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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

自我

作者: くら
掲載日:2019/01/13

 私は幼少期の頃から不死というものが近いうちに可能になるんじゃないかと考えていた。不死がになるということ、それはすなわち脳の機械化である。私は脳が機械化する前から、恐怖していた。死についてではない。脳の機械化による自我の有無についてである。そんな恐れなど気にもしないように、いともたやすく脳の機械化は成功してしまった。私が高校に入学する前である。

 私は先程『恐怖している』と言ったが、私に限った話ではなく、世間も同じ悩みを抱えていたようだった。その技術が確立してから数ヶ月の間は、脳が機械になったら我々の心はどうなるのか。という疑問でニュースは持ちきりだった。しかし、私が微塵も予想もしなかった、くだらない見解に落ち着いてしまった。どうやら、「自我というものは人間の脳内の記憶が互いに作用しあって、勝手に人間が自我があると思い込んでいるだけで、そもそも自我なんてものは存在しない」らしい。バカな、何をいっているんだ。確かに化学的にはそう結論付けられているかもしれないが、現に私の自我はここにあるではないか。確かに私は記憶とは関係なく思考する、ナニカが自分の中に存在していることを感じている。これが自我ではなくて、なんと言う?...私はあまり頭がいい方ではない。この自我の有無なんてものを考えているだけで頭が痛くなる。ここで言っておきたかったことは、ただ、私が脳の機械化に反対だ。ということだ。いや、反対ではない。知らぬ奴、赤の他人が脳の機械化をしたいというのであれば、勝手にすればいい。少なくとも、私がしたくない。したくても、恐怖でできない。というだけの話である。

 ここで私自身の話をさせてほしい。私は昔から変わっていると言われてきた。私は悪と言うものが理解できなかったのである。勿論、人殺しが悪だとか、そういう極悪というものは理解できた。しかし、万引きだとか、人の顔を殴り付けてやるだとか、そういう極悪とは言い難い悪が、どれくらい悪いことなのかを、一度やってみないと理解できなかった。責任管理能力というのだろうか。物事を先読みする能力が極めて低かったのだ。そんな私だが、周りの人からは嫌われなかった。私は顔がそこそこ良かったのである。誰もが認める顔立ちではなかったが、少し髪を整えると、皆が褒める程度に顔が良かった。(これは単なる自慢話ではなく、この後の話に続くのである。)

 私は高校に入り、暫くして彼女ができた。決してお互いが好きだから付き合った訳ではなかった。ただ私と彼女は、なんとなく互いの雰囲気を察し合い、付き合ったときの利益や不利益を考えた結果、付き合うというまるで大学生のような恋愛をしていたのである。(ここでいう大学生のような恋愛とは、私の世界観に基づく恋愛学であり、一般的な恋愛学とは異なるが)とにもかくにも、私たちは愛し合っていたわけではなかった。

 話は変わるが、私の家は裕福だった。習い事は行きたいと言えば行かせてくれ、家にはグランドピアノがあり、玄関は大理石。車はベンツだった(昔はあまり目立っていなかったようだが、この時代では大分高価なものだ)。それでも彼女の家と比べてしまえば、ちんけなものだ。彼女は裕福どころか、貴族と言っても過言ではなかった。彼女はお小遣いが財布に入りきらないという理由で、財布を二つ持ち歩いていたくらいだ。無論、お小遣いを全て持ち歩いているわけでもないのに、だ。そこまで彼女の家が金持ちだった理由は、彼女の母親にある。彼女の母親は、世界で初めて脳を機械化することに成功したグループの研究員だったのだ。国が動くほどの莫大なお金が入るのも、無理はない。

 彼女の話を持ち出したのは、決して自慢したかったわけではない。この後に起こった事件がこの話のメインになる。

 「大事な話がある。」彼女はそういって私を彼女の自宅に招き入れた。彼女が家に呼び出すのは、人に聞かれたくない話をするときだ。とうとう別れ話でも出されるかと、気楽に考えていた。

