ルクとノンの引っ越し完了
もちろん、僕の世界でのエレベーターのような精密さは
無いがしっかりとしていて安全面には配慮が感じられる。
ミロクがアバンに小さくなる薬を飲ませた。そして
エレベーターに乗り下へと下っていった。地下に着き
エレベーターを出ると、そこにかなり広い空間が広がって
いた。
「ここは何をするところなの?」
とアバンが聞いた。
「ここはルクの研究室を造るんだ。それに気になる植物を
育てたりする予定だ」
とミロクが言った。
「でも、植物って太陽が無いと光合成できないし、育た
ない物もあるんじゃないの?」
と僕が言うと
「大丈夫。こっちの世界には太陽の代わりになる光がある
んだ。それを設置して、あと必要なものを準備すれば外と
同じようにできるはずだ。それに暗いところでしか育た
ない物もあるしね」
とミロクは答えた。ミロクはルクに何か指示を出す。ルク
は広大な空間の真ん中に行き魔方陣を描き始めた。そして
「すみませーーん!! その箱の中に入っていて下さい」
とルクは言った。箱とはエレベーターの事だ。僕たちは
言われた通りにエレベーターにはいった。すると、また
さっきの様な不思議な感じが今回はダイレクトに感じる。
すると、
「もう、いいですよ。出てきてください」
とルクが言った。そしてみんなで出ていくと広大な空間は
あまり変化は無いが建物ができている。
「あの建物は研究室?」
と僕が聞くと
「そうです。中にはまだ何もありませんが」
と言ってルクは建物の中を見せてくれた。何も置いて
いないからなのかとても広く感じる。ミロクはとても感心
しているようだ。ミロクは魔方陣をつかわないのだろうか?
また、聞いてみようと思った。するとミロクがバラの
アーチを取り出した。
「どこにおく?」
とルクに言った。すると、ルクが研究室を出て
「あの中に設置しようと思ってます」
と言った。すると、さっきは気づかなかったドアが
エレベーターの横にあった。僕たちはそこに行きドアを
開けると小部屋になっている何も置かれていない。すると
ミロクが
「真ん中でいいか?」
とルクに言った。
「はい、お願いします」
とルクが言うとミロクはバラのアーチを設置した。それは
おばあちゃんの家の倉庫にあるのではなく森の中に設置
してある旧式のものだった。あれ?この間ミロクにアーチ
の話を聞いた時通ってないと見えないはずなのになんで
もうみえてるんだろう? と疑問に思ったがあえて何も
聞かなかった。するとミロクが
「ミヤ、これをくぐってまたここに戻ってきてくれないか?」
と言った。
「うん、いいけど。なんで僕?」
と聞くと
「実験台」
とミロクが言った。
「はあ!?」
と僕がキレ気味で言うと
「ごめん、ごめん。協力お願いします」
とミロクが言った。
「わかったよ」
と僕は言いその部屋の中央に設置されたバラのアーチを
くぐった。すると洞窟内であろう一室に出てきた。そこは
いつも僕の世界からこちらへきた時の部屋とは違う。気に
なってドアを開けるとやはり、ミロクとアバンの洞窟だ。
ミロクの研究室の横に出た。あれ? こんな所に部屋あった
かな?ミロクの研究室のドアを開け確認する。やっぱり、
ここはミロクとアバンの洞窟だ。確認を済ませ僕はまた
出てきたアーチをくぐった。すると目の前にはよにんが
いる。ん?不思議な事に気付いた。僕たちはミロクに
消える魔法を解いてもらっていないはずなのにはっきりと
みんなのことがわかっている。いつからだ? そんな事を
思っていると
「どうした? ちゃんと向こうの洞窟に着かなかったか?」
とミロクに聞かれた。
「いや、ちゃんと着いたよ。なんか僕の知らない小部屋に
出たけど」
と僕が言うと
「ああ。造ったんだ。こことの専用の部屋だ」
とミロクが言った。
「ねえ。ミロク、僕おかしいんだ」
と僕が言うと
「今更か?」
とミロクが言う。
「はあ!? そんな風に思ってたの?」
とキレ気味で僕が言うと
「冗談、冗談だよ」
とミロクが言った。
「そんなことより、僕たち今、消えてるはずだよね」
