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平凡な世界の非日常  作者: 祀
2/10

第一部 ー遭遇ー

おはようございます。こんにちはこんばんは。


平凡な世界の非日常、2回目の投稿です。

遅筆ですが、頑張って更新していこうと思います。

 新しい学校、新しい教室、新しいクラスメイト。

 これから始まる青春。

 ここから始まるわたしの青春。

 勉学に励み、部活動で汗を流し、恋をする。

 まぁ、勉強を少し億劫に思うこともあるし、運動が苦手だって事実も否定できない。でも、出会いはある!(はず)素敵な彼がきっと現れる!(多分)


 と思い続けて約2ヶ月…。

 6月になったものの、梅雨入りの気配さえ見えない今日この頃。

 わたしは特に何事もなく女子高生生活を謳歌していた。

 今のところ帰宅部だし、赤点はなかったものの、成績もそこそこ。

 このままじゃ、あっという間に夏休みになってしまう!

 このままじゃいけない!!


 そんな意気込みを知ってか知らずか、だるそうに話し掛けてきたのは前の席の水瀬蓮(みなせれん)だった。

「るいー…」

 水瀬蓮。わたし宮川瑠唯(みやかわるい)の幼馴染にして腐れ縁。

 見た目は決して悪くないのに、友達がいない。意外と優しくて意外と頼りになる事もあるのに、友達がいない。

 彼は、そんなちょっと残念なコミュ障くんなのだ。

 友達を作りたがらない(というか、わたし以外に友達らしい友達がいない。)

 会話が苦手(というか、わたし以外の人と会話しているところをほとんど見たことがない。)

 国語の成績が格別悪い(特に関係ないかもしれない。)

 昔は自分から誘ってくれるような積極性もあったのに、思春期を経てこんな立派なコミュ障に育ってしまうなんて、神様はなかなかのイジワルなようだ。


 幼馴染のよしみ、テンションの上がらない様子で、机に突っ伏してる姿を見てしまったら無下にするわけにもいかない。

「どしたのー?」

「いや、今日どうも調子がでないのよなー。」

「なに?風邪ー?こんな天気のいい日が続いてるのにもったいないよー?」

「うーん…」

 このぽかぽか陽気、春眠暁を覚えず的な?

 それか時期をずらしてきた五月病か…

「おーい、るいー、五月病は五月だから掛かる訳じゃないからなー」

「ちょっと、心読まないでよ!」

「いや、お前がブツブツ言ってたんだろうが…」

 おぉ…まさか言葉に出ちゃってたなんて…

 …恥ずかしい…

 なんて、蓮の体調不良から脱線した話をしていると、教室の前の扉がガラっという音をたてて唐突に開いた。


 その音と同時に入ってきたのは、ウチの担任の山崎先生と…

 …………

 女の子だった。


 山崎先生。

 数学教師。男性37歳。独身。メガネ。

 いかにも数学教師らしい見た目とは裏腹に、明るい性格と面白い話、分かりやすい授業が評判で生徒からは慕われているわたしたちの担任。

 その山崎先生が5~6歳、小学生に入ったばかりか、それより前くらいの女の子を連れて教室に入ってきたのだった。

 長い黒髪、年相応の雰囲気の白いワンピース。

 先生とは似ても似つかないような整った顔立ち。

 いたって普通の女の子といった感じだった。先生の左後方に佇み何かを観察するようなその様子を除いては。


 ………なに…アレ。

 …誰…

 っていうか…なに??


「ほらー、朝の学活はじめるぞー」

 わたしの疑問など無視するように、いつも通りの先生の言葉に、クラスメイト達はそれぞれ席に着き始める。

 何事もないかのように。

 あの女の子の存在に気付かないかのように。

 それは先生も同じで、なにひとついつもと変わらない様子で出席をとりはじめたのだった。


 これはもしかして…

 あれが見えてない?気付いてない??

 …あれって…もしかして…

 おばけ??


 正直、わたしは幽霊と言うものを見たことがない。感じたことさえない。

 そんな霊感の欠片すらないような鈍感「零」感女子だ(と思っている)

 だから、あの子が本当に幽霊かどうか、おばけなのかどうかはわからないのだけれど、あの子がおばけや幽霊などの類でなければこの状況はどういう事だろう。



「…ねぇ…ねぇ、蓮…」

 朝の学活が終わり、山崎先生が女の子を連れて出て行ったタイミングでわたしは蓮の背中をボールペンの頭でつつきながら声を掛ける。

 その声に蓮は振り返ったが、その表情はいつもの蓮ではなかった。不思議なものを見たような、納得できないような、今の状況を訝しむそんな表情だった。

「見えた?」

 訊くまでもないと思った。でなければあんな表情をするわけがない。

 わたしは蓮が頷くのを確認してから言葉をつづける

「さっきのアレ、なんだと思う?」

「…アレって…やっぱりあの女の子…だよな?」

「うん」

「いや、オレもよくわかんねーけど…ほとんどのヤツらには見えてないようだったなー、アレ。」

 蓮とは長い付き合いだが、霊が見えるだとかなんだとか、そんな話は聞いたことがなかった。

 なのに、やはり蓮にもあの女の子は見えたらしい。

 ………

「っと、ちょっとまった」

「ほとんどのヤツらって、他にも見えてるっぽい人いたの?」

 わたしの言葉に、蓮はとあるクラスメイトに視線を送ったのだった。


本編スタートでございました。


わたしはオカルトが好きです。

普通の人には見えない世界、体験できない世界。

でも傍にある世界。

蓮と瑠唯とともにそんな世界を楽しんで頂ければと思います。


感想など頂ければとてもうれしいです。

また、誤字脱字があればご指摘いただければ幸いです。


では、次回の更新をどうぞお楽しみに!

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