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25話 襲撃

「はぁーーー……よーしよしよしよし」


 ミゼリーさんは私を抱きしめていた。

 頭を撫でつつ、さらに頬ずりもする。


「あの……私、ペットじゃないんですけど」

「あら、ごめんなさい。アズちゃんがあまりにも天使だから、つい」

「そうですね、お姉さまは天使ですわ!」


 そこ。

 話がややこしくなるから、同意しないでください。


「それで……どうしたんですか?」


 冒険者ギルドに呼ばれたのだけど……

 ミゼリーさんの部屋に入るなり、いきなり抱きしめられてしまう私。


 まさか、このために呼ばれた……?


 そんな私の疑問をよそに、ミゼリーさんは真面目な顔を作る。


「これからする話は他言無用でお願い。もしも街の人に知られたら、パニックになってしまうわ」

「わかりました。ただ……」

「ただ?」

「……いつまで私を抱きしめているんですか?」

「あら、ごめんなさい」


 どうやら、無意識で私を抱きしめていたらしい。


 ……ちょっとだけ、ミゼリーさんが恐ろしいと思った。


「それで、いったいなにが起きたんですか?」

「……先日、話した盗賊団のことを覚えているわね?」

「はい。明日、討伐に行くんですよね? 私達は、その応援で……」

「それ、なしになったの」

「ふぇ?」


 思わぬ言葉に、ついつい間の抜けた声をこぼしてしまう。


「アズちゃん、かわいい」

「アズ、かわいい」

「お姉さま、かわいいですわ」

「み、みんなしてなにを言っているんですか!?」


 顔が熱い。

 いきなりかわいいとか言われたら、そうなってしまいます。


「そ、それで、どうして討伐はなしになったんですか?」

「……とある情報がもたらされたの」


 ミゼリーさんは真面目な顔になり、声のトーンを落とした。

 自然とこちらも気が引き締まる。


「どうも、例の盗賊団がこの街の襲撃を計画しているらしいわ」

「「「っ!?」」」


 私だけじゃなくて、シンシアとスズカも驚いていた。


 それはそうだ。

 盗賊が街を襲うなんて、聞いたことがない。


 いや。

 今までの歴史上、なかったわけじゃないけど……

 その全てが失敗に終わり、全滅という結果だ。


 そんな無茶無謀に挑戦する盗賊がいるなんて……


「それは確かな情報なんですか?」

「確かよ」


 即答。

 しかも、断定された。

 ミゼリーさんの情報源は、よほど確からしい。

 いったい、誰の情報なんだろう?


「どうするんですか?」

「当然、迎え撃つわ。街を捨てるわけにはいかないし、降伏なんてしても、ロクな目に遭わないでしょうから」

「そう言ってくれて、よかったです」

「そこでお願いがあるんだけど……」

「はい、わかりました」

「……」


 即答すると、ミゼリーさんは目を大きくして驚いた。


「えっと……まだ、内容をなにも話していないのだけど」

「一緒に戦ってほしい、ですよね?」

「そう、ね……でも、いいの? 相手は盗賊だけど、凄腕が揃っているという話よ。きっと厳しい戦いになると思うわ。対して、こちらの戦力は、アズちゃんも知っての通りボロボロ。冒険者は……あの通り。騎士団はまともだけど、でも、どこまで通用するか……」

「私もがんばります!」

「私も!」

「私もですわ!」


 シンシアとスズカも同意してくれた。

 嬉しい。


「……本当にいいの? 私達、ギルドはひどいことをした。それなのに……」

「それはそれ、これはこれです」


 私はにっこりと笑う。


「それに……私、この街が好きですから!」

「……アズちゃん……」

「色々ありましたけど、でもやっぱり、アクエリアスが好きなんです。たくさんの人の笑顔があって、優しい人もいて……それに、ミゼリーさんがいて。だから、好きで守りたいんです!」

「あーもうっ、この子はもう! もうもうもう!!!」

「ふぎゅ!?」


 満面の笑みのミゼリーさんに、思い切り抱きしめられた。


 む、胸が顔に……!?

 息が……!?


「なんてかわいいのかしら! なんて健気なのかしら! もう、ウチの娘にしたいくらい! ねえねえ、私の娘にならない? なりましょう? なるわよね!?」

「……きゅう……」

「アズ!?」

「お姉さま!?」


 意識を失う前、シンシアとスズカの悲鳴が聞こえたような気がした。


 それにしても……

 大きな胸、おそるべし。




――――――――――




 一騒動あったものの……

 私は、アクエリアスの防衛戦に参加することにした。

 シンシアとスズカも協力してくれる。


 他の冒険者も参加してくれることに。


 凄腕の盗賊団の襲撃と聞いて、顔を青くした人もいたけど……

 でも、二度は逃げられないと、奮起してくれた。


 騎士団の人達も合流して作戦を練り、罠を多数、設置する。

 その上で、念のため、他の街へ救援を要請して……


 考えられる限りの対策を打った。

 これでダメだったら、運命と諦めるしかない。


 ただ……


「敵の情報、やけに具体的なんですよね? ここまで詳しく調べるなんて、普通はできないんですけど……」


 もしかして、内通者?

 それとも……凄腕の諜報員が?


「だとしても、無数の手足がないとダメっぽいんですよね。そう、たとえるなら……小動物を駆使して調べるとか」


 そういうことができない限り、ここまでの情報を集めることはできない。

 ミゼリーさんに情報を届けてくれる人は、いったい、誰なのでしょう?

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新作を書いてみました。
【家を追放された生贄ですが、最強の美少女悪魔が花嫁になりました】
こちらも読んでもらえたらうれしいです。


もう一つ、古い作品の続きを書いてみました。
【美少女転校生の恋人のフリをすることにしたら、彼女がやたら本気な件について】
現代ラブコメです。こちらも読んでもらえたらうれしいです。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ミゼリーさん、実はビーストテイマー説?
2022/08/11 18:14 退会済み
管理
[気になる点] 絶対にアッガスだな! 勇者パーティがその盗賊団を討伐してまた手柄を立てようとしているに決まってる!
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