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Ⅴ土曜日の暴露(1)


「ねぇ英里さん、どこへ行こうとしたの?」

幼い子供に向けるような表情でさえも、どこか艶めいた彼の雰囲気にのまれてしまい体が動かない。

「いや、その、帰ろうと…」

こちらに近づいてくる歩みの速さは普通なのに、とてもゆっくりと感じる。

来てほしくないような、もっと近くに来てほしいような、矛盾した思いがうまれる。

顔をのぞきこむように頭を下げてきて、私は自分が俯いていることに気がついた。

彼の手が私の頬に触れた瞬間、思わず私は走り出そうとしが、それは叶わなかった。


ぎゃー!

心の中でそう叫ぶほど、私の頭は混乱していた。

「英里さん逃げちゃ駄目でしょ」

後ろから両腕で抱きすくめられて、彼の胸に触れる背中が燃えるように熱い。

心臓が激しく鳴り、音が体を通して伝えられそうなほどだった。

「逃げなきゃ奪われる!」

今朝に言われた言葉が頭をよぎる。

―――大人しくしないと、襲うよ?

「何が?」

ぎゅ、と逃げられない程度に力が入った。

処女だなんて言えるかー!!

「私の身体が」

「…へぇ」

まずい、非常にまずい気がする。




こうして冒頭に至るのでした。

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