第一部 -占い1-
こんにちは。
さあ、ここからようやく曜くんが本気を出していきます。
(消えなくてよかった)
彼と絡んでいくことでどうなっていくんでしょうか‥。
見守って頂ければ幸いです。
その日、わたしと蓮と雅ちゃんの三人は曜に呼び出されていた。
校舎の屋上へいく階段の踊り場、他の人に聞かれたくない話をするにはうってつけの場所である。
踊り場で曜を取り囲むようにしているわたしたち、傍から見たらカツアゲに見えなくもないし生徒指導の先生を呼ばれたりは…
しないか。
雅ちゃんは他から見えないし、見えていたとしても子供だし。
まぁ、もしも誰かが彼女を見てしまったら、子供を学校に連れ込んでいるって職員室に連行されるかもしれないけれど…。
思えば、彼と会うのは一週間ぶり。
先日、雅ちゃんと遭遇した彼は早退し、その後、体調不良ということで、数日学校には顔を出してはいなかった。
体調不良で休んでいただけあって、その顔色は悪く目の下にはクマができていた。
「曜くん、どう?体調は。
体調不良って大丈夫なの??」
はた目からも体調の悪そうな彼をみて大丈夫かと聞くのもいかがとも思ったが、思わずそう声を掛けてしまうくらい彼はツラそうだった。
しかし、彼はわたしの言葉に反応すらすることなく、蓮をじっと見据えていた。
そしてゆっくりと口を開いた。
「ねぇ、蓮…
…占わせてもらってもいいかな?」
「占い?」
「うん、知ってるよね、僕が占い好きなの。」
聞き返す蓮に、いつものひょうひょうとした笑顔で答える曜。
絶対興味本位の占いじゃないでしょこれ…。
めちゃ唐突だし…。
曜の占い好きは知っている。
知ってはいるが、このお願いはあまりにも唐突すぎる。
しかも、人気のないところに呼び出して、この唐突な彼の頼み事…
不安の二文字で頭は埋め尽くされていた。
(ついでに、曜の笑顔が微妙に怖いし。)
蓮も同じように思っていたのだろう、その表情からは不安がにじみ出ていた。
むしろ名指しで言われているだけわたしよりも不安の色は濃いようだった。
その表情をみていると…よかった、わたしじゃなくて…。と心底思う。
そんなわたしたちの心中を察したのか、曜は口を開いた。
「蓮、なんともないかい?」
前も言ったけど、僕は少し霊感がある。
それがきみの危険を知らせてるんだよ…。
気付いてるかどうかは知らないけれど、きみ…たぶん雅さんに憑かれてるよ…?」
憑かれてる?
蓮が雅ちゃんに??
曜の言葉に思わず彼女を見るわたし。
視線の先の彼女はバツの悪そうな顔をしている。
「んーーー、知ってた。
でも、オレは雅をこのまま学校に居るだけの霊?存在にしておきたくなかったんだよ。」
「この間、雅をクレープ食べに連れてってさ、めちゃめちゃ楽しそうにしてたんだぜ?
美味しい美味しいって言ってさ、クレープくらいであんなに感動してあんなに嬉しそうに頬張ってさ。
な、雅?」
『うん!』
「こんな顔みせられたらさ、一緒にいてやろうって思うだろ?
オレは大丈夫。
こいつは悪いやつじゃない。」
蓮は滅多に見せない笑顔を向けてそう言い切った。
決意のような彼の笑顔は、心配なんていらないとわたしたちに言い聞かせるようなそんな笑顔だった。
『蓮、ごめんね…ありがとう。』
「そっか…。
でもさ、僕も瑠唯さんも心配してるって事は覚えておいてね。」
蓮の笑顔に、雅も曜も笑顔で返す。
雅の笑顔はどこか申し訳なそうで、曜の笑顔は不安の色が消えてはいない。
二人の笑顔は満面の笑みでって訳ではないが、それでもわたしは一安心といったところだった。
それにしても、なんだかんだで蓮と曜の2人は仲がよさそうに見える。
蓮は「友達って訳じゃねーし!」とか言いそうだけど。
わたしは幼稚園、小学校、中学校と進めば進むほどに孤立していった彼の学校生活が終わって、だんだんと友達が出来てくれればいいなと心から願うのだった。
今回も読んで頂き有ありがとうございました。
さてさて、みなさん占いって信じますか?
ちなみにわたしは信じています。
例えば朝の星座占い。
良い事を言われたら、今日はおもいきってこれをしてみよう!って思ったりしますし、悪い事を言われたら、なにか行動する際にちょっと立ち止まって考えてから行動しようって思います。
まぁ、単純に順位がよかったら嬉しいですしね!
(ちなみに今朝の占いでは牡羊座は7位でした。なんて中途半端…w)
ではでは、また次回の更新の時にお会いしましょう!
感想などなどお気軽にどうぞ!
誤字脱字もお知らせ頂ければ幸いです。