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19/31

大きな木に再び

 ミロクと僕があの光る木のある丘へ着いたのは夕暮れ時


になっていた。僕たちが思っている以上に距離があり


帰ってくるまでに時間がかかった。大きな風が吹く。


と共にアバンの気を感じる。すると



「今日は茶白ちゃんは出てこなかったよ。でも、茶トラ


ちゃんがさっき入っていったよ」



と教えてくれた。アバンの話だとノンは人間の青年で丘の


下まで来た。その道沿いある木の陰に隠れ姿を消した


らしい。そして丘の上の大きな木に入っていった感じが


したと言っていた。そして、まだノンはあの木から出て


きてはないらしい。ミロクと僕はどうしようかと迷った。


昨日の今日で伺うのはいかがなものかと。で、僕たちは


今日はこのまま帰ることにした。すると、



「ミヤくん!!」



と背後から声をかけられた。僕は振り返ると青年のノンが


僕に向かって走って来ている。



「ミヤくん、昨日の人と一緒なんだね。2人とも昨日は


ありがとう。兄はあの後気がついて今は大事をとって休養


させているよ。本当にありがとう」



とノンは僕とミロクに向かって深々と頭を下げた。



「ノンくん、頭をあげてよ。僕は何もしてないよ」



と僕は言った。



「そんな事ないよ。ねえ。そちらの方はミヤくんの友達


なの?」



とノンはミロクの事を聞いた。



「まだ、紹介してなかったね。僕の友達のミロクだよ」



と僕が言うと



「ミロクです。よろしく。お兄さん、食欲はある?」



とミロクは聞いた。ノンは



「改めまして、昨日はありがとうございました。ノンと


言います。ハイ、兄はちゃんと食事をとっています」



と言い続けて



「あの、よろしかったら兄に会ってやってください、兄も


会ってお礼を言いたいと言っています」



と言った。僕とミロクは顔を見合わせて、



「じゃあ、少しだけ」



とミロクが言った。そしてノンは僕たちを案内してあの


光る木へと向かう。その後をミロクがついていく。僕は


最後について行った。そして、小さな声でノンに気づかれ


ないように



「アバン、ちょっと待っててね」



と言うと



「うん。上空にいるから」



とアバンは答えた。大きな木の前に着くとノンは辺りを


キョロキョロと見渡した。そして



「ごめんなさい。ちょっと魔法をかけさせてもらいます」



とノンが言った。僕とミロクはノンの言葉を聞き頷くと、


ノンは自分も含め僕とミロクに消える魔法をかけた。もう


一度周りをキョロキョロキョロ見渡し、誰もいない事を


確認する。そして大きな木の結界を解く。すると大きな木


の幹に扉が現れる。その間も僕とミロクは周りを見渡し


誰もいないか確認していた。そして、扉を開けて中に入って


いく。そしてすぐに戸を閉めまた結界を張る。そしてノン


は僕たちの消える魔法を解いた。ここで住もうと思ったら


これくらい慎重にならないといけないよなと僕は思った。


昨日は急な事だった。上空にいたアバンに後から聞いた


ら誰もいなかったよと言っていた。不幸中の幸いだった。



「すみません。かなり面倒くさいですよね。でも、オレ


たちは周りの者たちに気づかれないように住んでいるので


協力お願いします」



とノンは言った。



「当たり前だよ。それぞれにそうする理由があるんだ


から」



とミロクが言った。



「そうだよ、僕たちは気にしてないよ」



と僕も言った。



「ありがとう。そう言ってもらえるとありがたいです。」



とノンは言い続けて



「こっちです」



と昨日案内してくれた一室に案内してくれた。コンコンと


茶白猫・ルクのいる部屋をノックする。そしてノンは



「兄さん、昨日助けてくださった方々をお連れしたよ」



と言うと



「どうぞ」



と部屋の中から声がした。ノンが戸を開けてくれ僕と


ミロクは部屋に入った。ベッドに上半身を起こした青年の


姿の茶白猫がいた。ノンは僕とミロクを紹介してくれた。



「昨日はありがとうございました。私はルクと申します。


昨日は急に目の前が真っ白になって、気がついたらベッド


の上でした。その横に心配そうにしているいないはずの弟


がいたので、ビックリしました。弟に事情を聞いて、是非


あなた方にお礼が言いたいと思っていたので、偶然にも


会えてよかったです。本当にありがとうございました」



とルクは深く頭を下げた。やっぱりルクだったんだと僕は


思った。



「いや、気にすることはないよ。僕たちはその場に


居合わせたからした事だ。どうだい、気分の方は?」



とミロクが言う。



「はい。あなたに頂いた薬と弟が食事を、作ってくれる


ので、もうすっかり私的には元気なのですが、弟が心配


