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前世を思い出した社畜は元大魔導士の力でダンジョンを無双する  作者: プラントスクエア


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第9話 初ダンジョン

冒険者国家試験に挑戦していた章司。結果は合格となり冒険者ライセンスカードを手に会場を出る。


「これで俺も冒険者か……まさか32歳で冒険者になるとはな~……ちょっと前だと信じられないことだな……」


ライセンスカードを見て感慨にふけっていると叫び声が通り過ぎて行った。


「よっしゃあああああああああああ!!!!!!」


それは例の”ウザ太郎”こと和田太郎だった。何年間も挑戦し毎回のように不合格を獲得していたらしい男もあの様子だとついに合格したらしい。


「……やっぱり27には見えないよな……」


そうして走り去っていった和田太郎を見ていたら章司は声をかけられた。


「章司さん!」


その声に振り向くとそこには章司が訓練用ダンジョンで話しかけた春夏冬(あきない)美笑(みえ)が嬉しそうな笑顔で冒険者ライセンスカードを見せていた。


「私も合格しました!章司さんのおかげです!ありがとうございます!」


そうして勢いよく頭を下げる美笑。


「いやいや。俺はちょっとアドバイスをしただけだし頑張ったのは美笑ちゃんだよ」

「そんなことないです!章司さんのアドバイスがなかったら合格なんて絶対にできなかったです!本当にありがとうございます!」


よほど章司に感謝しているようすの美笑。そんな美笑と少し話して別れた後に章司は考える。


「さて……これからどうするか……まだ陽は高いから今からダンジョンに行ってみてもいいな……」


悩むふりはしつつも章司の心の中ではすでに答えは決まっていた。


「でも近場だと合格者が多そうだから少し離れた場所のダンジョンに行くか」


というわけで章司はタクシーで近くのダンジョンではなく少し遠い場所にあるダンジョンに行くことに。タクシーで約30~40分程度を走り到着。


「はいよ!頑張んなよ兄ちゃん!30代は老け込む年齢じゃねえぞ!」

「ははは。ありがとうございます」


タクシーの中で話が弾み自身について話した章司。もちろん前世の話は抜きで数ヶ月前に倒れたことを機に能力が目覚めたことやついさっき冒険者国家試験に合格したことなど。しかし試験を受けに来た受験者はその多くが20代だったことを自虐的に伝えた結果があの返答だった。


「本物のダンジョンはどういうところなんだろうな~」


ダンジョンの入り口は政府によって管理がされておりライセンスを見せなくてはダンジョンに入れないようになっている。さらにダンジョンを出た際には必ず政府の鑑定所に行かなくてはならずダンジョンで入手したすべての物はそこで鑑定される。だがなにを売却しなにを売却しないかはその冒険者の自由となっている。


章司も先ほど手に入れたライセンスを見せる。


「確かに確認いたしました。どうぞ」

「ありがとうございます」


こうして章司は初めてダンジョンに踏み入った。

/////

黒いモヤを通り章司がやってきたそのダンジョンは草原が広がっている草原タイプで出現モンスターはランク1~2。初心者の章司が最初に潜るには最適なダンジョンとなっている。


「おお……ここがダンジョンか……」


ダンジョンに入った章司の視界には360度どこを見ても大草原が広がっていた。山も森も一切見当たらない。


「……俺はあれだけど……普通の人は驚きだろうな~……」


章司は自身で作り出した異界に行くことができるので違う世界に行くということに関して感動はない。


「モンスターもチラホラいるけど……そこまで多くはないんだな……」


周囲を観察してみるとそこには角の生えたウサギや大きなバッタなどいくつかのモンスターが見受けられるが章司の想定よりも少なかった。


「とりあえず冒険を始めるか」


章司の冒険者として初のダンジョン探索が開始された。


「ふんふんふ~ん♪お!あった!」


章司は鼻歌を歌いながら上機嫌に特徴的な形をしている草を採取。それを抜き取ると空中に画面が表示されその草の名前が表示される。


「ヒル草ゲット!本当にどこにでもあるなこれ」


それは治療効果もあるヒル草。比較的どのダンジョンにでも生息するダンジョン資源の中でもポピュラーなもの。


「キイイイ!」


ダン!


そんな時に章司に対してアルミラージが敵意むき出しで跳びかかる。アルミラージは脚力が高く高速で跳び自慢の角で章司を刺し貫こうとしている。


ザザザザザザッ!


しかし所詮はランク1のアルミラージ。章司が無詠唱で放った土系統魔法≪草の針千本ミッレ・アークス・ヘルバールムによって数多(あまた)の草によって逆に刺し貫かれて殺された。そしてアルミラージは死亡すると光となって消えて後に残ったのはアルミラージの角という素材のみ。


「もう5本目だぞ……大きな鞄とか買わないとかもな……」


章司はそうアルミラージの角を拾いながらぼやく。着の身着のままでダンジョンにやってきたので小さな鞄しか持ってきていないために多くの素材や資源を持ち帰ることができない。


「いいじゃないですか!毎回こうやって私が持ちますよ!ご主人様(マスター)に召喚されるのは嬉しいですし!」


ちなみに章司はヒル草だけでなくほかにも草や鉱石などのダンジョン資源やモンスターの素材を拾った結果、小さなカバンでは持ちきれなくなってしまったので召喚系統魔法≪眷属の呼び出しエウォカティオ・ファミリアリスにてエリュシオンのメンバーを1人召還した。今回はその召喚によってやってきたのはみんなの妹・元気っ娘アンシュだった。


「そういうわけにはいかないだろ。今はアンシュに持ってもらってるけど帰るときはアンシュはいないわけだからな」

「ええ!?なんで!?どうしてですか!?」

「なんでもなにも……入るときに一緒に来てないんだし冒険者じゃないアンシュがどう言われるかわからないだろ?」

「そんな~……せっかくじゃんけんに勝ったのに……」

「……そんなことしてたのか……」


こうして章司の初ダンジョン探索は続く。

読んでくださりありがとうございます!


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