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前世を思い出した社畜は元大魔導士の力でダンジョンを無双する  作者: プラントスクエア


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第2話 エリュシオンとラグナ

--2056年7月--

章司は退院まで5ヶ月のところを魔法を使用してわずか約2週間ほどで退院することができた。それには担当していた医者を含めて病院中が驚愕していた。そして章司はマンションの自宅へと帰ってきた。


「はあ……久しぶりに帰ってきた~……」


ソファーに座って一息つく。前世を思い出しアーク=レイヴンとなったとしても九十九章司の心が消えることはなく自宅は安らぐ場所となっているようだ。


「このままゆっくりとしてしたいが……今後のためにも魔法の練習がしたいな……」


章司は現在勤めていた会社が倒産したため無職。そのため今後についてを病院にて考えていた。そして決めたのが冒険者になること。


「魔法が扱える以上一番楽に稼げる冒険者にならんわけがない」


冒険者はダンジョンにて命を懸けてモンスターと戦う職業。そのため毎日多くの冒険者が死亡している最も過酷な職業として世間では認識されているが前世にて神殺しさえも成し遂げた大魔導士からしたら戦うことが日常のためそこの恐怖はほとんどない。


「魔法の練習をするならば一番最適な魔法が存在するが……果たして現状の俺の力で発動できるのかどうか……」


章司は不安に感じながらも家の中で魔法を発動しようとする。発動させる魔法は()()()()()であるため本来のアーク=レイヴンであれば無詠唱で魔法名さえ言わずとも発動できるのだが、現状の九十九章司で可能かという疑問がある。


「ふう……久しぶりの詠唱だからな……覚えているかという問題もある……」


そう言いながらも章司はとある魔法の詠唱を始めた。


「|世界を結ぶ扉よ、我の前に出現せよ《スルゲ・ポルタ・インテル・ムンディ》!召喚系統魔法≪異界へのポルタ・アリエナ≫!」


不安に思いながらの戦術級魔法の詠唱。しかし結果は見事に章司の前に扉が出現した。


「なんとか発動できたか。 まさか再びみんなに会えるとはな……」


ガチャ


そう(つぶや)きながら章司は扉を開く。その先に広がっていたのは大草原に大きな山々。そこはかつてアーク=レイヴンであったころに作成した1つの世界だった。そしてそこにアーク=レイヴンは眷属たちを住まわせていた。


「……まるで変わってない……」


扉を閉めて数歩歩く。二度と見ることのないと思っていた景色を見て章司は感傷に浸っていたのだがその感傷を切り裂きようにとんでもないスピードで章司へと向かってくる存在がいた。


「……ちゃんと手加減してほしいんだが……」


ビューーー!!


ご主人様(マスター)ーーー!!!!」


バドーン!!


それは空からやってきた天使のような翼を生やした者であり超高速でやってくるとそのまま章司に抱き着いた。しかしその衝撃は見事にコントロールされており章司の周囲の地面が被害を受けたのみで章司が心配していたような自身への被害はなかった。


「また会えてうれしいよご主人様(マスター)!!ってご主人様(マスター)ご主人様(マスター)じゃなくなってる!?!?」

「ふふふっ。相変わらず元気だなアンシュは」


驚きをあらわにするアンシュと呼ばれた女性。その直後に続々とやってくるほかの天使たち。それはアンシュとは違い静かに着地して片膝をついて主を出迎える。


「お久しぶりでございますご主人様(マスター)。もう一度こうしてお会いできることをうれしく思います」

「……私もエリュシオンの皆と再び会えたこと嬉しく思っているよ……」


先頭にて1人の天使が代表して言葉を発する。エリュシオンとはかつてアーク=レイヴンが邪神などと戦う際にともに戦った6人からなる天使の集団。アンシュはそんなエリュシオン全員の妹のような存在であり今も1人の天使から配置につくように手招きを受けて慌てて片膝をつくアンシュ。


ご主人様(マスター)……お聞きしたきことがございます」

「ああ、理解している。すべてを話そうと思うがその前に……あれを止めてくれ……」


そうして章司が指さしたのは真っ黒の巨大な龍だった。それが全速力で章司の方へと向かってきていた。


「私の知るラグナが皆のように静かに降り立つことができるとは思えないが……どうだ?」


そうエリュシオンへと問いかけた章司。もしかしたら合わない間に成長しているのでは?という思い出の問いかけ。その問いかけにエリュシオンのメンバーが次々に答えていく。


「ラグナちゃんはなにも変わっておりませんよ~ご主人様(マスター)~」

「確実にそのまま突っ込むつもりだと僕は思うな~。ラグナならね」

「でもご主人様(マスター)なら軽く受け止めることなんてできんじゃねえの?」

「……ご主人様(マスター)は弱ってる……」


上からそれぞれ、おっとりしているセシリー*背の小さい僕っ子ツィール*男勝りなキント*言葉数が少ない無口なネル。この4人にエリュシオンたちの妹アンシュにエリュシオンをまとめるリーダー的存在のミューリ。この6人がエリュシオンのメンバーである。


「それも含めて後で話すよ。お願いね」


章司がそういうとエリュシオンたちは(うやうや)しく片膝をつく。


「「「イエスご主人様(マイマスター)」」」


そう言ってエリュシオンの6人が空に地上に配置につく。すると遠くの小さかった存在が徐々に大きく近づいてくる。すると聞こえてくる叫び声。


「グガアアアアアアアア!!!」


その叫び声はそれのみで人を殺してしまいかねないほどの威力を誇るがそれはただただ主であるアーク=レイヴンに会えたことから来る喜びだった。


「念話さえも忘れているところを見るにやはり冷静さを欠いている様子」

「喜んでくれるのはうれしいんだけど……ね……」


そうして冷静さを欠き高速で章司に迫る巨大な真っ黒の龍は・・・


パシッ!グルグルグルグル!


配置についたエリュシオンのたちのアイコンタクトさえも必要としない連係プレイによって繰り出した光の縄にて縛られ地面に拘束された。


「グギャアアア!!グガガ!!」


ドガ!!ドガ!!


しかしなおも暴れ拘束を解こうとする龍。


「久しぶりだよな!この感じ!シビレるぜ!」

「そんなこと!言ってる場合じゃないでしょ!キント!」

「あわわわわ!?ぜ!?全然暴れるんだけど!?どうするのこれ!?」

「大丈夫よ。私たちの役目はこれで終わりだから」

「……しんどい……」

「まったく……本能に心を支配されるとは……情けない」


口々にそういうエリュシオンの面々。そんな声を聞きながら拘束されている真っ黒の龍へと近寄る章司。そしてその顔の鼻先に手を置く。


「落ち着いて……私はここにいるよラグナ……終末龍ラグナウェル……」


すると一気におとなしくなり次の瞬間には黒いゴスロリを着た少女に姿を変えた。


「……ごめんなさい……」


親に怒られている子供のようにしゅんとするラグナ。章司はそんなラグナの頭をなでて安心させる。


「ただいまラグナ」


そういうと今度は先ほどまでのしゅんとした感じは消えさりニコッとした晴れやかな笑顔で章司を迎えた。


「おかえり!アーク!」


こうして章司はかつての仲間と再会した。

読んでくださりありがとうございます!


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