初めてでもないので、土産も持たずに向かうと、彼女は無言で部屋にはいるよう指示した。暫く沈黙が続いた。嫌な予感がした。私は一刻も早くこの場を後にして、彼女との連絡を絶ちたい思いでいた。彼女はついさっきまでの沈黙が嘘だったかのように、気軽に、笑顔で私に爆弾を投げつけてきた。

「私(彼女)、脳の機械化のテスターに選ばれたの。勿論強制ではないわ。両親も私の意思に任せるって言ってくれた。でも、私は受けるつもりでいる。」

 彼女の声は柔らかかったが、それは確固たる意思ならぬ意志を感じさせた。彼女は私より幾倍も頭が良かった。人一倍物事を考える人だった。勉強でも、地頭でもなんにしろ勝てる要素はなかった。だから私は今まで彼女の意見を否定したことは一度もない。無謀な戦いをする意味がないからだ。彼女は脳の機械化に賛成していたが、彼女はいつものように必死に考えた結果だした答えだっただろう。そして私は今回もそれを2つ返事で肯定するのだろう。そう思っていた。

「君がしっかり考えて答えをだしたということはわかっている。その上で私はその件に関しては反対させてもらう。僕が脳の機械化を受け入れられないからではない。君が迷っているからだ。」

デタラメだ。何故か彼女には、彼女だけには脳を機械化してほしくない。その一心で今考えながら話している。

「私が迷っている?どうしてそう思うの?私は迷ってなんかいないわ。」

「なら何故僕に話した。君が是が非でもやりたいならば、僕に話す必要がないじゃないか。黙ってやってきても誰も気づかないさ。僕に話したのは、止めて欲しかったからじゃないのかい?」

「世界が注目する一大手術を私は受けるのよ?受ける前に恋人に伝えておくのは変かしら。」

「じゃあ、君はさっき受ける"つもりでいる"と言っていたけど、本当に受けると決心しているなら、なぜ"つもり"だなんて言ったんだい?受ける。といえば良いじゃないか。それに、両親にはもう受けることは伝えてあるのかい?受けるならば、もう両親に伝えてあるはずだよね?」

「そんなの揚げ足をとってるだけじゃない。つもり、といったかも知れないけれど、深い意味はないわ。それと、両親にはまだ伝えてないけれど、それは一番最初に私が受けることを貴方に聞いて欲しかったからよ。」

ダメだった。いくら揚げ足をとっても、彼女はそれを気にしない。そこが彼女の強みでもあるのだ。

「どうしても、受けるのかい?」

「...貴方がそこまで反対するなら...。」

彼女の声はそこで途切れた。

無言が続いた。このままでは埒が明かないので、お暇することにした。彼女は別れ際、玄関でこんなことを言った。

「やっぱり、今回のテスターは断るわ。正直、ちょっとだけ迷っていたのかもしれないって貴方と話してて思ったの。」

デタラメも言ってみるもんだ。私は心の底から安堵した。

「じゃあね。」

彼女とはここで別れて、次に会うのは4日後となる。彼女は次の日から3日間学校を休んでいたからだ。話を聞くと、風邪のlevel5にかかったらしい。風邪level5というと、感染性はないが、インフルエンザと同程度の辛さだ。私は、次に会ったとき、私は彼女との交際をやめることにした。すなわち、別れたということだ。

 私は1年近くたった今でも彼女のことを考える。彼女の風邪が治り、学校に来てから、私はすぐに彼女の頭を確認した。やはりあの後手術を受けたのではないかと疑ったのだ。手術跡はなかった。風邪level5は病院から証明書が発行されるので、それも見せてもらった。彼女の両親にも確認した。全てにおいて、彼女の風邪は証明された。しかし私はどうしても信じられなかった。今の時代、手術跡なんて跡形もなく消せる。脳の機械化なんて大手術を受ける被験者が、手術を知られたくないなんていえば、証明書の一枚や二枚発行されるだろう。両親に至っては、一番簡単に説得できるだろう。だから、私は別ようと言ってみた。彼女はそれを承諾した。それが、私には手術をしたと認めたように感じた。もし脳が機械化していたら、私の世界観では、彼女は彼女じゃなくなるのだ。私は、いつからか彼女に本当に恋をしていたと気づいた。本当の彼女を求めるなんて、付き合った当初じゃ想像もできない。

