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プロローグ


新作です。ちょこちょこ更新していきます。


 俺こと時崎灰ときさきけいは今、かつてない修羅場を迎えている。目の前には盗賊後ろには騎士団。上空を舞う魔物たち。


「どうしてこうなった・・・」


 時を遡ること一週間前、俺は常磐情勢高校の教師をしている。その日は、いつまでも帰らない生徒を注意しに自分の教室に入った。案の定が五人の生徒が残っていた。窓際で楽しく雑談していた。右から井戸田隼也いとだしゅんや堀部莉奈ほりべりな九条大毅くじょうだいき宝条玲ほうじょうれい宮城紗季みやしろさきだ。こいつらは毎日といっていいほどずっと残って雑談している。話題尽きないのかよ。まぁいいや・・・さっさと注意してタバコ吸いに行くか・・・。


「おい、おまえらさっさと帰れy・・・!?」


 注意しながら教室に入った瞬間、俺の足元が浮いた。生徒たちを見ると、生徒たちも何が起こっているのかわからないという顔をしていた。そして口々にこういっていた。


「な、なによこれ・・・」


「私たち浮いてるの・・・?」


 うん、確かにお前らはほかの連中から浮いてたよ。


「みんな落ち着いて、冷静になるんだ!!」


 とりあえずお前が落ち着け・・・。はぁ、しょうがない・・・。


「おい!全員無事か!」


 俺が声をかけると、全員安堵したような顔になった。そうして、宝条が俺に問いかけてきた。


「先生、これは一体何ですか・・・?」


「すまん。俺にもさっぱりだ」


 そう答えると、生徒たちは一気に不安の顔になっていた。そりゃぁそうだろう。俺だって不安だからな。そう思っていると足元に魔法陣みたいなものが浮かび上がったと思ったら、目の前が真っ白になった・・・




 次に目覚めると教室とは全く違う場所に来ていて、目の前にはファンタジー小説に出てきそうな王様が立っていた。生徒たちはぽかーんとしていて、状況が読めていなかった。そうこうしていると、王様らしき人物が話しかけてきた。


「召喚に応じていただき、誠に感謝しております・・・勇者様」


 やはりそうか、これは異世界召喚なるほどな・・・


「まず3っつ聞きたいことがある。ここはどこで、なぜ呼ばれたのか、元の世界には帰れるのか。答えてもらおうか」


 俺がそう聞くと、王様の隣にいた騎士が、殺気を放っていた。おおかた、無礼だとかそんなところだろう。


「うむ、まずここはアナードという世界じゃ。そして何故呼んだかじゃな?それは、この国の勇者として、この国を救って欲しいのじゃ。この国はいま魔族の手に落ちようとしているのじゃ、じゃからどうか力を貸してくれんか・・・」


 王様が手を差し伸べてくる。ふん・・・全くテンプレ過ぎて笑えてくる。おおよそ帰る手段も魔族を消せば帰れるとかほざくんだろうな。そう思っていると、隼也が立ち上がり、王様の手を取りこういった。


「わかりました。俺たちの力でよければいくらでも貸します。みんなもいいよな?困ってるみたいだし」


「「さんせーい!!」」


「よくわかんねぇけど、隼也がやりたいなら俺も協力するぜ」


「わたしも・・・別にいいよ」


 何となくこの状況は読めていた。どうせ何も知らないガキどもを言いくるめて戦争の捨て駒にでもするんだろうな。悪いが、俺はそんなのゴメンだね。そう思っていると王様が感謝の意を述べていた。


「おぉ、ありがとう・・・本当にありがとう・・・魔族がいなくなれば君たちを帰すと約束しよう・・・」


 薄っぺらな言葉だ。俺にはよくわかる・・・アイツ帰す気0だ。目を見りゃァ分かる。俺が一人で考えていると、隼也がこっちに来てこういった。


「先生、ここから移動するそうです。行きましょう?」


「あぁ、そうだな」


 玉座の間に移動し、いろいろ説明を受けた。まず、ココは王都と呼ばれていて人間しか住んでいない。次に、獣国ここには亜人種・・・獣人やエルフなどが暮らしているそうだ。最後に魔国・・・魔族が暮らしているという。そして、今少しずつ、王都に侵略しようとしているらしい。


「さて、最後にお主たちのステータスが見たい、ステータスオープンと唱えると見れるぞ」


「「「「「「ステータスオープン」」」」」」


 さて、俺のステータスはっと・・・は?


