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前世を思い出した社畜は元大魔導士の力でダンジョンを無双する  作者: プラントスクエア


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第4話 訓練用ダンジョン

冒険者国家試験まで数日となった今日。章司が電車に乗り3つ先の駅までやってきたのは政府が運営する訓練用ダンジョンに挑戦するためだった。


「ここか。しかし前世からしたらこの世界の科学力はすごいな」


自動扉を通過して建物の中へ。すると試験前だからか20代の若者が結構多い。章司は中央にある受付へと向かう。


「訓練用ダンジョンを使用したいんですけど」

「かしこまりました。それではこちらにお名前をお書きして少々お待ちください」


そうして名前が呼ばれるまで椅子に座って待っていると30分程度で呼ばれた。


『九十九章司様。九十九章司様。準備が整いましたので受付へとお越しください』


そのアナウンスに沿ってそちらへと向かう。


「お待たせいたしました。それでは軽くご説明いたします」


章司が説明されたのは訓練用ダンジョンについて。それによるとこの訓練用ダンジョンは本物のダンジョンを解析し作り上げたものであり本物のダンジョンではない。ダンジョン資源などもなく実際のダンジョンモンスターとの戦闘に慣れるための施設。出てくるモンスターはホログラムで生成されているモンスターであり強さはダンジョンモンスターの最低ランクに設定されている。


「そして戦闘に関してでございますが九十九様が3回攻撃を受けると死を意味して敗北となり一度リセットされます。さらに首を切断されるなどその一撃で死亡するようなダメージを受けてしまえば即死判定となり1回の攻撃で敗北となりリセットです。しかし九十九様に実際のダメージなどはございませんのでご安心ください。なにかご質問はございますか?」

「リセットというのはどうなるんですか?あとダンジョン内には俺1人ですか?」

「訓練用ダンジョンは長い通路のような場所になっておりまして端から端まで行っていただく構図になっております。そしてリセットは最初の地点へと()()を意味します」

「転送?」

「はい。こちらの端末バンドを両手両足に装着していただきまして敗北となればこちらの4つの端末バンドが作動してダンジョンの最初の地点へと瞬間移動するようになっております」

「瞬間移動……それを科学の力で?」

「はい。こちらは1年前に開発された技術でございます」

「科学……それはすごいな……」


この章司の驚きは瞬間移動についての驚きではなく科学の力で瞬間移動を成し遂げたことへの驚き。当然アーク=レイヴンの時には瞬間移動は自由に行えたのだが、それを魔法なしで行うということにアーク=レイヴンは驚愕した。


ちなみにほかに人はいるとのことで5回のリセットで終了となるらしい。


「ではご案内いたします。こちらです」


案内される章司。そしてたどり着いた部屋にて端末バンドを4つ装着してダンジョンルームへ。


「ちょっと楽しみだな」


偽物とはいえ章司は久しぶりの戦闘に少しワクワクしていた。ダンジョンルームへと入るとそこは洞窟のような見た目をしている。しかしこれはホログラムで映し出されているだけで本当は1本の長く広い道があるだけらしい。そして入った瞬間に聞こえてくるほかの利用者の声。


「紅刃!」

紫熊の右腕ヴァルガ・ライトアーム!」

葉片の操作(リーフコントロール)!」


普段は街中で能力の使用は禁止されているために滅多に見ることはないが部屋へと入った瞬間に能力をその目で見ることになった。そして偽物とはいえ章司としても見るのは初のダンジョンモンスター。それは二足歩行から四足歩行から鬼のようなモンスターもいれば蜘蛛の化け物のようなモンスターも。


「あれがダンジョンモンスターか……魔物とそう変わらないな……」


章司の前世であるアーク=レイヴンの世界には魔物が存在していたので似た姿に懐かしさを感じたようだ。そんな部屋へと入り数秒は中をぼうっと見ていた章司のもとにモンスターが襲い掛かってくる。


「ブモオオオ!!」


それは優に2mを超える金棒を振り回す二足歩行の牛のモンスター。


「まずはこいつで小手調べだな」

「ブモオオオオ!!」


振り下ろされる金棒。実はダンジョンモンスターにはランクが1~6存在しこの訓練用ダンジョンに出現するのは()()()()が1である。しかし設定によりごくたまにランク2が出現するようになっておりそれを訪れた者に知らせることはない。理由としては出現するモンスターのランクが固定されている本物のダンジョンにも極たまに固定以上の強さのモンスターが出現することがあるため。それは冒険者に憧れを持ちダンジョンを舐め気味な若者をビビらせるため。


そしてこの牛のモンスターはそのごくたまに出現するランク2のミノタウロス。


「|土系統魔法≪阻む土のアッゲル・インペディトゥス≫」


ガガー!


振り下ろされた金棒は章司が生成した土の壁を半分ほど破壊して止まった。


「お?半分は壊されたか。それじゃあ耐久力は?」

「ブモ!」


金棒が止められたと理解したミノタウロスはそのまま土の壁を反対の腕でパンチして破壊。


ドゴン!


しかしその突き出た腕に章司は魔法を放つ。


「|風系統魔法≪断ち切る風ウェントゥス・セカンス≫」


ザン!


今度は風が集まり放たれたそれはミノタウロスの突き出た腕を切断した。


「ブモオオオオオオ!?」


腕を抑えて後ろによろけるミノタウロス。


「本当に本物っぽいな……すごいな科学って……」


その後武器も手放し片手もなくしたミノタウロスはすぐに章司に討伐された。章司からしたらランク2でも敵とはならず弱れども邪神を討滅した大魔導士はなおも健在だった。

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