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癒しの棲家へ再び

 僕はそれからしばらくルクとノンの生活が落ち着くまで


こっちで日々を過ごしていた。あれから何事もなく平和な


毎日を過ごしている。ミロクにも今のところこれといって


異変はみられず、いたって元気そうだ。僕は少し安心して


いた。しかし、僕たちはまだルクとノンに僕の事、ミロク


の二重生活の事は言えてなかった。ミロクとアバンは


ふたりを信じると言ってはみたものの僕の気持ちや


これからの事を考えたら次の一歩を踏み出せずにいた。


僕個人としては無理に話すことはないと思っている。僕が


何かのキッカケでもうこの異世界に来れなくてなることも


あるかもしれない。それはミロクにも同じことが言える。


ミロクだって何かのキッカケで僕の世界に来れなくなる


かもしれない。その時に記憶がどうなるかもわからない


けど、やっぱりこの共有の記憶を持っている者は少ない方


がいいように感じていた。僕たちは堂々巡りから抜け出せ


ないでいた。するとピカピカと本が光っている。



「村からの?」



と僕が言うと



「いや、これは癒しの棲家のリラ様からだよ」



とミロクが言った。えっ。いつの間に!! 僕はびっくり


した。



「なんで?」



と聞くと



「やっぱり、リラ様もふたりのことが心配だし、気になる


んだと思うよ。だからいつでも連絡取れるようにできない


だろうかと相談されたから」



とミロクが言った。



「そうだったんだ」



と僕が答えると



「それにボクもリラ様にはまだまだいろいろ聞きたいこと


もあるしね」



と言った。ミロクはまだまだ、進化していくつもりなんだ


なあと思った。ミロクはリラ様からの連絡を確認しに


いった。すると



《年長者に聞いてみるのもありだな》



と久々に僕の中の奴の声がした。そうか、絶対かはわから


ないけど、僕の事をリラ様は気づいているかもとミロクも


言っていた。どうしたらいいか聞いてみるのもありだなぁ


と思った。ミロクが



「リラ様からラクリーレさんがふたりの事を気にしていて


どうしてるかって連絡して欲しいと言われてメモを送って


きたみたいだ」



と言った。ルクとノンは愛されているんだなと僕は思った。



「じゃあ、癒しの棲家にみんなで行けば?」



と僕が言うと



「それ、いいな。アレからしばらく経ったしどんな感じか


本人たちからの報告の方がおふたりも喜ぶだろうしな」



とミロクが言うと、



「ぼくも行っていいの?」



とアバンが言った。



「もちろん、一緒に行くさ」



とミロクが言うとアバンは子どものように喜んでいた。


早速ミロクはリラ様にメモを送り、アバンを小アバンに


するとみんなでルクとノンの横穴へ向かった。横穴の


小部屋に着くとドアの真ん中にあるベルを鳴らした。


するとすぐにガチャとドアが開いた。



「きてくれたんですね」



と言いノンが顔をのぞかせた。



「さあ。どうぞ」



と言いノンは僕の世界でいうリビングらしい部屋に案内


してくれた。すると、バタバタという音と共にルクが


入ってきた。



「来てくださって嬉しいです」



と僕たちの顔を見るなりルクが言った。そして



「こっちに来て落ち着いてきた頃だと思うんだ。


報告がてら癒しの棲家に行かないか?」



とミロクが言うと



「えっ!! 行きたいです!!」



とルクとノンは声をそろえて言った。そして、僕たちは


明くる日、癒しの棲家に行く事にした。


当日。ルクとノンが僕たちのいる洞窟へ来てみんなで


アバンに背中に乗りミロクの消える魔法で消え洞窟を


でて、結界を張り、ザボリタ王国にある癒しの棲家へ


向かった。もちろん、空の散歩はアバンの希望だ。どうせ


行くなら空を飛んで行こうよと僕たちを熱心に説得した


結果アバンの希望が叶った。僕たちは空の散歩を楽しんだ。


ルクとノンもこんなに長くそして上空から地上の景色を


眺めることはないので興味深々だ。どちらかというと冷静


なルクでさえ少し興奮気味に感じだ。充分、空の散歩を


満喫して山の奥深くの滝へたどり着いた。そしてミロクは


アバンに小さくなる薬を飲ませた。ルクが



「こっちです」



と言いノンと一緒に僕たちを滝の横まで連れていく。


僕たちはふたりに案内されるままついていく。とそこには


大きな木が一本立っている。そしてその木は岩肌ギリギリ


の位置に立っていてその間にひとり入れるぐらいの隙間


しかない。その間にルクが入る。するとルクが一瞬で


いなくなった。僕たちは今消えている。でも、ルクの気配


もなくなっている。すると



「さあ、ひとりずつどうぞ」



