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傷だらけのバンビーノ  作者: 川崎殻覇
交わる世界、翡翠樹の元に集うのは何者か?
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馬鹿中途半端なので今日明日中にもう一本投稿します。

「お前らは…褒めていいのか、叱った方がいいのか…まぁその姿を見る限り苦戦もしていなさそうだから、褒めておくか…」


 バスに戻るのに少々遅れてしまい、到達階層をバスの中で告げたあと、そう言われてしまった。


「いやぁ…なんか行けそうだったんでね?…これ、怒られませんかね?」


「別に構わねえよ、これが大怪我をした末のものだったら叱ってただろうけど…見た感じ余裕そうだしな…とは言っても困るなぁ…お前達の扱いどうしよう…」


 ほっ、どうやら怒られる心配は無さそうだ…この学校、向上心が高いと喜ばれる傾向があるからな…先に進めるならどんどん進め!ってスタンスだ。


「あー…うん、二年生のカリキュラムにぶち込むか…うん、それがいいな…後で担当の教員に相談しておこう」


 大半困らせてしまっているみたいだな…許してくれ…これも金の為だ。


「まぁ何にせよ、お疲れ様だな…今はゆっくり休んでろ」


……………


………



 これがダンジョンから戻った時の顛末…え?なら今何をしてるかって?…それは…。


「うっし!そっち逃げたぞ!」


「わかったわ!」


 現在、まりんと一緒にダンジョン探索へと赴いている。


 この学校に入学した時に立てた当初の計画としては、あまり目立たないで、武器やら物資やらを調達して、学校を卒業するまでは地道にやって、卒業したらめいいっぱい稼ごう!…みたいなことを考えていたのだが…最初の段階で挫いてしまった。


 先ず輪廻と仲良くなったこと…これ自体は別にいい、むしろ歓迎するべきだが…周囲の反応がね?…アレな感じで輪廻以外とはあまり仲良くなれなかった。むしろ敵が増えてしまったな。


 次にメガロレックスに拉致られた件…これも別問題ない。死にかけたが、それでもまりんを救えた…その結果があるだけで全部お釣りが来るってもんだ。


 問題は…それを大々的に学校で言われてしまったこと…これだけがギルティだ。


 これが本当に終わってる。…やっぱり人の許可無しで勝手に言うのはよくないと思うんだが?


 これのせいで周囲からの評価は無駄に上がってしまっている…地道にコツコツ行こうとしていたのがパーだ。


 ……起きてしまったことは覆らない…昔の諺でも言うだろ?覆水盆に返らずってな?


 だから俺はこう考えた…逆にこの状況を利用してやろう…と。


 周囲の評価が無駄に上がってしまっているのなら、それに応えてやろうじゃねぇか!


 そんなわけで、校長にD級ダンジョンに挑戦していいか?と聞いたんだが…学校近くのやつじゃなかったらよし!との一言を貰った。しかし、流石に生徒だけで行かせることは出来ないらしく、教員を説得するのが条件とのこと…厳しいぃ!


 そんなこんなで、今はこのダンジョン…『樹海の導き』へと挑戦しているわけだ。


「いやぁ…すみません、槙島先生…休日なのに付き合ってもらっちゃって…」


「いいのいいの、若者の力になる為に大人ってもんがいるんだから…気にせず頼りな?」


 教師で仲のいい人なんて俺にはあまりいない…唯一仲が良いと言えるのは槙島先生ぐらいだ。


 つまり槙島先生一択しか選択肢がなかった…断られたら終わりだったが、引き受けてくれて本当に有難い。


「それに徒手空拳の練習もさせたかったからな、丁度よかったよ、その代わり!ビシバシ鍛えてやるからな?覚悟しとけよ?」


「うっす…!」


 感謝…!圧倒的感謝…!本当にいい先生だよ。


 っ…と。…本格的にダンジョンの中に入ったので、気持ちを切り替える。


 このダンジョンは名前の通り、樹海型のダンジョンとなっている。この樹海の中から下の階層の階段を探し出して進まなければない。


 モンスターの特色は多くは昆虫、獣…珍しいのだったら樹木型なんてモンスターもいるらしい…魚類がいないってだけ、なんか物珍しく感じてしまう…脳が魚に侵されているかもしれんな…。


 割とすんなり進み続け、あっという間に五層の直前へと辿り着く。


「…うーん、結構形になったなぁ…」


「そうっすか?」


 中ボスに挑む前に休憩を取る。スムーズに進めていたとはいえ、疲労は溜まるもんだ…しかもこのダンジョンの床凸凹して歩き辛いし…。


「キレがあるし、動作に迷いがない…基本的な動きは出来てると思う…悪いけどこれ以上は教えるのは無理かな…先生、徒手空拳専門ってわけじゃないからね」


 そして、休憩の合間に、先生からアドバイスを貰おうとしたんだが…もう教えられないと言われてしまった…。


「ほんとに飲み込みが速くて凄いわ…いやマジで…これはひょっとすると…」


「え?…なんすか?」


 ジー…と見つめられる…え?怖い怖い。


「なぁ?桐崎よ…私はお前にいろんなことを教えている…つまり…師匠と言えるんじゃないか?」


「急に何言い出すんすか…?…でもまぁ、そう言えるかも?」


 なんだか展開が読めてきたな。


「そう…師匠…つまり恩人…なぁ、桐崎。お前がもし有名になって、金持ちになったら……飯を一杯奢れ」


 ニヤニヤしながら言う先生…予想は出来てたけど、想定より割とショボいこと言ってきたな…。


「えぇ?…いや、別にいいっすけど…何で急に?」


 割と感謝しているのは本当なので、それくらいなら別にいいんだけどね?


「先生、割と教師歴が浅いからな…こう…!仲のいい生徒なんていなくてさ…結構憧れなんだよな…卒業した生徒に飯奢られるのって…なんかよくない?」


 ……ふーん?…いいやん。


 少し、自分で想像してみてからなの感想。


 顔を赤ながらそう言ってくる先生…というか先生からも仲がいいと言われて少し嬉しくなっている自分がいる。


「そういうことなら…一杯でも何杯でも奢ったりますよ!…有名になれるかどうかはわかんないっすけど」


「え?マジ?やったー!食い扶持ゲット!」


 ………色々と台無しなんだよなぁ。


……………


………



「…………ねぇ?話しているところ悪いけど、そろそろ先に進まない?」


「「あ、やべ」」


 まりんの一言で目が覚めた。…そうだよ、今ダンジョン攻略の最中じゃん。


 休憩も終わりにして、さっさと進むことにする。…一応中ボス相手だから、羅刹を解禁することにする。


「あ、ちょっと待って、護」


 意気揚々と向かおうとしていると、まりんから待ったがかかる。


 なんだなんだ?

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