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アバンの虹色の光

 後はこの予想があたっていることを祈るばかりだ。僕は


アバンに



「ねえ。僕たちなりの予想はできたけど、保証はでき


ない。怖いよね」



と厳しいことを聞いてみた。



「うん。怖いよ。でも、ぼくはふたりを信じているから。


ぼくにはふたりがついてくれてるから。でももし、本当に


ぼくが消滅したら、村人たちとミロクに謝っといてね。


村の人には、【守り神】ちゃんとできなくてごめんって。


ミロクには、…………」



と僕の耳元でミロクへの想いを告げた。僕は胸が苦しく


なった。この言葉は、ミロクに伝えなくてよくなることを


願った。それからしばらくして、ミロクが



「出来た!!」



と言って、小さな透明な容器に入った七色に光るエキスを



持ってきた。とてもキラキラとしている。七色が混じって


違う色になるのではなく、本当に虹色のままのエキスだ。



それをミロクは茶色の小瓶に移し入れ、蓋をした。僕たち


は、早速、村の病人達と明日会う段取りをたてる。すぐ


に、ミロクは村に連絡を入れた。




 当日、この間と同じようにして僕たちは、あの洞窟に


向かう。そして、もちろん僕は消えたまま村人たちがくる


のを待った。すると、夕方になり村人たちがやってくる。


広場にいるアバンの前にひいたゴザに3人が座る。この間


の時よりマシだが付き添いの2人に支えられながらに


なる。少し息苦しそうだ。僕はジッと目をみる。


かろうじて正気を保てている感じだった。ミロクが



「待たせてすまなかった。では、始めよう」



と言い、アバンの口にコウリンランから抽出した虹色の


エキスを流し込んだ。すると、アバンの体が、大きく


ビクンとする。でも、すぐにおさまる。アバンは光を


出す。すると、金色の光を放つ。そして徐々に


ピンクゴールドにそれから赤色に、オレンジ色に、黄色


に、緑色に、青色に、藍色になり、紫色に光は変化し


最後に虹色の光になった。そして、それを3人にだけ


あたるようにコントロールしあてた。すると、病人たちの


頭からスゥーと黒いモヤのようなものが上空へ上がった。


でも、それは一瞬で虹色の光となりパンとはじけて


キラキラと降り注いだ。すると、病人たちの顔色が


みるみる良くなっていく。僕は彼らの目をジッと見て


いた。すると正気の戻った元気な目になっている。で、僕


は慌ててアバンを見る。虹色の光を放つアバンはいつもの


アバンと変わらないように思った。もうしばらく光をあて


そしてアバンは光をあてるのを終了した。すると



「ありがとうございます」



「ほんと、なんと言っていいのやら」



「こんなに清々しいのは久しぶりです」



「助けてくださりありがとうございました」



と3人は口々に言い最後に3人でお礼を言った。それを


聞いて付き添いの2人も3人と抱き合って喜んでいた。


良かった。村人たちは元気に戻ったんだ。と思っていると


ミロクが3人に話しかけた。



「ところであなた方はどこであのガルトリをみた


のですか?」



「はい、村から南にくだって行くと誰も住んでいない森が


あるんです。なぜか昔からあの森には人は住まない。


でも変わったものがあったりしてそれを取って街まで売り


に行ったりしていたんです。でも、今まではあんな植物


なんて見たことなかったのに今年になって行ったらあった


んです」



「なんか見たことないし、珍しいなと思って近づいたら、


煙のようなものが出てて」



「で、3人共吸い込んでしまった。ヤバそうだったから、


すぐに森を出て村に帰ったんです。その時はなんとも


なかったのに明くる日くらいから少しずつヤル気が失せて


いったんです」



と言った。そういえばミロクに見せてもらった本にこの辺


の地図があった。この村と人間の国の間にもう一つ村が


ある。その村とこの村の間に小さな森がかいてあった。


禁忌の森と書いてあった気がした。こっちの言葉でなんて


言うのかはわからないけど。あの森にいるツボギと


ガルトリを駆除しなくてはいけないのか。



「ありがとう。場所はどの辺りかわかりますか?」



とミロクが聞くと、洞窟の床の土の部分に石で地図を書き



「この辺りに行きました」



と1人が教えてくれた。



「村の人たちにもしばらく行かないようにと伝えて


下さい」



とミロクが言った。すると付き添いの1人が



「あの、もし隣の村の人や街の人や旅人達が行っていた


ら?」



と言うとミロクは少し黙ってしまった。僕はミロクに



「少し僕たちで調べてみる?」



と耳元で告げるとそれを村人たちに告げた。すると、もう


1人の付き添いの人が



「昔からこの時期にあの森には入るなという言い伝えが


この辺の地域にはあるんだ。それを無視して入ったのは


お前達だろ」



と言った。そんな言い伝えがあったのか。すると、もう


1人の付き添いの人が



「だから、それを知ってれば、行かないと思うんだけど。


だからあの森には人が住んでいないし、この時期になると


森の動物達も近くの森に移動するんだ」



と言った。えっ、そうなんだと僕は驚いた、そしてミロク


