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前世を思い出した社畜は元大魔導士の力でダンジョンを無双する  作者: プラントスクエア


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第7話 冒険者国家試験②

冒険者国家試験が開催される試験会場へと案内された章司。どうやら試験会場はいくつかあるらしく数百単位のグループで分かれて試験は開催されるらしい。


「こちらが皆様が試験を受けることになる試験会場となっております」


そういって案内されたのは学校のグラウンド以上の広さを持つ場所。内装は無機質でなにもない。


「こちらの試験ダンジョンにて少々お待ちください」


数百人はいそうな受験生だがその口数は少ない。


「(やっぱり若い子が多いし緊張してるんだろうな)」


章司がチラチラと周りを見てみると例の和田太郎がいたり先日の春夏冬(あきない)美笑も発見した。


「(同じグループだったのか)」


そこで同じグループであるということに初めて気が付いた。そして章司は緊張している様子の美笑が抱えている武器を見る。


「(今日はハンマーか。この前の二刀流よりは扱いはしやすいだろうが……大丈夫か?)」


話しかけて緊張をほぐそうかと考えていると突如として空中に映像が投影された。そこには片目に眼帯をしている男が映っていた。


『私はダンジョン対策省冒険者管理局局長の東崎(あずまさき)だ』


ダンジョン対策省とはその名の通り十年前に突如として生まれたダンジョンという未知の存在を調査し運用する政府の省庁。冒険者管理局はその下に位置する冒険者を管理する文字通りの組織。


「おいおい。まさかの大物じゃねえか。なんで局長レベルが?」

「知らねえのか?東崎局長は何回かに一度はこうして冒険者国家試験に顔を出すんだよ」

「なるほど……さすがは日本初の()()()()()()ってか?」

「元だけどな」


どうやら映像に出ている東崎という四十代ほどの男はただの政府の人間というわけではなく元冒険者らしい。しかも相当な強さと功績を上げなければ昇格できない現在の日本で片手で数える程度の最高ランク三ッ星冒険者。


*冒険者にはランクが存在する。試験に合格したばかりでは一般冒険者。様々な功績をあげることで一ッ星冒険者となりそこから二ッ星→三ッ星と昇格していく。ちなみに冒険者のことを星なしや星ありという者たちもいる。


『これよりお前たちには冒険者になるための試験を受けてもらう。 冒険者とはこの世で()()()()()()職業だ……毎年多くの死亡者が存在する……私のように傷を負っている者も少なくない』


そう言って東崎は右眼の眼帯を外す。するとそこには眼球ではない別の物が埋め込まれていた。


『私は日本初の三ッ星冒険者だった……当時では日本最強であり世界でも指折りの実力者だっただろう……そんな私でもこのような傷を負い……私以外の仲間をみな死んだ……あの状況で生きている私はラッキーだったと言わざる負えない……』


その東崎の演説に受験者たちは恐怖し・後悔し・逃げ出したい気持ちになる者もいる。


『それを覚悟で冒険者になろうとしている諸君には敬意を払おう。私は二度とダンジョンに挑みたいとは思えないからな』


そういいながら東崎は眼帯を元に戻した。


「(ダンジョンに幻想を抱き憧れる若者に対しての注意喚起のようなものか。 まあ相当に効いているものもいるようだが)」


ちなみに章司は勘違いしているがこれは注意喚起などという優しいものではない。これも試験の一環で覚悟を見られ振るいにかけているのだが、当然ながら前世にて数々の激戦を経験しついには世界も救った大魔導士には東崎の脅しはその程度という認識となった。


『ルールはすでに伝わっている通りだ。資源を確保し・宝箱を発見し・ダンジョンモンスターを討伐せよ』


東崎がそういうと無機質で何もなかったその場所が突如として草原に変わった。あたりには岩がごつごつとしており地上では見ることのないいわゆるダンジョン資源も見える。いよいよ始まる予感が漂い始めてきたため受験者たちは開始の合図を待って東崎を見る。


『なにをしている?もう試験は始まっているぞ?』


そう声がした次の瞬間にモンスターが生み出された。


「グガアアアア!!」


その一体を皮切りに続々と生み出されるモンスターたち。いまだ開始の合図がなされていない現状に困惑する受験者。


『言われたはずだぞ?お前たちがいる場所はすでにダンジョンだ』


そこで多くの者が思い出したのが案内したスタッフの"試験ダンジョン"という言葉。そこからは慌てたように四方に散り合格のために受験者たちが動き出す。


「(なるほど……これが冒険者国家試験か……)」


章司もほかの受験者から遅れる形になったがダンジョン資源を確保していく。


「これは……魔石か?こっちの草はキナ草っぽさがある。名前は違うかもしれないが前世で見たものと似たものが多いな……」


そうブツブツと観察しながらダンジョン資源を確保していく章司。ちなみにそれらは当然ながらホログラムの偽物のため採取するとその場で消えてポイントとして加算される。


「なつかしいな……若いころはこうしてキナ草を採取して小銭を稼いだものだ……」


意識が九十九章司からアーク=レイヴンに自然と切り替わってしまっていることに気づかないまま採取を続行する。たまに宝箱を発見しながらそれはまるで散歩をするかのように。もちろんのこと章司を狙ったモンスターも存在するがそこは章司は見ることもなく魔法名を唱えることもなく無詠唱にてモンスターを吹き飛ばしている。


*ちなみにこの魔法は風系統魔法≪吹き飛ばす風ウェントゥス・アウフェルト≫という突風を放つ魔法。これにて章司はモンスターを遠ざけている。


「……そういえば美笑ちゃんは……」


周囲の阿鼻叫喚(あびきょうかん)する受験者と違いなんの危険も感じていない章司はそこで美笑のことを思い出し探してみる。そして発見したのは一心不乱にハンマーを振り下ろし地面を揺らしている美笑だった。


「あれからたったの数日なのに動きが段違いだな……相当に頑張ったんだな……」


あの分だと合格は問題ないだろうと判断した章司はとうとう動き出す。


「さて……俺も合格に向けて動かないとな」


十分に採取を楽しんだ章司はモンスターの討伐でもポイントを稼ごうと動きだそうとした瞬間。


ダッ!キン!


章司は何者かに剣にて襲われた。その胸元には受験番号は存在しない謎の人物が。


「ぐわああ!?」

「なんだこいつ!?」

「試験官!?変な奴が紛れ込んで!?があ!?」


あちこちで悲鳴が聞こえてくる。目の前の人物を見るとニヤリと笑みを浮かべているのがわかる。しかし見ているはずの東崎などのスタッフには動きがないところを見て章司は察した。


「なるほど……これも試験のうちというわけか……」


この試験は一筋縄では終わらないらしい。

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