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さらわれたルクとノン

 ミロクに聞いた話だとこの 〝お知らせ草〟 にはオス、


メスがいて対になっているのだという。それは生涯同じ


オス、メスなのだ。離れているときは何の反応もないが、


その対が1mの範囲内にいると、お互いがピューピューと


言う鳴き声のような音がする。


が、範囲内にいるはずなのにミロクの 〝お知らせ草〟 は


何の反応もしない。どうしたのだろう?僕たちは心配に


なり、結界を解くか悩むが、とりあえず、街にいるという


ノンの家に行ってみる事にした。僕が教えてもらった住所


に行くが、ノックをするが反応がない。でもドアを叩いて


いると隣の人が声をかけてきてくれた。



「そこの家の人昨日の夜遅くに荷物を取りにいていました


よ。今朝、大家さんに会って話をしたら、そこの家の家族


だという人が来て部屋の解約をして荷物を取りに来たん


だろうと言ってたけど」



と教えてくれた。僕たちはその人に大家さんの家を聞き、


お礼をいいその場を離れた。大家さんの家にいったが、


隣の人に聞いたこと以外の情報は一つ、ノンの調子が悪い


ので変わりに家族だというもの達がやっていたらしいと


いう事だった。何がおかしい。大家さんにもお礼をいい、


もう一度僕たちはルクの家を急いだ。そして今度はミロク


の消える魔法で消える。そして、ミロクが結界を解除して


大きな木の中に入った。結界をして消える魔法を解くと


そこは何もない。もぬけの殻だった。僕たちは驚いた。


何が起きているんだ。何が手がかりが残ってないか探して


みるも何も見つからなかった。僕たちは仕方なく仮家に


戻ることにした。仮家に戻ると家のドアにタンポポの綿毛


のようなものがビッチリとついていた。ミロクは慌てる


ようにそれを一つ残らず掻き集め、手のひらに乗せ両手で


包み込んだ。



「何をしてるの?」



と僕が聞くとミロクは



「まあ、見てて」



と言った。僕がドアを開けて家に入る。アバンにも、一緒


に仮家に帰ろうと言ったら、丘の上の大木の上空で待機


していると言った。もしかしたら何か異変があるかもと。


リビングにつくとミロクがコップに水を入れてきてと僕に


頼んだ。僕が水の入ったコップを持って戻ってくると


ミロクの手にはドングリくらいの大きさの種のような物を


ミロクは持っていた。



「ミロクのそれ何? 種?」



と僕が聞くと



「後で説明する」



と言い、僕の持ってきた水の入ったコップの中にそれを


入れた。するとミロクは唇に人差し指でおさえてシィー


っていうポーズをとった。するとコップに入れた物から芽


が出てあっという間に種の様なものがパカッと開いたと


同時に



『タスケテ!! アニトトモニサラワレタ。ヤマノオクフカ


クノタ』



と言うとノンの声が聞こえた。何? と僕が鳩が豆鉄砲を


食ったよう顔をしていると、ミロクは



「これは 〝伝言ポッポタン〟 って言う。ミヤの世界で


言ったらボイスメモのようなもので25文字しか録音


できない。だから途中で切れたんだ」



とミロクが教えてくれた。詳しく聞くと 〝伝言ポッポタン〟


はタンポポの様な花を咲かすその花に唇をつけ、伝えたい


言葉を25文字で言うとタンポポの綿毛のようなものに


なる。そして、綿毛をのついた茎をちぎり届けたい住所


か相手の名を言いその綿毛を吹くと相手の元へ飛んで


いく。それは大体家の玄関のドアにはりつくらしい。


そしてその綿毛を全て集めて両手の手に挟んで温めると


一つの塊になる。それを水につけるとすぐに芽を出しその


塊がパカっと割れてメッセージが聞こえるのだと言う。


それからミロクのは 〝お知らせ草〟 の新たな事実も教えて


くれた。対になっている為どちらかが、枯れたり、生命を


絶たれた場合、もう片方も枯れてしまったり消滅したり


するらしい。がまだ、ミロクの手元にある物をは生きて


いると言うことはルクと共に連れていかれた可能性が高い。


そして、もう一つミロクが調べてわかった事があるという。


ルクの所からもらってきた時は葉っぱは生き生きとした


緑色をした綺麗なものだったが、今朝見たら黄色になって


いた。枯れ始めたのかと思って調べたのだという。それは


対の 〝お知らせ草〟 の距離が関係あるのだという。近くに


いれば緑色。遠く離れてしまうと黄色になるのだと。その


間だと黄緑色なのだと教えてくれた。と言うことはこの村


