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18話 思わぬ真実

「グルルル……!」

「フシャー……!」

「シンシア? スズカ?」


 突然、二人が威嚇を始めた。

 鋭い表情をしてダナを睨む。


 もしかして、私兵などが隠れている?


 慌てて気配を探るけど……

 でも、それらしい反応はない。

 小動物などが潜んでいる様子もない。


 なら、二人はなにに反応しているんだろう?


「あいつ、嫌な匂いがするよ」

「シンシアの言う通り、敵の匂いがします」

「敵……ですか?」

「魔族の匂いです、お姉さま」

「えっ!?」


 思わぬ単語がスズカの口から飛び出して、私は驚きの声をあげた。


 魔族。

 魔物と似た存在だけど、まったく別のもの。


 人間と同じ知恵を持ち、最強種と同じレベルの力を持つ。

 その存在は災厄そのもの。

 理由はわからないけど、他の種族全てを敵視していて、過去、何度も戦争を繰り返している。


 その力は圧倒的。

 個体によっては、最強種を凌ぐという。


「あの人が魔族……!?」

「魔族? なにを言っているんだ? 僕は人間だ」

「あれ?」


 シンシアとスズカが警戒するから、てっきり、そうなのだと思っていたけど……

 違う?


 とぼけているとか、演技をしているとか。

 そういう様子はない。

 彼は、心底、私の言うことを理解できないという顔をしていた。


 魔族じゃない?

 でも、二人は……


「よくわからないことを……まあいい。お前達は、死なせてください、と泣いて懇願するほどに後悔させてやろう。裸にして街中を引き回して、それから、飢えた男共の餌にしてやる」

「そんなことができるとでも?」

「できるさ。僕には力がある!」


 ダナさんは、両手を振り上げた。

 その動きに反応して、空間が揺らぎ、マネキンが姿を見せた。


 一体、二体、三体……


「ちょっ、こいつら、どこに隠れていたのよ!?」

「うううっ、嫌な匂い! アズの敵!」


 マネキンを召喚した?

 ううん……魔法を使って、巧妙に隠していたみたいです。


 ただ、最強種を欺くほどの技術を持っているなんて……

 いったい、ダナは何者?


「はははっ、どうだ、これが僕の力だ! 平民では決して到達することのできない、最強の証! 見たか!?」


 なにがなんだかわからないけど……


「もうっ、仕方ないですね!」


 戦闘は避けられないみたいだ。




――――――――――




「いけっ、僕のかわいい人形達!」


 ダナの合図で、一斉にマネキンが襲いかかってきた。

 剣や槍など、それぞれ武器を持っている。


「うー……わんっ!」


 吠えつつ、シンシアはマネキンを殴りつけた。

 強烈な一撃が決まり、マネキンは粉砕されてしまう。


「ふふん、私の力を思い知りなさい!」


 スズカはマネキンの足を払い、宙に浮いたところで、蹴りを叩き込んだ。

 流れるようなコンボが決まり、マネキンが吹き飛び、バラバラになる。


「私も負けてられません!」


 マネキンの攻撃を避けて、その懐に潜り込む。


「風牙!」


 ゼロ距離で拳技を発動させて、マネキンを吹き飛ばした。


 そんな感じで快進撃を続けて……

 ほどなくしてマネキンがゼロになる。


 向こうの被害は甚大。

 対するこちらは、怪我人はゼロ。

 戦意も衰えていない。


「勝負あり、ですね」

「……」

「なにを企んでいたのかわかりませんけど、もう終わりです。降参してください」

「……ふは」


 ダナが笑う。

 おかしくておかしくてたまらないといった様子で、高らかに笑う。


「あはははははっ!」

「むっ、なにがおかしいの!?」

「お姉さま、こいつ、殴り飛ばしてもいいですか?」

「まって、二人共……」


 ものすごく嫌な感じがする。


 ダナは、自分が魔族ということを否定したけど……

 でも、このまとわりつくような嫌な気配は、魔族のものとしか思えない。

 彼は一体……?


「ここは僕の屋敷だ。外であれこれしていたのは、ただの実験にすぎないのだよ」

「実験……?」

「この力を、よりうまく扱うためのものだ。さあ、これがその成果だ!」


 再び空間が揺らいで、マネキンが姿を見せた。


 ただし……

 今度は、部屋を埋め尽くすほどの数が現れた。

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新作を書いてみました。
【家を追放された生贄ですが、最強の美少女悪魔が花嫁になりました】
こちらも読んでもらえたらうれしいです。


もう一つ、古い作品の続きを書いてみました。
【美少女転校生の恋人のフリをすることにしたら、彼女がやたら本気な件について】
現代ラブコメです。こちらも読んでもらえたらうれしいです。
― 新着の感想 ―
[一言] >「お姉さま、こいつ、殴り飛ばしてもいいですか?」 脳筋猫その2w お腹痛いw(その1はカナデw
[一言] >「お姉さま、こいつ、殴り飛ばしてもいいですか?」 なんてこった、猫霊族の女性陣は脳筋しかいないw
2022/08/05 17:56 退会済み
管理
[気になる点] マネキン(人形) 本編に出てきた。ホライズンとクリオス。2つの街にスタンピードを起こした。”あの魔族”を思い出しますね。
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