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Ⅱ金曜日の偶然(3)

歩き始めて数分、弱くはない雨に打たれると彼女の酔いも少しは覚めると思ったのだが。


「城川さーん、駅こっちじゃないよ…?」

「っ」

方向を変えたことに気付いた彼女が俺の腕を取ったと同時に、柔らかいものが軽く押し付けられる。


わざとなのかと視線で問おうかと思ったが、彼女は至って普通だった。その顔だけは。


彼女の足はおぼつかない。どうやら俺の腕は支えにしているらしい。


「雨がひどくなってきたから、変更」

「?…どこに?」

首を傾ける仕草は小動物のようで可愛いらしい。

「俺の家、といってもアパートだけど。この近くなんだ」


彼女の濡れた髪が顔に貼りつき、コートの合わせ目から見えるワイシャツは下着が見えそうなくらいだ。


酔った彼女をそんな状態で帰らせるつもりは毛頭無い。


「駅まで行くにはまだかかるし、傘も貸せるからね」

抱えられた腕に、彼女が身体を震わせたらしい振動がきた。

「…寒い?急ぐか」




雨は予想外。

―――けれど、まだ。




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