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準魔法少女  作者: ザキ・S・レッドフィールド
第1章・準魔法少女の始まり
11/54

準魔法少女、勝手に戦場へ・1

・PM7時00分:黒場家玄関前

<家に付いたのです>


「わざわざ送っていただきありがとうございます」


 まずはお礼を言って頭を下げないと。


「あ、そうだ、7宝具を返さないと」


 黒須君は護身用に持っていてもいいって言ってくれましたけど、使わないならやっぱり返さないと。


「いや、返さなくてもいい」

「え?」


 ラウジーさんからの思わぬ発言です。

 黒須君はラウジーさんが護身用に持っているのは反対するって言っていたから、わたしが返すと言ったら受け取ると思っていたのに。


「ラウジー、いいのか⁉」


 黒須君もラウジーさんの反応に驚いている様子です。

<ラウジーちゃんはそんなにそういうのに厳しいのでしょうか?>


「クロバ=ハルの安全性は君も知っての通りだ。問題ない」

「あ、ああ。そうだけど・・・」


 多分、普段のラウジーさんは一般人が関わるのを嫌う性格だからか、あまりにアッサリとラウジーさんが許可をだしたので逆に違和感を感じているのでしょう。


「ところでハル」

「は、はいなんでしょう?」

「今夜11時に暴走族の一斉確保を行う。もし警察に協力する気があるなら10時半に警察署に来るといい」

「いや、そもそもわたしが持っていてもいいんですか?」

「ああ。君は悪用しないからね。適合者が見つかるまでは持っていてもいいよ」

「・・・でも、わたし、他人を殺さなきゃいけないのは無理です・・・」

「強制はしない。さっき言った暴走族の確保もこちら側も君が来ないのを前提に事を進める」


<ラウジーちゃんはハルちゃんの返事も待たずにトレーラーの中に入って行っちゃったのです>


「・・・黒場、ラウジーの言う通り行きたくないなら行かなくていい。ただの暴走族の討伐だから相手を殺す任務ではないだろうけど7宝具を使う以上、相手を殺してしまう可能性は十分にある。お前は汚れなくていい・・・よく考えてくれ」


<そう言って黒須君も中に入っていったのです>

 黒須君の言い方は『来ない方がいい』と言っているようにも聞こえます。

 きっと初めて敵を殺してしまった時にとても辛い思いをしたんでしょう・・・。

 それなのに今日だって相手を殺してしまうかも知れない出来事があって精神的に疲れているはずなのにわたしの事を気遣ってくれている・・・黒須君、やっぱり心の清い人だと思います。

<ハルちゃんはどうするのですか?>

 どうするって・・・やっぱり参加はできません。

 もし相手を殺さなければいけない状況になったらわたしは何もできずにうろたえる事しかできないと思います。

 わたしは戦場に足を踏み入れたら役立たずだと思います。

<そんな事は無いのです! 今日だって不良達をやっつけたのです!>

 でもそれは相手を殺さなくてもいいという条件付きだったからです。

 無理なんです・・・わたしには・・・・・・無理です・・・。



・PM10時20分:黒場ハルの自室

 一応直実さんの携帯電話に深夜の出撃には参加しないとメールを送ったのでもう寝る事にします。

<もう寝る準備をするのですか? ちょっと早いのです>

 今日は色々あってすぐに寝付けないからその分早く寝ようと思います。

 そうだ、ラウジーさんからもらった睡眠薬を飲んでみます。

 部屋にミネラルウォーターがあるからそれと一緒に飲みましょう。

 ・・・ゴクリ。

<その睡眠薬は美味しいですか?>

 噛まないので味は分からないですよ。

 ・・・アレ?