とノンが言った。ノンに言われるまま、最初にアバンが


入った。スゥーッとアバンが気配が消えた。ミロクも


続く。僕も続くとなんか不思議な感じがした。上手く説明


出来ないが異空間というか、なんだろうと思っている間に


見覚えのある癒しの棲家の街並みが目の前にあった。


そして、みんなもいる。ミロクが消える魔法を解いた。


ノンももうそこにいた。でも、アバンだけは消えたままに


していた街の人たちはへの配慮だ。



「今の何だったの?」



と僕が言うと



「アレはこの癒しの棲家内に入ってくる入り口のような


ものです」



とルクが言うとミロクが



「平たく言えば簡易の瞬間移動だよ。それを出入口にして


いる。ただ、結界も張られてあるから。知らない者が


あの間に入ってもこちらには来れないよ。ただ木と岩肌の


隙間に入ってるだけだ」



と説明してくれた。



「ミロクさん流石です。何の説明もしてないのに」



とノンが言った。ルクも感心している。そして、僕たちは


ルクとノンの案内で街中(まちなか)を歩いていく。


この間と同じ様にみんなとても好意的に接してくれる。


その通りを抜けこの間とは違う道を通る。住宅街のエリア


に入ってきた。立派な家がたち並んでいる。それはどこか


僕の世界でみる建物に似ている感じがした。その一角に


ひときわ立派な家の前で立ち止まった。



「ここは?」



と僕が聞くと



「リラ先生とラク先生のご自宅です」



とルクが答えた。



「ふたりは一緒に暮らしてるの?」



と僕が言うと



「リラ先生とラク先生は親子なんだ」



とノンが答えた。



「そうなんだ。ごめん、知らなかった」



と僕は言った。アバンも驚いている。ミロクは知っていた


みたいだった。そして僕たちは門をくぐり家のドアの前に


到着した。ドアの両横に鉢に植えられた立派な木が立って


いる。その木のてっぺんに星の形をした実のようなものが


ついてある。僕はクリスマスツリーみたいだと思った。



「ねえ。この木は何?」



と僕は聞いてみた。するとルクが



「スターアイ。別名シュエイツリーと言います」



「シュエイツリー? 」



と僕が言うと



「家の門番みたいなものです。まず、この木が育つと実を


つけます。この木の実は本を開いた様な形をしています。


その実が熟すとあの星が木のてっぺんにできてきます。


そうしたらその実を収穫します。それは連動していて


あの星の部分が見たものが、その本の形をした実に映り


ます。今も、私たちを映して家の中にあるこの木の実に私


たちの姿が映っているはずです」



とルクが説明してくれた。



「誰かが来たら教えてくれて、誰が来たか一目でわかる


んだよ」



とミロクが言った。



「へぇー、便利な植物だね」



と僕が言うと



「これは、植物の研究家の者が交配を重ねて品種改良を


して誕生したものです」



とルクが教えてくれた。



「へぇー。凄いね」



と僕は言った。すると



「はい。凄いです」



とルクが言った。この話をしてくれている時のルクは


とても目を輝かせイキイキとしていた。本当に植物の事が


好きなんだなとわかる。するとガチャとドアが開いた。



「お待ちいたしておりました。どうぞお入りください」



とラクリーレが現れた。とても広く、まるで洋館のお城の


ようだと思った。長い廊下にサイドに部屋が沢山あるその


突き当たりの大きなドアを開けるとまわりの壁には本棚が


あり沢山の本が並んである。真ん中にはテーブルとソファ


が。それもどんだけの人が座れるんだろうという程の


大きさだ。そして所々に台座がありその上に調度品の数々


が飾られている。するとラクリーレが



「お好きな所にお座りください。少々お待ちください」



と言い部屋を出て行こうとした。



「私たちもお手伝いします」



とルクが言うとラクリーレは



「あなたたちも今日は座って待っていて」



と言いルクとノンがついて行こうとするのをせいした。


そして部屋を出て行った。するとしばらくしてリラが


入ってきた。



「お待たせ致しました」



と言うリラの後ろにラクリーレとこの間学校の中庭で


会ったジシがお茶とお菓子を持って入ってきた。リラに


促さられ、ラクリーレとジシは僕たちにお茶とお菓子を


配膳してくれた。そしてジシは僕に会釈をするとそのまま


部屋から出て行った。それからしばらくはお茶とお菓子を


頂きながらルクとノンがリラとラクリーレに僕たちとの


暮らしについて話したりリラとラクリーレに質問されたり


して談笑していた。

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