「敗北は終わりではなく、教訓である。」
アーサーは練習を続けていた。すでに19時。
さまざまな位置からシュートを繰り返している。
シュートの芸術を理解したい。コーチのアドバイスを思い出す。
「常にサポート足を狙う場所に向けろ。ボールが当たる場所が、行く場所だ」
20メートルからシュート。
きれいに入ったが、アーサーは拳を強く握った。
簡単なゴールなんて目標じゃない。
もう一度。
「どうやって蹴るか」じゃなく考えるな。
隅を視覚化する。目標は隅だ。
それが狙いの極意。蹴り方じゃなく、どこへ。
アーサーは位置につき、短い助走。
左足を置き、ボールの下部をインサイドで。
ボールは地面を離れ、軽くカーブを描いて隅へ向かうが、わずかに外れ、数メートル転がってヴァートが止める。
「やあ、アーサーくん。元気?」
ヴァートが優しい声で、日本式の礼をしながら。
「まあ……やる気はあるよ。置いてかれないようにしないと。
あのシュートをブロックできてたら、引き分けだったのに」
視線を逸らしながら。
ヴァートは微笑む。
「よかったら手伝うよ。一人で練習するのはいいけど、誰かの助けが必要だと思う」
アーサーは興味を引かれ、眉を上げる。
「うん……本当に助けてほしい。
俺のシュート、いつもズレるんだ。精度を上げたい」
ヴァートはゆっくり首を振る。
「いや、アーサーくん。
ボールに頭をくっつけたままじゃなく、頭を使ってプレーすることを学ばないと」
アーサーは眉をひそめる。
「そんなのいらないよ。視野は広いし、ボールに集中できる」
当たり前だと言わんばかりに。
ヴァートは笑みを消す。
「確かに君の視野は広い。でもそれは、
『銃はいらない、鋭い弾があるから自分で投げればいい』って言ってるようなものだよ。
そんな考えがどれだけ馬鹿げてるか、分からない?」
一切の遠慮なく、強い視線で。
アーサーは視線を落とし、拳を握る。
「……かもな。……そうだと思う。
どうやったらいい?」
助言を求めるように。
「壁パスをしろ。パスを出す前に左右を2回見ろ。
ボールが返ってきたら、最低2回、周りを見ろ。
体に染み込ませるんだ。
ドリブルなら、ボールを見ながら、次に相手や障害物を想像して見ろ」
今は少し柔らかい声で。
数時間後。
アーサーは一人でその練習を繰り返す。
きつい。怠惰を捨てるような苦しさだ。
汗だくで地面に倒れ込む。
「ハァ……もう無理……」
空を見上げ、父の言葉を思い出す。
「行ったって、目立てる保証なんてないだろ? プロになれる保証なんて」
目立たないと。父の挑戦を受けたプライドがある。
遅かれ早かれ、向上しなければならない。
最初の2年間はそれほど重要じゃない。
大事なのは3年目と4年目、特に3年目だ。
教室にはチョークの匂いが充満し、メリー先生が黒板に書きながら説明している。
アーサーは窓の外をぼんやり見つめ、退屈。
隣のソニーは真面目にノートを取る。
後ろのコイは無表情で二人を見ている。
その隣のソフィはノートを取りながら、アーサーの怠惰に軽蔑の視線を投げる。
授業は特に事件もなく進み、メリーがさらっと。
「そういえば、次の試合は1C相手。来週だ。
勝てるかは疑わしいけど、せめて1点は取ってほしい」
平坦な声。
ケルミンが即座に傷ついた顔。
「は? Nein nein……絶対勝つよ。俺がハットトリック決める」
だが隣のタルミが肘で黙らせる。
チャイムが鳴り、生徒たちが退屈そうに飛び出していく。
アーサーが荷物をまとめていると、ヴァートが優しい笑顔で近づく。
「アーサーくん、ヤミと一緒に練習しない?」
アーサーは軽く頷き、ついていく。
グラウンドに着くと、ヤミがいつものようにリフティングを始める。
アーサーは好奇心から。
「なあヤミ、俺もお前のレベルでドリブルできるようになるにはどうしたら?」
ヤミはリフティングを止める。
「うーん……すっごくクリエイティブになること。
あと、怖がるのをやめること。
相手なんていないと思ってプレーしろ。動く像だと思って。
あと、足のシンクロが大事」
魔法の秘訣じゃない。ただの基本。
アーサーはゆっくり頷く。
そこへソニーが優しい笑顔で現れる。
「やあみんな。2対2やらない?」
ヴァートが興味を示し、アーサーは黙って、ヤミが興奮。
「もちろん! 練習になる!」
ヴァートがルールを説明。
エリア外からのゴールは無効。GKなし。3点先取。
ミニゲーム開始。
ソニーがセンターサークルからアーサーへ。
アーサーはヤミの言葉を思い出す。
ヴァートが素早くプレス。
アーサーはクロケットを試みるが、ヴァートに簡単にカットされ、前進される。
アーサーは慌ててヴァートの前に立ち、足を入れるが、ヴァートは股抜きパス。
そのままエリアに入り、軽くタッチでゴール。
ソニーは苛立たず、優しく。
「アーサー、ドリブルって派手なトリックだけじゃないよ。
どこかでスペースを作ること」
アーサーは頷きながら、拳を握る。ボールを見つめている。
ソニーが再びキックオフ。アーサーが受ける。
ヤミがプレス。
アーサーはクリエイティブに。スペースを開く。
ソニーへパスできないので、ターン。
ヤミが背後を追うが、アーサーはすでに前に。
右足で軽く曲がる低いパスをソニーへ。
ソニーは微妙なタッチでヴァートを置き去りにし、エリア内でシュート。
ヤミが笑う。
「すげーいいトリック! アート、超面白い!」
ヤミがキックオフ。ヴァートがボールを持ち、ソニーをエラスティコでかわし、アーサーにフィルターパス。
ヤミが受け、エリア内でヒールでふざけて決める。
「惜しかったね、アーサー! でも俺の方が上だよ〜」
アーサーは苛立つ。
ソニーがキックオフ。アーサーが返すが、ヴァートが簡単にカットし、反対サイドへ。
ヤミが走り込み、アーサーが追うが、ヤミは股抜きパス。
ヴァートがエリアで受け、軽く押し込んでゴール。
結果3-1。
小さな試合だが、アーサーは何度もミス。
ソニーは笑顔で去り、アーサーは疲れて帰る。
3日後。
アーサーは休まず練習を続けた。
進歩はある。今はそこまで悪くない。
まだ下手だが、改善した。
クラスにとって「負担」ではなくなった。
「役立つ」とまではいかないが、少なくとも足を引っ張らなくなった。