して休養している次第です」



と嬉しそうにルクは時折ノンを見て話した。もしかしたら、


ふたりの間のわだかまりが緩んだのかもしれない。と僕は


思った。



「そうか、それはよかった。ちょっとだけ見させて


もらっていいかな」



とミロクは言う。そして、ミロクはルクに横になって


もらった。そして、また、頭の上に手をかざし、ゆっくり


とスキャンしていく。そして、足のつま先まで済ますと。



「うん。昨日とは全然違う。精神的にも落ち着いてるね。


後は、しっかり食べて体力をつけるといいよ」



とミロクは言った。



「はい。ありがとうございます。 ここ最近で一番調子が


いいと自分でも思ってます」



とルクは言った。そして



「あの、もう私普通に生活していいですよね」



とルクは言った。



「そうだなぁ。あと二日後にもう一度、どんな様子が


見させてもらいたい。それで何ともなければもう大丈夫


だろう」



とミロクは答えた。



「ホントですか?」



とノンが言う。凄く安堵の表情をしている。ルクは



「まだ、そんなに大人しくしとかないといけないんです


ね」



と少し不服そうだった。僕たちはまた、二日後に来る約束


をしてルクとノンと別れた。外に出た僕とミロクは、


そのまま仮家へ向かって歩き始めた。そして途中でミロク


は死角になる場所を探し消える魔法を自分にかけ、アバン


の元に戻りアバンと共にいつもの洞窟に戻った。僕は


そのまま歩いて仮家に戻った。僕は気がついたら寝ていた


ようだ。ミロクに起こされて目が覚めた。僕たちは、


これからの事をみんなで話す為一旦洞窟に戻る事にした。


アバンは広間で待っていてくれた。とりあえず、僕は気に


している事をミロクに聞いた。



「ねえ。いつ、ルクとノンに弥玖の事を話すの?」



「やっぱり、ルクが元気になってからの方がいいと思った


んだ。だから、チャンスはあったけどあえて言わなかった。


結構あの2人にとって衝撃的な話でもあるだろうから」



ちゃんとミロクはあの2人の事を考えていたんだ。



「そうだね。ゴメン、急かすような事言って」



「いや、ミヤがボクの出方を伺ってくれている事は


わかっていたんだ。前もっていっとけばよかったよ。


ゴメンな」



とミロクは言った。



「でも、2人にはどこまでの事を話すの?」



とアバンが言う。そうだ、母親に依頼されたとして、僕ら


の正体や異世界の事、弥玖の事だって、何をどうどこまで


話したらいいのか。課題が山積みだと言うことに気が


ついた。ん?アレ本来の目的は何だったっけ? と考えて


みた。弥玖は子供達を探して欲しいと。幸せならそれで


いいと言っていた。しかし、幸せでなかったらミロクに


託すと。僕たちは大きな事を見落としていた。ルクとノン


の2人は今、自分達の人生をどう思っているのか。幸せと


思っているのならそっとしておけばいいのだ。



「そうだよね。僕、本来の弥玖からの依頼を忘れかけてた


よ。2人が今、幸せなら何も言わずこのままそっとして


おけばいいんだよね。ただ2人が幸せでなかったらミロク


に託すといっていたのだから、2人が今どう自分達の人生


を思っているのかが、大事な事を忘れていたよ」



と僕が言うと



「そうだったな。ボクも真実を伝えなければとばかり、


本来の依頼を忘れてたよ」



とミロクが言った。



「じゃあ、2人が幸せかどうか聞くということだね」



とアバンが言った。続けてアバンが



「もし、ミロクとぼくで引き取る事になったら、本当の


事情は追々話していけばいいんじゃないの? だって


ぼくたちのところに来る選択をまずあの2人がするか


どうかわからないでしょう」



と、アバンは言った。そうだ。2人の人生は2人のもので


母親である弥玖が望んだとしても、2人がそれを


望まなかったら無理強いはできない。どういう人生を


おくるかはあの2人の決めることだから。結局、2人に


幸せであるかを聞くことしか、決めれなかった。後は2人


の望み次第では変わってくる。僕たちは、またそれ以上


話し合う事をやめた。僕たちがどうこう言い合うことでは


ないと思ったからだ。


そして、二日後、約束の時間に僕たちはあの光る木へと


向かった。アバンは上空で待機してもらい、僕らは誰かに


見られても怪しまれないように大きな木の扉がある辺りに


立ち大きな木を背にして景色を見るように立っていた。


そしてミロクがある物を鞄から、取り出した。


それは二日前、ルクから渡された 〝お知らせ草〟 と言う


不思議な植物の鉢植えだった。鉢植えと言っても鉢を


入れても10㎝程の小さな物で草の高さは6㎝程しか


ない。しかし、その 〝お知らせ草〟 は何も反応しない。

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