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前世を思い出した社畜は元大魔導士の力でダンジョンを無双する  作者: プラントスクエア


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第1話 前世

今より約十年前の2046年。その日から世界は変わった───世界中にダンジョンが出現しそれに呼応するように超能力に目覚めるものが多発するという摩訶不思議な事態が発生。それは()()()()()と呼称され世界中の国々を混乱させた。


ダンジョンは黒いモヤのような形態をしておりそれを潜ることで地球とは違う別の異界へと進むことができる。その中は地球には存在しない鉱石や草花など未知の資源であふれていた。さらにダンジョンお決まりの宝箱なども存在し多くの者を興奮させた。しかしそこには当然のように地球の重火器がほとんど効かないような化け物=ダンジョンモンスターたちがうじゃうじゃ。それらに対抗できるのが超能力に目覚めた者たちだけだった。


そんな超能力に目覚め危険を顧みずダンジョンに挑む者たちのことを()()()と呼びそれは今では国家資格として国が管理している。

/////

--2056年7月--

「……はあ……はあ……」


時刻は深夜。フラフラと道を歩く男はスーツを着用しているサラリーマンの男。名前を九十九章司(32歳)。彼が深夜という時間にフラフラで歩いているのは地球大変革でも変革が起こらなかった事案・・・社畜だったから。しかしそれも今日で限界を迎え章司はその場で倒れこんだ。


バタン


「(ああ……あと3時間でまた出勤しないと……)」


そうして意識が朦朧となりながらも章司は翌日の仕事を考えながら完全に意識を手放した。次に目を覚ました時に章司は自身に起こった変革を知る。

/////

「うう……」


意識を取り戻し目を開けると白い天井に章司は混乱……するよりも別のことで混乱していた。


「これは……」


混乱している章司は()()()()()()()()()()()をたどりそして()()()()()()()()をたどる。


「……転生、か?……まさか異世界に転生など……このようなことが起こるとは……()()()()と呼ばれた私でさえもこれは予想外だ……」


男の名前は九十九章司。そして前世の名前は大魔導士アーク=レイヴン。かつてこことは違う魔法が普通に存在するような異世界にて人類を否定しこの世から消し去ろうと画策した邪神を討滅したのが大魔導士アーク=レイヴン。彼は世界の救世主であり神殺しを成し遂げた大英雄だった。

しかしそんな大魔導士の前世を持つ九十九章司は大学卒業と同時に入社した会社がブラックであった結果その過酷さからどんどん人はいなくなりどんどん章司の仕事量は増していき、ついには大通りにて倒れこんだような社畜の男。


「……しかし我が事ながら情けない……あのような輩に付き従わされるとは……」


九十九章司としての自身に元アーク=レイヴンはその情けなさからため息をつく。その後に看護士等から知らされたのは章司が務めていた会社が倒産したという情報。どうやら元々務めていた者から訴えられた結果、章司が倒れたという情報も出回ったことで問題はわずか2.3日で拡散され社会的にも大問題となったらしい。


「安心してくださいね。ここの費用もその賠償金から支払われるそうです」

「そうですか。丁寧に説明をありがとうございます」

「いえいえ。仕事のことは忘れてゆっくりと身体を治しましょうね?」

「はい。そうします」


どうやら章司の身体はいろいろとボロボロだったようで倒れてから2.3日は目を覚まさなかった様子。さらには完全に治り退院できるようになるまで約5ヶ月という診断をされた。どうやらただの疲労ではなかったらしい。しかし前世を思い出した章司には大魔導士ということからもわかる通り魔法がある。


「この身体でどこまでの魔法が使えるかはわからんが幸いとしてアーク=レイヴンとしての意識が覚醒したと同時にこの身体に魔力が備わった様子。試さんわけにはいかんだろう」


というわけで元アーク=レイヴンは九十九章司として初めての魔法を行使する。


「水系統魔法≪癒しの水(アクア・サナンス)≫」


そう口にした瞬間に章司の身体が綺麗な緑色の水で覆われた。この水は身体を回復させる水系統の一般魔法。魔法は各系統に分かれており一般魔法などの階級が存在する。ほかに戦術級魔法や戦略級魔法に禁忌魔法という階級があり今回章司が使用した水系統魔法≪癒しの水(アクア・サナンス)≫は一般魔法に分類される。

本来であれば現在の章司の状態を完治させるのに適した魔法なのだがどうやらそう簡単な話ではないらしい。

*ちなみに個室なためその光景を目撃している人はいない。


「うん?上手く魔力が扱えない?どういうことだ?」


魔力を扱うことに関しては呼吸をするかのように・手足を扱うかのように意のままに操ってきた元アーク=レイヴンにしたら異常事態だった。だがそれもすぐに判明する。


「なるほど……いま魔力が目覚めたばかりが故にこの身体が魔力に適応できていないということか。 これは当時のように魔法を使うには時間を要しそうだな……」


章司の身体はそれまで魔力などは存在せず急に現れた力にまだ適応できていない。今は魔力適応率1%といったところ。本来であればそんな状態では魔法を発動させることはおろかまともに魔力さえも扱えないのだが普通に魔法を放ったところはさすがは世界を救った大魔導士。


「ふう……さっきの看護師さんの言うとおりにゆっくりしておくか……」


こうして社畜が過ぎて倒れた九十九章司は大魔導士だった前世を思い出しその魔法は再び世界を救うことになる。

読んでくださりありがとうございます!


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