と僕が言うと
「ああ。まだ解いてなかったな。解くか?」
とミロクが言った。
「いや、それが解いてないのにみんなのことがはっきりと
わかるんだ。どうしてだろう? 今までは感覚でしか
わからなかったのに、今はうまく言えないけど、みえてる
ような」
と僕が言うと
「ミヤ、お前にも多分、魔力があるんだ。じゃないとボク
たちと同じように感じれたりしないよ。魔法が使えたり
しなくても、魔力があるから色々感じれていたんだとボク
は思う。それにまたさらに魔力が上がったのかもな。
だから消えてるボクらをはっきりとわかるんだと思うよ。
お前以外のボクたちはずっと前からわかってたけどな」
とミロクが言った。
「えっ!! そうなの?」
「ああ、例えば、ボクが自分だけに消える魔法をかけると
他の人には見えないはずだ。だか、ボクが自分とここに
いるみんなにかけるとボクがかけた者同士にはわかる
んだ。だから、ルクやノンがかけてくれても同じだ。
ルクがかけた者同士、ノンがかけた者同士にはそれぞれの
存在がわかるはずだよ。まあ、いろんなことが考慮される
から細かいことが変わってきたりするし、違うパターンも
あることもあるが、まあミヤのは魔力が上がったんだと
思うぞ」
とミロクが言うと
「凄いね、ミヤ。進化してるね」
とアバンが言った。
「凄いや、魔力って上がったりするんですね。生まれた時
に決まっているものだと思ってました」
とルクが言うと
「オレもそう思ってた」
とノンも言った。
すると、ミロクがルクとノンにアーチをくぐって戻って
くるように言った。ふたりはこの移動装置をくぐるのは
初めてらしくどこかソワソワしているようだった。
そして、ルクが先にくぐりその後をノンがついていった。
そしてすぐに戻ってきた。ミロクが
「これで、ふたりはいつでもここから向こうにこれるから
な」
と言った。そして僕たちはエレベーターに乗り上に
上がった。そして、ある一室へ入る地下にアーチを設置
した部屋ぐらいの広さの部屋だった。その中央にまた、
ミロクはアーチを設置した。また、僕が先に行く事になり
アーチをくぐった。さっき出た部屋へ着いた。改めて見る
とドアの真ん中にベルの様なものがついている。
なんだろう? と思いながら僕はまたアーチをくぐり、
みんなの待つルクとノンの横穴へ戻った。
「おお。無事に帰ってきたな。ちゃんとつけれたな」
とミロクが言った。
「うん。ねえ。ドアの真ん中にあったベルは何?」
と僕が聞くと
「呼び鈴だよ。それぞれのプライベートを考慮した。部屋
に入るときノックするだろう。ミヤの世界でいうチャイム
だな。お互いにいきなり現れたらビックリするだろう。
住まいはプライベート空間だからな。だから造ってみた。
こっちにもあるぞ。ほら」
とミロクが言った。本当だ。ドアの真ん中にベルがある。
凄いや。色々考えているんだなと感心した。やっぱり、
気になっていた疑問を僕はミロクにぶつけた。
「ミロクがこの間バラのアーチの事を教えてくれた時、
製作者が一緒にくぐらないと見えないっていって
なかった?」
「うん。基本的にはな。なんか色々なパターンがあるよう
だ。色々造っているうちにちょっとずつ変化していった
ようで、ボクが一緒に通らなくても、その場にいれば別の
者がくぐっても大丈夫になってたみたいだ」
「凄いね。どんどん便利になっていくね」
と僕は言った。そしてその後をルクとノンがこのアーチを
くぐり、またここに戻ってきた。
「これで、ふたりはどっちを通ってもボクとアバンのいる
あの洞窟にこれるからな」
とミロクは言った。これで、ルクとノンの住まいが
決まった。後は荷物を運ぶだけだった。しかし、ミロクが
持っている鞄をルクとノンも持っていて(ミロクの収納
ボックスよりは容量は少ないらしい)あっという間に
引っ越しが完了してしまった。異世界の引っ越しは簡単で
いいなと少し羨ましかった。そして僕たちはみんなで
バラのアーチをくぐり、ミロクとアバンの洞窟の広間で
ミロクの古い友人のリンモーゼの話を聞くことになった。




