第一部 -遭遇2-
こんにちはこんばんは、おはようございます。
平凡な世界の非日常、3回目の投稿です。
毎週月・木曜日に更新しようと思っています(今回遅刻)
なので毎日のぞいても、「更新されてねーじゃん!」ってなるので、たまーに開いて覗いてあげるくらいでOKですー^^;
是非…!
蓮が見えてるっぽい人、と言ったのは同じクラスの芦屋曜だった。
出席番号1番。占い好きの男子。
彼のタロットカードはよく当たると評判で、入学してから2ヶ月ほどしか経っていないにも関わらず他のクラスから占ってほしいとやってくるほどだった。
「あぁ…、曜くんかぁ。」
「あぁ。
先生が入ってきたときさ、曜だけは明らかに他と違ってたんだよ。
なんか…こう、ビックリしてたみたいな。
まぁ、もしかしたら、他にも気付いていたヤツはいたかもだけどなー。」
わたしはあの少女を見た時、ビックリして目が釘付けで、他の様子なんて確認する余裕はなかった。しかし、同じようにあの少女を見つけた蓮は他のクラスメイト達の様子まで伺ってたらしい。
普段の様子はともかく、蓮のこういうところは本当に頼りになる。
わたしは改めて蓮を見直したのだった。
「よし、じゃあ…聞いてみよ!」
速攻で反応するわたしに、蓮はふるふるふると無言で首を振る。
「え?
いやいやいや、わたしたちだけじゃ何も分からないじゃない?」
見なかったことにするという選択ももちろんある。
もしかしたら、次に山崎先生に会った時には、あの女の子はいなくなっているかもしれない。
でも、気になる。
気になるのだ。
ここでモヤモヤするような選択はあり得ないだろう。
「ねぇ、蓮、あんたが他の人と関わるのが苦手なのはわかる。
わかるけど、あんたは気にならな…」
―――すっ―――
捲し立てるようなわたしの言葉を制すように、蓮の指は上を指さした。
思わずその指の先を見た瞬間…
キーンコーンカーンコーン
聞き慣れたチャイムが学校中に響き渡ったのだった。
「じゅ・ぎょ・う」
「…はい。」
わたしは黙るしかないのだった。
その日の放課後。
夕日の差し込む誰もいない教室。
わたしたちは芦屋曜を引き留めていた。
あの少女の話をするために。
「曜くん。
ごめんね、帰るところなのに。」
「すまん、ちょっと聞きたいことがあってさ。」
「いいよいいよー。
えっと、蓮くんと…瑠唯さん、だっけ?」
曜はぱたぱたと手を振って答える。
「そそ、瑠唯でいいよー。」
「オレも呼び捨てでいい。」
「オッケー」
おぉ、蓮がちゃんと覚えられてる…!
2ヶ月も一緒にいるんだから当たり前だろうと言われればその通りだとは思う。
そうは思うけど、休み時間のたびにタロットカードや占いに関する関連本などを眺めているような曜が、蓮のことを知っているとは思わなかった。
そのくらい蓮はいつも一人だった。
もしかしたら占い師という職業柄(実際はただの高校生)しっかりとした観察力が必要なのかもしれないけれど…。
なんて事を考えていると、曜は続けて口を開く。
「このタイミングってことは、あれが見えたってことでいい?」
こくん。
わたしと蓮はほぼ同時に頷き曜に視線をおくると、彼は少し腹をくくったような表情をして話し始めた。
「僕も専門家じゃないから詳しくは知らない。
だから、僕の見解や考えが間違ってることもあると思って聞いてもらえると嬉しいんだけど…。
多分…あれは普通の霊の類じゃないと思う。」
「霊…じゃない…?」
わたしはてっきり先生が春休み中に心霊スポットなにかに潜入してきて、どこかで拾った幽霊だと思っていた。
多分、蓮もそう思ってだったんだと思う。
でも、それが…違う?
じゃあ、あれは一体…。
思いもよらない答えに、わたしと蓮は揃って怪訝な顔をしていたのだろう。
補足するかのように曜は言う。
「僕はさ、少し霊感があるんだよ。
でも、それは幽霊を見たり、その声を聞いたりするようなものじゃなくて、なにかおかしいなって感じる程度のものなんだよね。」
ってことは…
曜の言葉の意図を感じ取ったわたしたちは、改めて曜の目をじっと見据える。
それを確認しるかのように、一呼吸おいてから曜はキッパリと言い切った。
「そう、あの女の子はそんな僕でもハッキリ見えるようなヤツなんだよ…。
言葉通り、普通の幽霊なんかじゃない。」
3回目、ここまで読んで頂きありがとうございました。
日常的な話題がなくストーリーが進んでいるなーと思ったりしていますが、徐々に普段の瑠唯・蓮も描ければと思っています^^;
今回、曜という登場人物がでてきますが、読み方は「ひかり」です。
「よう」じゃないです。
でも、打つときは「よう」と打っています。でも「ひかり」なのでどうぞよろしくおねがいします(o*。_。)oペコッ
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また、誤字脱字があればご指摘いただければ幸いです。
では、次回の更新をどうぞお楽しみに!