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第1話 それぞれの道

第1話です、どうぞ


 異世界召喚された初日の夜、俺は夢を見ていた。まぁ夢といっても、昔の俺がまだ教師になりたてだった頃の出来事だ。俺は、とあるクラスの担任だった。まぁ、お世辞にもいいクラスとは言えなかった。誰だって聞いたことや見たことがあるだろう?そう、いじめが俺のクラスにあったんだ。もちろん見逃すわけがなかった。親を呼び、ほかの教師たちと連携してやめさせようとしていた。でも、人生そううまく働かない。俺に協力すると言っていた教師が全員、俺を裏切りあることないことでっち上げ、俺はあっという間に異動になった。

 最後の抵抗として、俺はいじめられていた子に連絡先を教え何かあったら連絡するようにと言って、学校を去った。でも、その子から連絡は来なかった。

 新しい学校にも慣れてきた頃、その子から連絡があった・・・でもかけてきたのはその子の親だった。


 ーーたった一言、その子は自殺したらしい・・・


 それを聞いた俺は、不思議なくらい冷静だった。冷静に、前にいた学校と、いじめをしていた子、親、黙認していた教師を社会的に抹殺した。その子の親には感謝されたが、俺はむしろ責めて欲しかった。何もできなかった俺に感謝しないでくれ・・・そう思っていた。すべてが終わったあと、その子のお墓参りに行った。その時、初めて俺は泣いた。




「なんだって今更こんな夢を・・・」


 次の日、俺は顔を洗いに行った。目が充血していたからだ。洗面所に行く途中、宝条玲と出くわした。


「おはようございます。先生」


「あぁ、おはよう」


 俺は顔を見られないように、下を向きながら喋った。そして昨日のことを聞いた。どうやら、みんな光属性の魔法が適正だったらしく今日から訓練らしい。魔法というのがよくわからない俺としては、頑張れよ、としか言えなかった。


 その後、俺は王城を歩き回り、訓練場にたどり着いた。そこでは、井戸田隼也と九条大毅が騎士団長に鍛えられていた。


「おいおい、勇者様・・・。もうへばったのか?まだ2時間しかやってないぞ・・・」


「ぜぇ・・・はぁ・・・す、すみません」


「つえぇ・・・俺が手も足も出ないとは・・・」


 ふたりは地べたに倒れこみ息を整えていた。そこを見ていると、騎士団長に声をかけられた。


「ん?おぉ、ケイじゃないか。どうだ?たまにはお前も・・・」


 冗談じゃない・・・


「いえ、生徒の様子が気になっただけなので。遠慮しておきます」


「ふむ、そうかそれは残念だ・・・さて、勇者様。休憩はもうよろしいかな?」


 あいつ、鬼だな・・・。まぁ、あのふたりなら大丈夫だろう・・・。そう思い訓練場を後にする。次にやってきたのは、魔法研究所のようだ。そこでは、堀部莉奈、宮城紗季、宝条玲が、魔法の指南を受けていた。


「では、昨日のおさらいからです。魔法にはいくつの属性がありましたか?」


「はい!火・水・風・雷・光・闇の6つです!」


 そう元気良く答えたのは堀部莉奈だ。それにしても、魔法か、少し気になるな。


「はい、そうですね。では皆さんが適正の光属性の特徴はなんだかわかりますか?」


「「「???」」」


 全員が首をかしげてしまった。おおよそ見当はつく・・・しょうがない・・・


「聖魔法や治癒魔法、それ以外にも闇以外の属性の魔法に付与することができる・・・か?」


「あっ、先生だーなんでここに?」


「別に、ただ暇だったから王城内を散歩してるだけさ。で、合ってるかい?」


 俺は宮城の後ろに立って代わりに答えてやった。


「え、えぇ、だいたい合ってます・・・ですがなぜわかったのです?」


「教師の勘ってやつだ」


 柔らかい笑みを浮かべ、邪魔したなと魔法研究所を後にした。その後、俺は自室に戻り一服しながらある一冊の本を読んでいた。


「魔道書」


 この世界ではそう呼ばれている本だ。帰り道本棚にあったので持ってきて読んでいた。その魔道書は魔法の使い方の上級者用のものだった。正直見たところでよくわからないと思っていたのだが、意外とわかりやすく書いてあって、魔法をあまり知らない俺でもわかった。