に気になることを聞いてもらった。



「もし、アバンの今の光をその森や隣村や街で放ったら


問題になるよな」



と言うと



「いや、虹色の光は神の恩恵というと言い伝えがある。


みんな喜ぶかも」



と言う。なんだよ。自分達で調べるより、人に聞いた方が


早かったみたいに少し感じた。なら、一晩のうちに光を


放っても大丈夫かもしれない。アバンの様子はいつもと


変わらない。僕はアバンに近づいて様子を伺うも何も異変


はなさそうに思った。そして、村人たちはアバンとミロク


に何度も御礼をいい荷馬車で帰っていった。



「アバン、大丈夫? 何ともない?」



と僕とミロクは同時に聞いた。



「大丈夫。まだ、やらなきゃいけない事があるだろう」



と言うアバンの強さを感じた。そして、僕たちは外に出る


準備を整え洞窟を出た。ミロクの消える魔法で姿を消した


僕たちは、禁忌の森へ向かう。村人に聞いた場所に行くと


何故だろう、夜なのに禍々(まがまが)しい気を放って


いる植物を感じた。アバンがその植物に虹色の光をあてる


とスゥーと禍々(まがまが)しさがなくなりその植物は


消滅してしまった。えっ、邪気だけを祓うんじゃないの?


と思ったが、消滅する事で今後誰かに被害がおよぶことは


ない。そして、また少し離れた所に禍々しい気を放って


いる植物がある。アバンは突然上空へ上がる。そして上空


から下を見るとどうしてだかわからないけど禍々しい気が


あちらこちらに感じる。そしてアバンは一瞬森の全てを


覆う程の大きな虹色の光を放ち包み込んだ。それは本当に


ほんの一瞬に感じた。すると、さっきまで感じていた


禍々しい気が一気になくなる。アバンは何かを探している


ようにジッと森の様子を見ている。そして突然



「もう大丈夫だと思う。もう邪気を感じない」



とアバンが言った。ミロクはアバンを心配して声を


かけた。



「ありがとう。でも、アバンの体はどうだ、変な感じは


ないか?」



と言うと



「うん、大丈夫。次に行こう」



と言い、僕たちは森の隣の村に向かう。その間もアバンは


邪気がないか察知しながら飛んでいるようだった。


村あかりが見えてきた。アバンは上空にとどまりジッと


邪気を感じとっているようだ。



「たぶん、ここに邪気はないと思う。でも、一応光放って


もいいかな? もしもの為に」



と言った。ミロクは



「アバンが大丈夫ならいいけど、無理はしないでくれよ」



と言うとアバンは



「うん、わかった」



と言った。そして、本当にほんの一瞬虹色の光を放つ。


すると、村人たちが騒ぎ始める。僕たちは慌てて街に


向かって飛んだ。姿を消しているが安心は出来ない。


しばらくすると村とは違い煌々と灯りのついている街に


着く。アバンは街(国)が見渡せる程の高い位置まで上空


に上がる。そして、ジッと見て邪気を感じとっているよう


だった。すると



「1ヶ所だけ村人たちと同じ邪気を感じる。じゃあ、光を


放つよ」



と言うとアバンはすばやく一瞬、虹色の光を放った。


そしてまた、邪気を感じとる。



「うん、消えた。これで大丈夫」



と言った。僕たちはそれから、その隣接した森や村を


巡り、アバンは邪気を探した。すると僕たちがいる隣村に


邪気が点々とあることに気がついた。アバンは言う。



「少し今までより邪気が強くなってる。一瞬で効くか


どうかわからない。でもやってみるよ」



僕たちはもうアバンの事を見守る事しか出来なかった。


アバンは今までより強い虹色の光を今までより感覚的に


だが、少し長く放つ。すると村人たちが慌てて家から出て


きた。でもアバンは動じず、再び邪気を感知する。すると



「ほとんどの邪気は無くなったけど、一ヶ所だけ


残ってる。だいぶん、邪気は弱くなっているけど」



とアバンは言った。ミロクはアバンの体を心配している


ので



「今日はもう一回だけにしよう。もしダメならまた来れば


いい」



と言った。すると



「じゃあ、もう少し強く放ってみるよ。それで終わりに


する」



と言うとアバンはさっきよりもかなり強くでも一瞬だけ


光を放った。すると一瞬、アバンがバランスを崩す。


僕たちは振り落とされないようにしがみついた。



「大丈夫か? どうした?」



とアバンに僕たちは問いかけた。するとアバンが



「ゴメン、力が入りすぎちゃった」



と言った。



「よかった。無理するなって言ったろう。ボクはアバンの


身に何かあったら気が気でない」



とミロクが言った。



「ごめん」



とアバンが小さく言う。そしてまたアバンが邪気を感知


する。



「うん。無くなったみたいだ。これでいい」



と言うと僕たちは下の村が大騒ぎになっている事に気が


ついた。でも、暗闇だし消えているので僕たちには、


村人たちは気づいていない。中には天を仰ぎ両手を合わせ


ている人もいる。それを見て村人の言った言い伝えを思い


出した。そして僕たちは、アバンがもう少し見まわって


おくと言うので少し遠くまで行ったが何もないので、


いつもの洞窟に戻った。

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