<どうしたんですかハルちゃん?>

 なんだか急に眠く・・・なってき・・・ました・・・。

<もう薬が効いたんですか?>

 多分・・・そう・・・。

 でも・・・眠るなら・・・ベッドで寝な・・・くちゃ・・・。

<ささ、ベッドに入るのです>

 ・・・はい。

<なんとかベッドに入れたのです>

 おやす・・・みな・・・さ・・・い・・・

<ハルちゃん、もう寝たのですか?>

 んん・・・。

<ハルちゃん?>

 ・・・・・・。

<完全に寝たのです。・・・ハルちゃん、アイちゃんは分かっているのです。本当はハルちゃんも魔法少女として戦いたい事を!>


<ならやる事は1つ、アイちゃんが代わりに出撃するのです! ハルちゃんは、本当は戦いたいけど今一歩踏み出せない・・・ならその一歩をアイちゃんが代わりに踏み出すのです! ハルちゃんが寝ている間にアイちゃんが戦うのです! アイちゃん頭いいのです!>


<まずはエマちゃんが着ていた魔法少女服に着替えるのです! うんしょ、うんしょ・・・よし、完璧! ハルちゃんとエマちゃんはほとんど体格が同じだからピッタリ・・・と思ったら胸元とウエストがゆるゆるなのです>


<ハルちゃんの方がエマちゃんより魔法少女体形だったとは驚きなのです。まあでも許容範囲のゆるさなのです。あとは7宝具を装備すれば完璧なのです。>

 

<早速装着! う~ん、力がみなぎる感じがするのです。確か黒須君達は10時半に警察署に集まっているハズなのです。早速警察署にGOなのです!>



・PM10時30分:警察署前

<警察署前に黒須君がいるだけで他に誰も集まっていないのです。本当はみんなが集まった時に可愛く登場したかったのですけどただ待っているのは暇なので黒須君だけに魔法少女姿を先行披露なのです!>


「マジカル☆ハルちゃん、見・参!」


<くるッと回ってキメポーズ・・・決まったのです!>


「く、黒・・・場?」


<ふふふ、黒須君はあまりにも今のハルちゃんの可愛さとカッコよさに茫然としているのです>


「お、お前・・・黒場か? そ・・・その恰好はなんだ?」

「これは魔法少女の正装なのです! マジカルなのですメディカルなのです!」

「まじ・・・かる? ・・・本気(マジ)?」

「・・・なんですか? そのイタイ子を見るような目は?」

「いや、黒場お前、その恰好・・・かなりイタイぞ」

「ハルちゃんキーック!」

「うわ、危ねえ!」


<あ、ドロップキックがかわされてしまったのです。おかげでキックが警察署の壁に当たって大きな穴が空いてしまったのです>


「テメエ、何しやがる!」

「もちろんお仕置きなのです! 魔法少女をイタイ子と言う者は重罪なのです!」

「・・・黒場、お前は今、7宝具を装備している。逆に俺は7宝具を装備していない。もし俺が避けるのを失敗していたらこの粉々になった壁みたいになって俺は死んでいたんだぞ? 分かっているのか?」

「何を言っているのです! 魔法少女をイタイ子と言った時点で死刑レベルなのですよ!」

「な・・・ッ!」


<黒須君の顔がみるみる赤くなっていくのです>


「ふざけんな! お前はマトモだと思っていたが俺の買い被りだったみたいだな!」


<む、黒須君は逆切れしているのです>


「黒場、7宝具を・・・聖なる手袋(テキンノ・ズオープ)を今すぐ外せ!」


<あ、黒須君も7宝具を装備したのです>


『カギツザン』


<ペンダントの鍵を外して剣に、そして剣の鍔部分の時計の針を素早く回して銃に変化させてアイちゃん・・・いえ、マジカル☆ハルちゃんに銃口を向けているのです>


「お前は危険だ。7宝具の装着者に暴走は許されない」

「何を言っているのです! 元はと言えば黒須君がこの姿を侮辱したのが原因なのです!」

「その恰好がマトモなら何がマトモじゃない恰好だ‼」

「これ以上かわいい恰好がどこにあると言うのです!」


「ふざけんな‼ 

戦場にスカート穿いて出撃する女なんざ

馬鹿か痴女だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」


「な、なんて事を大声で言うのです! 全ての魔法少女に対しての謝れなのです!」

「中学生にもなってそんなミニスカなコスプレしているテメエは馬鹿だ‼ 痴女だ‼ 変態だあ‼」


<むむむ、魔法少女をここまで侮辱するとは! 絶対に死刑なのです!>

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