「なるほどな・・・。適正魔法を調べるには手を前にだして、そこに魔力を出すようにするのか。ふむ・・・」


 魔道書に書いてあるとおりに、手を出したがそもそも魔力を出す方法を知らなかった。


「こういうのはたいてい、イメージが大切なんだよな。体内にあるものを外に出すイメージ・・・っと、できたな、どれどれ」


 そうして出来た魔力の塊の色によって適正魔法を決めるらしい。赤=火・青=水・緑=風・黄色=雷・白=光・黒=闇・・・そして異常魔法イレギュラーマジックと呼ばれる魔法がある。異常魔法の色は灰色で出てくる。


「おっ?灰色だな。ってことは異常魔法か・・・どんなだろうなぁ・・・」


 そういいながら、魔力の塊を、消そうとした時に気づいた・・・消し方わかんねぇ・・・ちょっ、まじどうすんだこれ・・・!?


 その後、魔力の塊を制御できず。そのまま魔力がなくなるまで魔力を出し続ける羽目になった・・・。




 次の日、俺と勇者たちは王のもとに呼び出されていた。なにか急ぎの件らしく随分慌てた様子でやってきた。


「お呼び立てして済まない勇者様がた・・・。実はこの国の近くにダンジョンが出現したのじゃ。勇者様方にはこのダンジョンに潜ってもらい、ぜひクリアして欲しいのじゃ。もちろん勇者様たちだけでは行かせない。騎士団長のジークに付き添ってもらう」


「おう、知ってると思うが俺がジークだ。ダンジョンに行く前に忠告しておく、これから向かう場所は殺すか殺されるかの場所だ。甘い考えは捨ててもらう。いいなっ!!」


「「「「「はいっ!!」」」」」


 おーおー、頑張れよー。俺は軟禁されてるからいけないけど、応援はしてるからー。そう考えていると、国王は俺に申し訳なさそうにこういってきた。


「ケイ殿には、ここで待機しててもらう。お主の存在がバレるわけにはいかんのじゃ・・・すまぬ」


「別にかまわない。が、生徒の誰かしらが死んでみろ。この国滅ぼすからな?」


 殺気を含ませた目で国王を睨むと、騎士たちが俺の周りを囲んだ。


「きさま!!国王に向かって無礼であるぞ!!!」


「やめんか!!お主たち!!」


 国王が怒鳴り、騎士たちが下がっていった。


「すまぬな。でも約束しよう、このモノたちは絶対に殺させはせん!!」


 国王の目には決意が込められていた。だからすんなり決心出来た。


「それが聞けただけ十分だ・・・さて、俺は役目を終えたな」


 俺はそう言うと国王陛下に跪き。こういった


「国王陛下、折り入って相談がございます。私に旅をさせてくだい!!」


 そのセリフを聞いた瞬間周りがどよめいた。


「なぜ、旅に出たいと申す・・・」


「俺は、この世界のことを知らない。だからじ自分の目でこの世界を見てみたいのです」


 ふむ・・・と国王は少し考え首を縦に振った。


「よかろう・・・ただし条件がある。お主が異世界から来た勇者のひとりであると他言はしないでくれ」


 俺がわかった約束する、そう言うと国王は迷惑料と今後のことを考えて俺に資金を持たせてくれた。でも生徒たちはそれを黙って見ているわけには行かなかった。


「せ、先生?冗談ですよね?」


 隼也がそう聞くが俺は何も答えず、玉座の間を後にした・・・。もちろん思うところがなかったワケじゃない。むしろ一緒に闘って行きたかった。でも、やりたいことができたんだ。許せ・・・。そう思いながら俺は、王城を後にした。


 さて旅を始めよう。





前回ヒロイン出すとか言ったなあれはうそだ。

すみません!!じ、次回には必ず!!

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