力くらいしか俺の取り柄がない』と言っていましたが・・・。


「ハル、クロス=リュウの過去を見せてあげるよ。付いてきて」

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