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0話 プロローグ
その名は彼らが生まれて七日で死ぬことから名づけられている。
どうして七日しか生きられないのだろう? そう考えない七日妖精がいるのだろうか。
七日しか生きられない。
それは七日妖精にとって生涯に渡る苦悩である。
彼らは生まれ出でてすぐに自らの死を考える事を余儀なく生をうける。なぜなら彼らは七日しか生きられない。生まれた七日後にはもう自分は死んでいるのだ。
そこにあるのは純然たる恐怖。
ならば誤魔化したいと思うのが心情。
そこで彼らが考え出したのが、個を捨てることであった。
一人で七日しか生きられなくとも、種族全体としてみれば恒久的な存在感をもって七日妖精はそこにいる。
個は全となり唯と成す。
それが彼らの結論だった。