表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/31

癒しの棲家

「お待ちしておりました。そして、ようこそおいでくださ


いました 。自立と魔法の学び舎〝癒しの棲家〟へ。私は


ここの管理を任されております、ラクリーレと申します」



とその娘さんは言った。そして



「申し訳ありません。ルクとノンは拐われてはおりません。


私共の提案にふたりには協力して頂きました」



とラクリーレは言った。やっぱり、だから滝壺から見えた


ふたりは切羽詰まった感じがなかったんだ。するとミロク


が、



「と言うことはここは若い仔猫たちが連れて来られている


場所ですね。そしてここにはリラ様がいらっしゃると思う


のですが」



と言うと



「ここでは何ですのでどうぞこちらへ」



とラクリーレは言い、滝へ向き直すとモーゼの海割れの


ように道ができその先に扉が現れた。すると



「さあ。一緒に来てください」



とルクが言った。



「ごめんね。騙すつもりは僕たちにはなかったんだ。


でも、ありがとうここまで来てくれて」



とノンが言った。僕たちはさんにんについて滝に出来た


その道を歩いた。扉を抜けるとそこは普通の街並みがそこ


にあった。そこは街のメイン通りのようで両サイドには


色々なお店があった。でも、その店の者は、猫がいたり、


人がいたり、他の動物だったりと様々だ。僕たちが店の前


を通るとみんな、明るく挨拶をしてくれる。そして、



「ラク先生こんにちは。安くしとくから買ってってよ」



と売り込みをする者もいる。そしてラクリーレがとても


慕われているのが手に取るようにわかる。ルクとノンにも


魔法の練習を頼む者もいたりする。僕たちに対してもとても


あたりがいい。そのまま進んでいくと街の中心まで来た


そこには立派な学校が立っている。そのまま僕たちはその


学校の門を入っていく。そして建物に入り、ついて行く


と学園長室らしい部屋の前に着いた。そこで立ち止まった


ラクリーレはドアをノックした。



「先生、お客様をお連れしました」



と言うと



「はい、どうぞ」



と部屋から女性らしき人の声がした。ラクリーレがドアを


開けると、大きな机の前に座る年配の女性がいた。



「ようこそ、おこしくださいました。私がここの創設者の


一人であるリラと申します」



すると



「創設者の一人とはどう言う事でしょう?」



とミロクが言うと



「この、癒しの棲家は私のパートナーであるラクドラルと


共に創り上げたものです。しかしラクドラルは一年前に


天寿を全うしました」



「そうでしたか。それは失礼しました。では、失礼ついで


にもう一つあなたは猫の国ニャータル王国の生まれでは


ありませんか?」



とミロクが言うと



「そうですね。そんな時代もありました。しかし昔の事


です」



とリラはミロクをまっすぐに見てそう言った。僕は思い


切って切り出した



「あの、どうしてルクとノンの嘘の誘拐までしたんです


か? あなたたちは僕たちに対しても友好的なのにこんな事


をしなくても招待すればいいだけの話なのでは?」



と僕が言うと



「そうですね。素直に話しここに来ていただくことも


できました。これからはお互いに腹を割ってお話ししま


しょう。その為に正体を明かさなければなりません。


ラクリーレ」



とリラが言うと人の姿から長毛のサビ猫へラクリーレは


変わったというより戻った。そして、リラも長毛の三毛猫


へと戻った。と言うことは僕たちの正体も明かすことに


なる。そう思った時、



「彼はミヤ。人間です。でも、ボクのことをとても理解して


くれている大切な友達です」



と言うとミロクは三毛猫に戻った。そして



「もうひとり、貴方ならお気づきかもしれませんが、ここ


にいます。彼の姿を見せることは多くの者を驚かせて


しまうことになる。なのでご容赦頂きたい。


彼はドラゴンのアバンといいます。彼もまたボクを理解


してくれているとても大切な友達です」



と言った。その場にいた僕たちとリラ以外のさんにんは


とても驚いていた。リラはわかっていたらしい。


顔色ひとつ変えずに話を聞いていた。すると



「ぼく、小さいまま姿を現してもいいよ」



とアバンが言う。すると



「大丈夫ですよ。そのままで。あなたはとても穏やかで


優しいドラゴンであるとわかります」



とリラが答えた。リラにはアバンの声も聞こえている


らしい。ラクリーレとルクとノンはキョトンとして頭に


ハテナマークがいっぱい出ているのがわかるほどだ。


ミロクはさんにんにアバンとリラのやり取りを説明して


あげた。そして僕たちはそれぞれソファに座り、リラの話


を聞き始める。




 リラはまず、今回の件を詫びた。こんな真似をしたのは


僕たちの、強いて言うならミロクの実力を確かめる為だと


言った。それはどうしてかと言うと、ルクとノンの生い