 [時崎灰]

年齢 26 男


レベル 1


筋力 10

防御力 10

敏捷 10


[魔法]


[スキル]

物質転移 使用回数5回まで


[称号]

愛煙家 教師 巻き込まれた者


 ・・・弱っ!!!マジかよ・・・。辺りを見回すとみんなステータスは俺の10倍はあった。理不尽すぎる・・・。あと、愛煙家ってなんだ、人をヘビースモーカーみたいに言いやがって、間違ってないけどよ。

俺が心の中でつっこんでいると、国王が話しだした。


「皆のステータスは、この世界の一般人と比べると約2倍といったところであるはずじゃ」


 俺、この世界の一般人より弱いのか・・・泣けるぜ・・・。っと、冗談はそこまでにして、聞いとかなきゃいけないことがあるな。


「なぁ、俺の称号に〝巻き込まれた者”ってのがあるんだが?」


 俺がそう言うと、周りがどよめきだした。ヒソヒソと騎士たちが話している。


「おい、、それってまずくないか?」


「あぁ、アナ様の天罰が・・・」


 アナ様?なんだそいつは、天罰ってことは神か何かか・・・まぁいい興味ないし。


「皆、静まれ・・・確かに由々しき事態じゃ。故に、ケイ殿にはこれより、この王城に軟禁させてもらう」


 まぁそうなるか、真っ平御免だね!!!まぁそう言うと殺されそうだから言わないけどさ。


「わかった。そうしてくれ」


「すまぬ、こちらの不手際だ・・・」


「気にしてないさ」


 その後俺以外は、適正武器と適正魔法を調べるというので、別行動になった。まぁ俺は部屋に戻っただけだけどな。部屋に戻り、いつも吸っているタバコに火を点け一服しながらステータスを眺めていた。相変わらず、変化がねぇな。そういえば、物質転移のスキルまだちゃんと見てなかったな・・・どれどれ


[物質転移]

物質を転移させることができる。異世界からも可能、一度に転移できる数は5つまで、使用限度回数5回


 ・・・は?これもしかして地球からも物質転移できんの?よっしゃ試してみよう。


「物質転移、とりあえずタバコ1カートン五つ」


 そう言うと、手元が光輝き始め、収まると手の上にいつも吸っているタバコの1カートンが五つあった。


「こいつぁスゲェや・・・ん?」


 スキルに新しいのが追加されてる、どれどれ・・・


[喫煙 レベル1]


 うん、もう何も言わない。そう思い、二本目のタバコに火をつけるとステータスに変化があった。


「ん?これ、ステータス二倍になってる?喫煙の効果か?」


 だとしたら、これ吸い続けたら大変なことになるんじゃ・・・と思ったが、タバコは好きなのでやめようなどとは考えていない。


 その日、灰は、1箱のタバコすべてを吸っていた。ステータスはこんなだ。


[時崎灰]


レベル1


筋力 20480

防御力 200480

敏捷 200480


[魔法]


[スキル]

物質転移 使用回数4回 喫煙 

[称号]

愛煙家 教師 巻き込まれた者 


 すげー、なんだこれ・・・タバコ一本で、ステータス二倍だもんな。それを1箱全部吸ったんだ、こうなるわ。チートやん・・・。


 こうして俺の異世界生は静かに始まっていった。







 



 読んでいただき誠にありがとうございます。

次回ヒロイン登場です。

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