や街にはいないということになるのか? とりあえず、


手がかりは、 “ヤマノオクフカクノタ” とその 〝お知らせ


草〟 の二つしか今のところない。とりあえず、ミロクは


アバンを迎えに行った。僕は仮家で待つことにした。


でも、どうしてこのタイミングでふたりは連れ去られる


ことになったのか? 僕たちがふたりと接したことを知った


誰かがふたりをさらったのか? だとしたら、僕たちの事を


知っている誰かがこの異世界にいることになる。それとも


この村にいる誰かが関わっているのか? 色々、想像を


巡らせるも堂々めぐりにしかならない。ふたりが無事に


いてくれる事を祈った。それから、しばらくしてミロクが


仮家の玄関から帰ってきた。



「アバンは?」と聞くと、



「この家の上空で待ってもらっている。アバンにも事情を


話した。このまま探しに行こう。まずはこの村から一番


近い山へアバンに連れて行ってもらおう」



とミロクが言った。確かに上空から探したら地上からとは


違うことが気付けるかもしれない。僕たちは早速、山へ


向かう。





 その道すがら僕は、伝言ポッポタンが言っていた


“ヤマノオクフカクノタ” とは、 “山の奥深くのた” ()


は何かの単語の頭文字? なのだろうか。山の奥深くにある


()とは? いや、もしかしたら、高いとかそういう


コトかも知れない。ますます、謎が深まる。僕は深く


考えてすぎてしまっているのかも知れない。アバンと


ミロクに聞いてみることにした。



「ねえ。伝言ポッポタンの言っていた “ヤマオクフカクノ


タ” の()って何のことだと思う?」



するとアバンが



「うぅーん、なんだろうね? 」



とミロクが



「……大木」



と言った。こんな時は直感を信じてみるのがいいかも


知れない。僕たちはミロクのいう大木を探した。しかし、


大木は沢山ある。僕たちは途方に暮れていた。すると


アバンが



「あの一つだけ飛び出ている高い木は? あっ、()


つくよ」



と言った。確かに他の木に比べて異様に一本だけ高く


なっている。僕たちはその木の元に降り立った。その木は


本当に他の木と比べて高いが大木ではなかった。ミロクは


結界など、魔法がかかってないか確認している。僕も周り


を見回してみる。アバンは上空から何か感じないか見て


くれていた。すると、ミロクが



「何も感じない。これじゃないかもな」



と言った。僕も何も変わったところはなかった。すると、


アバンが降りてきて、



「ねえ。鳥たちが変なこと言ってたよ。『マタ、ヘンナヤツ


ラガチョロチョロシテル。デモ、アイツラワルイコトハシ


ナイ』って、なんのことだろう?」



と言った。あっ!! そうだった。このふたりは動物たちと


話が出来る。アバンはドラゴンだから、怖がられるけど今


は消えているから動物たちの話が聞けるし、ミロクは


その動物になって聞いてもらう事もできるかも。僕は



「アバン、ミロクその手があったよ。ミロク、動物たちに


聞いてみてよ。アバンは今消えてるからそうやって動物


たちの話が聞けるじゃん」



と言うと



「そうか。ぼく、今なら動物たちの話を盗み聞きできるね。


何か悪いことしてるみたいだけど」



とアバンは言った。



「アバン、鳥たちはどっちから来てどっちに行った?」



とミロクが言った。



「あっちから来てこっちへ行ったよ」



とアバンは教えてくれた。



「ありがとう。じゃあ、来た方へ行ってみよう」



とミロクが言った。僕たちはアバンの背中に乗り鳥たちが


来たという方向へ向かった。すると、ミロクが



「水の音がする。近くに水場があるようだ」



と言うが僕には何も聞こえない。アバンが



「本当だ。水の気配がするね」



と言った。僕は



「えっ。どこ? わからないよ」



と言うと



「もう少ししたら着くよ」



とアバンが行った。それからしばらくすると本当に水の音


が聞こえてきた。そして水場に到着するとそこはなんと、


滝だった。あっ!! ()がつく。そこはまさしく、


山の奥深くの()だった。僕はココだとピンときた。


この何処かにルクとノンはいる。そう思った。ふたりにも


その事を伝えた。ふたりは半信半疑だが、僕がそこまで


言うならと。この辺りを探すことを承諾してくれた。


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