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プロローグ




「いい加減になさい!私を…私を誰だと思ってるの?由緒正しきモルティエ家の令嬢、ヴェロニカ・モルティエなのよ!」





私は叫んだ。だって、だって



「こんな…こんな事って…」









この先私が破滅の道に進むだなんて!!!!










ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


彼女の名前はヴェロニカ・モルティエ


モルティエ家のご令嬢だ。


クリーム色の髪とシトリンのような瞳を持っているただのキツイ性格の12歳の少女だ。


ただ彼女は知らなかった。


自分がゲーム『アリス・クラウン』の世界に登場する悪役令嬢だと




ゲーム『アリス・クラウン』は大人気のファンタジー系ゲームである。


王族アリスティア家を中心としたシナリオで、プレイヤーは自分の思うような選択を選び、その選択によってエンディングが分岐する異世界ファンタジー物語ゲームだ。



しかし、どの分岐でも破滅の道を進んでしまうキャラクターが居た。



それがヴェロニカだ。



ヴェロニカは嫉妬等の様々な理由で主人公側に敵対し、破滅の道へ進んでしまう。



しかし、彼女の卑屈な性格、また主人公側に突っ掛かってくる理由、境遇等々さまざまな要因が魅力と感じて惹かれるプレイヤーも多くヴェロニカファンも多かった。



そのファンの一人が、彼女に残酷な宣告をした従者クレトであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「はい、ヴェロニカ様。このままでは貴女は破滅の道へ進んでしまうでしょう」



「な、なんで…」



「それは詳しくは言えませんが、貴女は成長しなくてはならない。それが私の望みです」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



従者クレトは、前世は『アリス・クラウン』のプレイヤーの人だった。


彼は毎日仕事に追われながらも、深夜に『アリス・クラウン』に没頭し、そして彼女ヴェロニカに惚れた。


毎日ヴェロニカに会いにプレイし、ヴェロニカが破滅するとリセットを繰り返した。


しかし不幸にも事故に合い『アリス・クラウン』の世界に転生した。前世の記憶も道連れに。



彼は運命だと思い、必死に頑張りヴェロニカのお付きの従者になった。



彼は誓った。『自分がヴェロニカを絶対に幸せにしてみせる』と。



そんな事は露知らず、ヴェロニカは彼を問い詰めるのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「そんな…酷いっ!!!貴方は私が嫌いだからそんな嘘をつくんでしょ!?」


「いいえ、そんな事は決してありません。私は貴女の事を想って言っているのです。」



そんな事急に言われても信じられない。このままだと私が破滅の道へ進んでしまうなんて!



「貴女のキツイ性格、それも魅力の一つなのですが…これ以上きつくなると…」



ぶっ飛ばそうかしらコイツ




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ヴェロニカは事情を知らないただの悪役令嬢である。


ただ、彼女は勿論のこと従者クレトも知らなかった。





クレトも含め、彼女がこれから関わっていく人の何人かは、彼女を幸せにしたいと願う『アリス・クラウンのプレイヤーだった転生者』ばかりだと。




これはただの何も知らない悪役令嬢と彼女を幸せにしようと奮闘する転生者達の物語である。


思い立ったが吉日

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