帰還Ⅱ
遅くなりました……。
文法もひどいものですね。
精進したいと思います。
〈江長〉
彼はイライラしていた。
黒崎がいまだに戻ってこないのだ。
そもそも筐体による検査自体は能力の大きさによって検査時間に左右されるものではない。どんなに強う能力を持っていたとしてもそれほど差異はないのだ。
しかし、今回は通常の検査時間を過ぎても帰ってこなかったのだ。今はそれから20分ほど過ぎている。
また、事故にあったという連絡も全く来ない。
唯馬は携帯を出すと京矢の携帯に掛けた。
ワンコール、ツーコール……。結局、京矢が出ることはなかった。
「……黒崎が電話に出ないので仕方がないが、2人にこれからのことについて説明する。まずは2人の処遇についてからだ」
2人がこちらに体を向けると話を始める。
「まず、2人にはにはこの組織からの援助がある。
社会的援助として、能力者専用の学校に移ることができる。もちろんそのまま今の学校でも可能だ。
また、随時さまざまな相談も受け付けている。何かあってもすぐに相談が可能だ」
〈黒崎〉
黒崎は病室に運ばれていた。
無機質な白い天井と固まってしまったように動かないカーテン、視界に入るのはそれだけだった。
―また病室か。
シミひとつない天井を見上げながら先ほどであった『神』について思いを巡らせる。
あれをただの夢だろうって一笑に出来るものではなかった。あまりにもリアリティがあり、そして感じた恐怖も本物だった。
笑っているはずなのに自分に向けられる純粋な恐怖。
何気ない動作なのに恐ろしく思える圧倒的な威圧。
「……あれが神なのか」
ドアが開かれて、看護士が入ってきた。
「失礼します。黒崎様、面会の方が来られました」
「どなたですか?」
「それについては私の方から言うわよ。初めまして、私は愚者」
そう言って入ってきたのは一人の女性とぼさっとした男性。
「初めまして、僕は黒崎と言います。そちらの男性は?」
「彼は大之木大悟、研究室長よ。訳あってこんなにぼろぼろだけどいつもはもっとしっかりしているわ」
「……初めまして。大乃木だ。君が先ほど倒れた子か。しかも筐体は壊れ計測不能……。何のミスもなかったのにな。君は大丈夫か?」
そう言って俺の体を調べた。
そして調べ終わると俺の髪をクシャッと撫で、
「おっし、異常はないな。それじゃ何があったか話してくれるか」