 私の恋というものはどこまでも歪んでいるみたいだ。私はまだ彼女の脳の機械化に確信が持てていなかったので、それをどうしても確かめなければならないと思った。確かめる方法は1つしかない。彼女の頭を割って、中を見ることだ。私は、錆びたトンカチを持って外へ出た。彼女の呼び鈴をならしてから彼女が出てくるまでに、暫く時間を要した。私はそれまでに、彼女との想い出を振り返った。私は、こんなにも彼女を愛していたのか。記憶力がいい方ではない私だが、彼女との出来事は鮮明に覚えていた。彼女は、本当に脳の機械化を受けたのだろうか?彼女の性格を思い出した私は、やはり本当は受けていなかったのではないかと思った。

 彼女はいつもと随分違った格好で出てきた。いや、そのいつも、はもう一年も前になるのだ。私の好みの服を着ていた彼女はやはりもういないのだ。

「久しぶり、だね。部屋入る?」

「いや、少し歩こう。」

しかし、どうしたものか。突然友達の顔を殴り付けてやったことはあったが、頭をかち割ったことない。出会ったら即行動しようと思っていた私は、さっそく行き詰まっていた。

「ねぇ、」

沈黙が破れたのは、彼女の声からである。

「一年前、貴方が別れようって言い出したのは、やっぱり私が脳の機械化手術を受けたって思ったからなの?」

彼女の強みがいきなりでてきた。私が答えあぐねていると、彼女はこう続けた。

「貴方は今日、それを確かめに来たんでしょう?」

「...そう思ったなら、なんで、今日、ついてきた...の?」

「私も貴方と同じだから。実はね、脳の機械化手術って、技術は公開されてるけど、やってるってことはトップシークレットなんだって。だから、受けても、受けたことに関する記憶全部消されちゃうの。だから、私は受けてないつもりだけど、わからない。わからないんだよ。」

「だから、私は貴方に確かめてみてほしいの。私が本当に貴方が愛した私なのか。それとも、ただの贋作なのか...。」

私は確かに彼女の頭を割って確かめるつもりでいた。けれど、私は今、どんなに極悪なことをしようとしていたか、気づいてしまった。

私にはとてもそんなことはできない。できないが、やらなければならない。私が彼女を愛している以上に、彼女は狂気的なほどに私を愛していたらしい。なんだ、私たちは、いつからか愛し合っていたのか。なんで、こうなってしまったのか。私は涙でよく見えない彼女の頭にトンカチを降り下ろした。

 私は嘔吐した。とても、この現実を受け入れられなかった。しかし、私は彼女の脳を確認しなければならない。そうでなくては、私は彼女を愛している私ではなくなってしまう。私は必死で嘔吐感を堪えて、彼女の脳を確認した。彼女の頭の中は













これで、この話は終わりである。

いやまぁ、センター試験直前でね、緊張してなかなか眠りにつけないからっつーことでやけくそで書いたんですけども、まぁ書いてる最中は楽しかったんですよ?でもね、後々読み返してみると、まーつまらん。まぁ、皆さんが何やってんだこいつって思いながら読んでくれたなら幸いです。ちなみに、終りかた幾つか考えたんですけど、この話のオチは書いてないけど僕の頭の中にありますね。でもなんとーなくこれ書かない方がいいかなって思ったんで書いてません!文法とか漢字とか間違ってたらごめんなさい!初回だから許してヒヤシンス。

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