立ちが関係してくるのだと言った。どう言うことかと尋ね


たら、ルクとノンには王家に伝わる印となる痣があるの


だという。それは王の血を継いだものに出てくるもので


それはオス猫の血筋とメス猫の血筋では形は同じだが色の


濃さが違うのだという。耳の中に星のマークができる。


色が濃いとオス猫系の王家の血筋。色が薄いとメス猫系の


王家の血筋が。黒猫には耳の中に白い星のマークができる


とオス猫系の王家の血筋。薄いグレーの様な色だとメス猫


系の王家の血筋だと教えてくれた。ミロクの耳の中には


ハッキリとわかるように濃い星のマークがあった。そして


ルクとノンのの耳の中には薄い星のマークがあった。


と言うことはこのふたりはメス猫系の王家の血筋をひく


ものである。



「えっ。ちょっと待ってくれと言うことはルクとノンは


ボクの甥っ子で、母親はボクの妹のカノンと言うことか」



と言った。ルクとノンはミロクのカノンと言う言葉に



「お母さんの名前はカノンと言うんだ」



と嬉しそうに言っている。ミロクがパニックにを起こして


いる、それもそのはずだ。弥玖はカノンの友達でルクと


ノンの母親は自分だと言っていた。



「ちょ、ちょっと、待ってくれ。ボクの聞いた話と違う!!


なぁ、ミヤ」



と僕にふってきた。



「うん。僕たちが聞いた話とは違うね」



と僕は言った。すると、ラクリーレが、



「正統な王家だけではなく、例えば、王様の弟妹の子供


たち、分家にも星のマークはでます。だから、カノンさん


ではなく別の方である可能性もあります」



と言った。



「なんだ。そうなんだ」



とミロクが言う。



「そうか、カノンさんがオレらのお母さんじゃないんだ」



とルクとノンは少し残念そうに肩をおとした。



「だけど、王家の血筋である事は変わりありません」



とラクリーレが言った。そしてまた、リラが話し始める。


猫の国ニャータル王国は以前は友好的な国だった。しかし


今は鎖国している。そして国を出ると言うことは縁を切り


二度と国に戻ることはできない。そして、国外から猫の国


に入る事も許されない。という鉄の掟の様なものがあると


いう。そして、国を出るものの多くは国内でのイジメの


ようなものがほとんどだった。そんな閉鎖的な国にいる


ことをリラは疑問に思い国を出る決意をした。


そして誰もが自由に学ぶことのできる、その者がその者


らしくいられる事を基盤に生きていく術を皆に平等に


与えることを目指してここを創ったというのだ。ただ、


その理想を叶える為に皮肉にも猫の国と同じ閉鎖的に


なってしまったと。そしてリラは本題に戻った。なぜ、僕


たちに試す事をしたのか。その王家の血筋であるルクと


ノンをミロクに託したいと思ったのだという。しかし、


そのミロクがこのふたりを託すだけの者なのか、申し訳


ないがテストだったという。



「ちょっと、待ってくれ。どうしてボクが試されなければ


ならない。あなたたちがこのふたりと共に生きていく事も


選択肢にはあるはずだ」



とミロクは言った。



「私たちにはできなかったことをミロクさん、あなたは


しているのです。種族を越えて共に平等に生きていく。


そして、共に協力しあい平和な世界をあなた達は生きて


いる。色々と調べさせてもらいました。そんなあなた達の


元でこの子たちが過ごすことがこの子たちの為にもなると


私はそう思います」



「あなた方からはそう見えるのかもしれないでもそれは、


ボクだけの力ではない。買い被りすぎだ。ここにいる、


ふたりの力が大きい。ボクは恵まれていただけだよ。それ


にまだまだ、ボクよりリラ様あなたの方がとてつもない力


がある。それをこのふたりに教えていく事もできるのでは


ないですか? なんならボクも教わりたいくらいだ」



とミロクは言った。確かにミロクとアバンは、僕が提案


した契約のもとに人間たちと協力して平和に暮らして


いる。でもそれは本当に種族を越えて共に協力しあい平和


に暮らすとは意味が違う。どちらかの裏切りは消滅を意味


するのだから。ミロクとアバンにその気がなくても生き物


は皆、変化していく何が起きてもおかしくない。今は均等


を保てているが何かで崩れることになるやもしれない。


でも、ミロクとアバンはそれでも自分達の夢と理想を現実の


ものとするべく歩み続けるだろう。それを僕は手助け


したいし応援したいと思っている。



「そんな風に言ってい頂くのは有り難いですが、私の力を


あなたはゆうにこえています。御自分ではまだ気づいて


いらっしゃらないようですね」



とリラは言った。ミロクはとても驚いている。すると、




「ひとついい?」



とアバンが言った。それに反応したのはリラだった。



「何ですか?」



と言った。ルクとノンそしてラクリーレに僕はアバンの


言葉を通訳することにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